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お砂糖の関係をリアルに持ち込むことについて考えてみる(VRCで感じたこと⑤)

前置き

個人的な考察です。筆者はお砂糖したことないのでエアプと言っていただいて構わないです。でもVRChatまる5年やって、隣近所のお砂糖のあれこれを聞いて、自分なりに考察を深めてきました。ので、その一部を紹介。

お砂糖をどう定義する

「お砂糖」の持つ意味は余りに広汎であり、ゆえにお砂糖関係における2人が、そのニュアンスをどのように持っているかをすり合わせた方が良い、この意見にはおおむね同意です。

私は以前、お砂糖を「関係がVRChat内で完結しており、リアルの素性は知らない、関係をリアルに持ち出していない恋愛関係」と定義しました。
これは、私の「自分がお砂糖を作ったときは、「お砂糖」をこう定義付けたい」という気持ちを反映しているといっても過言ではありません。

手段と目的は逆転する

私は以前の記事で、関係性に名称を付けることによる関係性の固定化について述べました。
「その関係に「お砂糖」と名前を付けたら、「お砂糖」以外にはなりにくくなる。「お塩」という特別な別れを必ず通過する」という内容です。
それに付随して、「リアルの恋仲でも、誰かと付き合えば別れもあるし、だんだん心が離れていっても「恋人なんだからもっと会ってよ」なんて目的と手段が入れ替わって関係を戻そうとしていくのは普通なことです」と述べました。

これは当然起こることと考えます。
というか、恋愛の進展プロセスには必ず存在する通過点であると気づいています。
「お砂糖」「カップル」といった関係の檻のなかで、相手のいろいろな姿が見え、すり合わせ、折り合いをつけ、うまく生きていこうと試行錯誤するのが自然です。

その中で「リアルで会う」というイベントは、その檻を容易に壊す「大きすぎる印象変化」をもたらします。
当然です。姿が違います。
それに対して心構えができるかどうか、ここが本質であるように思います。

VRでの印象は「ハロー効果」的である

ハロー効果とは、ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。光背効果、後光効果とも呼ぶ。
心理学の世界では、認知バイアスと呼ばれるものの1つである。

https://mba.globis.ac.jp/

VRでは誰しもが理想的な高水準の容姿を容易に手に入れることができます。
その容姿がハロー効果的に作用しているのではないかと考えています。
すっっっごく簡単に言うと、「可愛いからOK」が発生しやすいと思っていただければ良いかもしれません。

容姿が印象に与える効果は本当に絶大です。
(最初メラビアンの法則を引用しようと思ったんですが、世間一般で引用される文脈は、実際の研究の文脈と違うことが分かったので不採用です)
ではその印象のアドバンテージをもたらす容姿が無くなったら……

リアルに持ち込まないからこそ、自由な恋愛につながる

リアルで会うことを前提とするなら、「容姿の大きすぎる変化」が訪れないように、まず実際に会ってから関係構築を目指します。まあこれって普通のリアルの恋愛なんですけど……

だから私は、お砂糖を「リアルで会わない、VRの疑似恋愛」と定義したい、というかそうするしかないんです。
でも、リアルで会わないから、その人の実際の容姿や性別を気にせず、話し方、声、振る舞い、考え方、ひいては魂を自由に好きになれると思ってます。

もちろん「リアルでの姿は気にしないことができる、割り切れる」という自信のある方もいるかと思います。でも絶対そうだとは限らないし、相手がそうでない可能性もある。
リアルで会ってもうまく行ってる例も知っています。だから本記事の主張はあくまで個人的な所感に過ぎないことを改めて申し添えます。

ぶっちゃけ会っても大丈夫かどうかはやってみないとわからない気がします。
私にはそんなバクチに身を投げる勇気は無いというだけです。
もっとも、私が恋愛に対して結構ドライであるから、というのもあるんですが……

最後に

当記事書き終えてみたら、意外と普通のことしか書けなかったような気がします。
「お砂糖」は、VRの文化的側面として話題になりがちですが、「VR空間での容姿が与える認知バイアス」という心理学的なテーマで突き詰めるのも面白そうです。
単なる統計データではなく、専門知識に裏打ちされた深い考察があればぜひ読んでみたい。恋愛というパッショナブルな事象を、科学的に理解したいという欲求は、結構私らしいのかもしれません。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。


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