暴力団には暴力団排除条例によって人権が制限される。だからJ音党の「JASRAC職員だから給与減」は人権侵害ではない、と言うご意見につきまして。

ナンセンスと言わざるを得ないのですが。とりあえずは動画に寄せられたコメントを引用します。

>反社会勢力と同列に語ること自体がナンセンス
あのねぇ(笑)。私は反社会勢力の構成員も、JASRACの職員も法の下では平等でしょと言ってるんですよ。それに「ナンセンス」というのはあなた個人の感情ですよね?

>扱いに差があって当然
では、仕事・職業を理由に一般人が基本的人権を侵害される事をあなたは容認するわけですね?どんな人だって、違法行為を犯すまでは「一般人」であり「善良な市民」だと思うのですが。暴排条例はその人がヤクザというだけで、様々な不利益を与えるものです。何も犯罪を犯していない「善良な市民」の段階で、経済的自由権を認めないんです。もし、この構図を「差別」だと思わないのであれば、2019年8月19日の動画『JASRACから音楽を守る党の主張は人権侵害です』における2分39秒頃の主張と矛盾しますね。あなたにJ音党を批判する資格はありません。
www.youtube.com/watch?v=k3gjW0n1ssoのコメントより)


人権についておさらい

まず人権とは何なのかについて整理する必要があります。

基本的に人権は自然発生するものでありますが、その保障は国家無くして成り立たない物です。

日本国内においては憲法により保障される権利であり、この権利には公共の福祉に反しない限りとする制限があります。

憲法12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」

公共の福祉のために自身の基本的人権を利用する責任が背負わされており、公共の福祉に反した場合は制限が科せられるという事です。

ヤクザの人権

よくヤクザに人権が無いと言われますが、反社会組織に属した時点で公共の福祉に反する目的を持っていると言わざるをえません。

公共の福祉に反する意図を持っている人物と、公共の福祉に反する意図を特段持っていない人物が平等の権利を有するわけが無いのです。これは平等に権利を保障した結果です。法の下に平等とはこういう意味です。

また、暴力団排除条例による制限は合憲であるとの判断が平成27年3月27日の最高裁判所第2小法廷により出されています。「他の入居者等の生活の平穏が害されるおそれ」が問題視され、暴力団同士の抗争に他の入居者が巻き込まれる可能性が憂慮され、公共の福祉に反するとされたものです。

本件規定は暴力団員について合理的な理由のない差別をするものということはできない。

本件規定による居住の制限は、公共の福祉による必要かつ合理的なものであることが明らかである。

公法判例研究より

同列に語るのであれば、たとえばJASRAC職員に給料が発生する事で他の職業の平穏が犯罪行為などによって乱されるおそれの指摘が必要かと思います。そしてそのような指摘はJ音党からありませんでした。

よって、暴力団構成員とJASRAC職員を同列に語るのはナンセンス以外有りません。一般人ではありませんし、善良な市民ではないのですから。J音党の主張は、公共の福祉に反しない職業を制限する内容でしたので人権侵害と言わざるをえません。

コメントを寄せられた方、及びそれにいいねをつけられる方へ、人権と言う物に対して再度学習を希望します。

憲法14条1項は、「国民に対して絶対的な平等を保障したものではなく、差別すべき合理的な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、事柄の性質に相応して合理的と認められる差別的取扱いをすること」は許される、と判示する。

公法判例研究より

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