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秒トレ宅建士を基軸にした勉強法

問い合わせをいただいたので、宅建士試験の勉強法を紹介します。

当職が合格したのは2019年度ですので少し情報が古い可能性があります。
それでも参考になればご活用ください。

今だったらこうやる、というやり方を先に書き、実際にやっていたことはそのあとに書きます。


今だったらこうやる

1 テキスト

「日建」「らくらく宅建塾」「TACわかうか」「トリセツ」42択になるかと思います。

※10/16追記
「トリセツ」は2024年度試験前の発刊、「らくらく」は試験直後だったため、最新年度が反映されていないと判断し除斥しました。


・刺さる解説が必要なら「日建」、
・語呂合わせが好きなら「らくらく」、
・分冊が良いなら「わかうか」(わかって合格る(うかる))、
・項目別に例題を解く構成が好きなら「トリセツ」
という目線で見ると選びやすいかも知れません。

他のテキストを全て見たわけではありませんが、必要な記載が無いものが多いので、テキスト選びを間違えると学習が進むほどに支障が出てきます。

【用途地域】
必要な記載の1つの目安としては用途地域の制限が全て記載されているかを確認すると良いかも知れません。これが書いていないテキストはかなりヤバイです。

【カラー・イラスト】
テキストの選び方は、初学者にとっては分かりにくい部分ですが、「フルカラー」とか「イラストが多い」とかには注意が必要です。

例えば、ゴテゴテとしたイラストがあれば、その分必要な記載がカットされているということです。ファンシーなイラストが挿入されていることで理解が促進されるか?と言えば、実はそんなことはありません。

フルカラーについていえば、自分にとっては色がついていない部分が重要なのに、編集側で最初から色を付けられてしまっているので他のところに目が滑ってしまうとか、自分のルールでマーキングできないなどの問題も生じます。ぱっと見良い感じのテキストは、学習が進むにつれ邪魔になっていくことが多いです。

「今の自分」ではなく、「勉強が進んで合格に近づいてきたときの自分」にとって必要な情報がちゃんと目に入ってくる構成となっているかを見抜くことが重要です。

【分冊】
分冊であることも初期のころは便利だと思いますが、学習が進むと割と早い段階でどうでも良くなります。周回が早くなってくると、分冊であることが寧ろ煩わしくなってきたりもします。

例えば、せっかく図書館に来たのに、思いのほか早く終わってしまった!というときに他科目の教材が持ってきてなくて帰るしかなくなる、など。

【ページ数】
ページ数が多いのも考え物です。最終的に繰り返しアクセスする知識は限られてきます。その際にページ数をめくる回数が増える、つまり、可処分時間が減るということにもなります。あまりにも基本的すぎる例題などは最終的には邪魔になってきます。

2 問題集

【注意】リンク先には2025年度版でないものが含まれている場合がありますのでご注意ください(随時更新予定)

紙なら日建学院の肢別ですが、大原トレ問は量も質もよく、進捗状況をデジタル的に管理できるのでオススメします。

アプリは可処分時間が圧倒的に増えます。トレ問のメモ機能を使ってテキストの参照ページを書込むところから始め、あとはひたすら肢別⇔テキストの往復をすると良いと思います。

※大原トレ問の2025年版は2025年2月リリース予定だそうです。(2024/12/4ビズバレー様回答)

3 副教材

作問の傾向としては、先にゴールを見るような作りになっているかと思います。普通に択一問題集を解いていれば覚えるようなことは弾かれていて、最終的に合格者付近の受験生が曖昧にしがちな部分を集中的にケアできます。最初からやっておくと、どこを意識して択一を解けばいいか、テキストを読めば良いかが分かってとても良いです。

4 模試

5 統計対策

みやざき先生のおっかけをしましょう。

6 初学者向け民法対策

法学部出身でない方は民法の独学はキツイかと思います。そんなときは「ゆーき大学」をオススメします。行き詰まった単元の動画を探して視聴してあ肢別とテキストに戻るということをやっていくうちに戦えるようになってくると思います。ただし深追いはしない方が良いです。

7 得点計画

世の中には民法を理解して試験に臨むべき風潮がありますが、当職の感覚からすると、かなり厳しいという印象があります。法学部の1・2年生がやっているようなことと同じようなことをやりつつ(例えば「内民」とか「ヤマケイ」みたいなのを読むとか)、試験でアウトプット出来るところにチューニングするというのは、ほぼ無理ではないかと思うためです。

宅建業法は絶対満点で、民法は0でも受かるくらいの得点計画で始めて、最終的に権利関係全体で4~6割くらいに着地するくらいが現実的じゃないかなと思います。

一般的な得点計画についてはリンクを貼っておきます。

8 ロードマップ

1年間計画で合格を目指す場合のロードマップを参考に提案します。

まず全体図です。

①試験当日からテキスト発売までは秒トレを単体で解きます。

②テキストが発売されたら直ちに秒トレの対応箇所をマークアップする作業を実施します。

③秒トレを解き、テキストの該当箇所を逐一参照します。このとき、周辺のページを巻き込んで読んでいきます。

※③を繰り返して1周にかかる時間を休日1日程度まで圧縮しておきます。

④トレ問が発売されたら、直ちにトレ問とテキストの相互参照を作成します。このとき、秒トレは一旦お休みしてて構いません。

⑤トレ問を解き、テキストの該当箇所を逐一参照します。このとき、周辺のページを巻き込んで読んでいきます。

※⑤を繰り返して1周にかかる時間を平日5日程度まで圧縮しておきます。

⑥日建の模試が発売されたら、実施後、模試とテキストの相互参照を作成します。

⑦トレ問と秒トレに巻き込みつつ、模試を繰り返し復習します。

※秒トレ、トレ問、模試を1週間で回せるように圧縮しておきます。

9 エビングハウスの修正

エビングハウスの忘却曲線による復習計画がうまくいかない人向けに修正案を提案します。

まずエビングハウスの忘却曲線による復習計画が難しい理由について私なりの考察を示します。

まず全体図です。

 上段がのちに示す修正案です。初期に1つの教材を圧縮して次の教材に巻き込んでいく形です。

 下段がエビングハウスを前提にした復習のモデルです。次のような現象が生じて実際にはうまくいかないことが多いのではないでしょうか。

・学習単位が細分化されすぎて、復習計画を管理するための作業が増え、演習時間が削られがちになります。
・その結果、先に進まないうちに、前の復習が追いかけてくることになりがちです。
・その結果、進捗が遅れ、復習計画の見直し・管理のための管理・計画のための計画などの付帯作業が肥大化しがちです。
・その結果、周回までのスパンが長くなり、記憶が定着せず、次周にかかる時間が圧縮されないことになりがちです。
・その結果、周回の時間が圧縮されず、いつまでも長期記憶に乗らないことになりがちです。
・直前期を迎え、復習範囲の膨大さに愕然とし、モチベが維持できなくなり、学習が破綻しがちです。

 そこでエビングハウスの修正案は次のようになります。
・次に図示するように、個々の教材にかかる時間を極限まで圧縮しておきます。
・初動最速で、残りの期間は慣性で学習を続けるイメージ。この徹底具合で試験日までの周回可能回数が決まります。
・学習初期に「1週間あれば回せる」という心理的安全性を確立することでモチベが維持できます。

全体イメージは次のような形です。

まず秒トレについて見てみましょう。

1周目は3日くらいかけてやったあと、すぐに2周目に入ります。テキストのどのあたりに書いてあったか少し覚えているので、1周目よりも早く参照できます。2周目が終わったらまたすぐに3周目に入ります。このときもう既に飽きるくらい慣れていると思います。4周目にもなればテキストを参照する作業がほとんど体に染み付いているでしょう。初動でこのレベルまで持って行ってしまうことが後々重要になります。

次にトレ問の圧縮過程です。

1周目は7日くらいかかるかと思います。秒トレと同じように、すぐ2周目、3周目と繰り返し、圧縮されてきたら、秒トレを巻き込んで、1週間で秒トレとトレ問が総復習できるレベルまで圧縮します。

このとき、正答率は度外視で構いません。ただし自分なりの理由を持って答えるということだけは忘れないようにしてください。

次は模試です。

模試も同じように繰り返し復習し、1週間のボックスの中に嵌め込めるように圧縮します。

このように、学習初期に「1週間あれば回せる」という心理的安全性を確立することでモチベが維持できるようになります。

是非真似してみてください。

当職が実際にやっていたこと

1 テキスト

オススメしません。記載が少なく過去問からのフィードバックは出来ません。日建の方がオススメです。

2 問題集

問題のセレクトや解説があまり良くなく、問題数の割に汎用性が効かなかったように記憶しています。

当職は日建学院の模試に助けられて何とかなったという経緯があるため、今では日建学院の問題集を薦めています。量をいとわないのであれば大原トレ問アプリ1強だと思います(約2000問)。

3 副教材

ウォーク問と機能が重複しており、学習の過程で必要なところに付箋を貼っていった結果、最終的には10ページくらいしか見ませんでした。もちろんテキストとしては使えません。覚えるべきことを覚える作業は秒トレで行った方が良いと思います。

4 模試

日建の模試は良かったけど、LECは微妙でした。

LECの模試の方は全国の受験生との相対位置が分かるという作りになっていますが、受験者が少なく、層も微妙なのであまり参考にならない気がします。

ちなみに当職は13~28点程度(本番1週間前)でしたが、結局40点で合格しました。LECの模試は本試験の傾向を捉えているとも思えないし、模試を解いたら一定の骨格になる知識が身につく、みたいなつくりにもなってないと思います。

以上参考になれば幸いです。

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