就活と音楽のはなし
去年就活が上手くいっていなかったときに、パソコンでこの記事を読んだ。
「クソッタレがよ〜〜〜!」
イヤ、今ならこの人が言いたいこともわかります。就活がどんなに上手くいかなくても、死ぬことなんてない。命にはかえられないよ。
でもね、就活が上手くいかない時なんて、そんな言葉なーんの助けにもならないの。だって、これ書いた人も、慰めてくれる人も、皆就職してるじゃん。どんな仕事であれ、しっかりと暮らしてるじゃん。内定貰ったヤツに励まされたって、何にも心の支えにもならないよ。
でも、そういう私も6月には就活を終わらせてしまった類なので、普通な部類なのかもしれない。一部の人からしたら上からになってしまうのかもしれないけど、でもこの記事は「就活はどうにかなるから」みたいなそういうのじゃないから、そこだけは勘違いしないでほしい。
私は就活で1度夢を壊したくらい心折れたヒトであって、ぬらりくらり就活をやってたつもりはない。このご時世でやりたいことがあるなんて素晴らしいことなのに、それがこのクソ就活に潰されそうになった。
そのなかでやっぱり私を救ってくれたのは音楽で、夢を持って就活する人たちには是非とも知ってほしい歌を伝えたい。そんで、もし読んでみて何か思うものがあったら、私にも教えてほしいよ!!
受験後、全国の塾生に配布される合格体験記に「落ちる気がしなかった」とデカデカと書いてしまうような超自信家・自己肯定感の塊女だった私は、勝手に就活なんて上手くいくもんだと思ってました。
今までの21年間、人生の重要な場面で、上手くいかなかったことなんてなかった。それでも「就活」という人生でかなり上位に入るであろう重要場面で、私は全く自分の思い通りにいかなかったワケです。
私はいわゆる「エンタメ就活」を行った人間です。
エンタメの中でも"音楽業界"。皆が知ってるようなところ沢山受けました。なんでここを目指したかというと、単純に音楽を愛していたから。寝る時も学校に行く時も泣く時も怒る時もずっと音楽を聴いていた、「好き」とかいう軽い言葉じゃ表せないくらい好きだった。当然のようにここまで深い愛を持てるんだからそりゃ音楽に関わっていたいよね。
いや、好きって気持ちだけじゃダメなんて、そんなこととっくに知ってたよ。私は本当に音楽業界に行きたかったから、誰よりも早く就活を始めたし、誰よりも今の・これからのライブシーンや音楽ビジネスについて深く考えた自負がある。じゃないとこんなnote書かないだろ。周りには「アンタで落ちるんだったら、誰が受かるんだろうね」って言われるくらいだったから、周りのミーハーとは違うと心の底から思っていた。
エンタメだけでも20社以上受けたと思う。音楽に関われるなら、A&Rでも映像制作でも広告でも著作権でも、なんだって良かった。それぞれの場所で輝ける自信は誰よりもあった。だって私は誰よりも音楽を愛しているんだから。
それでも、エンタメという世界は想像より遥かに高い壁だった。他業界よりも2倍、3倍の量のESを必死に毎日書いても、返ってくるのは「お祈り」のメールだけ。第一志望は半数が受かっているはずのESで落とされたし、通過連絡が来るのは志望度の低い他業界ばかりだった。
結局、面接まで進んだのは数社。めちゃくちゃ行きたかった企業はちょっと選考が進んで「もしかして」が大きかった分、落ちた時は1日何もできなくてただ呆然と夜中に公園のトラックをぐるぐるしていた。(就活生なら4月に1日何もやらないのがどんだけヤバいことなのか分かるよね?)
一度、志望度の高いエンタメ企業のESを、知り合いの先輩に添削して貰ったことがある。
「なんか、貴方って真面目すぎるんだよね〜。エンタメ業界はもっと面白い人間を求めてるんだと思うよ?(笑)」って言われてzoomの画面を割りそうになった。
「面白い人間」って何ですか?
「音楽を愛している人間」じゃ、駄目なんですか?
つーかそういうお前が1番面白くないけど?!?!?
就活している時のTwitterは荒れに荒れた。ゲロ吐く位好きだった彼氏と別れた時と同じくらい、いやそれ以上に荒れた。当時のTwitterを人事が見たら、会社を燃やされる心配が勝って私を採用していたかもしれない。
落ちに落ちた私は、自分が誰よりも愛していると思っていた音楽業界からは見放されていることが受け入れられなかった。どうしても音楽に関わって生きていきたかったし、私以外の誰かが受かっているなんて考えたくもなかった。側から見てイタい子なんてことは分かってる。でも、どんなに通過連絡を受けても、どうしても他の業界に行くことが許せなかったんだよ。
「音楽」という呪縛に苦しめられていた私は、タワーレコードの前を通ることが苦になっていたし、面接前にYouTubeでMVを見るだけで涙を流せる位に精神を追い詰められていた。
あんだけ音楽を聴くのが好きだったのに、曲を流すたびに「学生時代に頑張ったこと」を無心で唱えるようになった。やだよね、楽しく聴いていたいよね。それでも自分は音楽を愛していなきゃいけないんだから、ひたすら、聴く。音楽を聴くことが就活に思えてきて、再生が辛かった。それでも聴くしかなかった。
自分が1番なりたくなかった"使命感で音楽を聴く人間"になっちゃった。
でもね、結局何かにつけられた傷はその「何か」でしか埋められないんだと思う。音楽に苦しむ人間は、音楽でしか救われない。
私を救ってくれたのは、やっぱり音楽だもん。
SUPER BEAVERの「ひとつ」という曲、知ってますか?(ま〜〜〜たSUPER BEAVERかよ!!!と思われるだろうな!!)
就活中に1番聴いたアーティストは何ですか?と言われれば、間違いなくSUPER BEAVERです。音楽を聴くのが辛いときでも、前からずっと好きな歌だけはいつも通りの気持ちで聴くことができた。
ウワーーーーーーー!!その通り!!!!
周りの目なんてどうでも良かったのに、自分が決めた「絶対に音楽に関わる」ということが嘘になってしまうことだけは怖かった。私から音楽を取ってしまったら、何も残らなくなっちゃうもん。だって私が誇れることは、大学名でもなく、サークルで頑張ったことでもなく、ただ寝る時ですら音楽を流すような音楽熱くらいだったから。何もない私になってしまったら、つまらない人間になってしまう。それくらい自分自身の夢を否定することは私にとって辛くて怖いことだった。
こんなに私のことを歌っている歌があってたまるかよ、、、ってちょっと嫌になるくらい、私の気持ちのまんまだった。
でも、だからってどうしたらいいんだろうな。そりゃ怖いことだよ、でも受からないんだよ。もう何枚目かすらも忘れた履歴書をひたすら書くのをいつまでやればいいんだろう。
「諦める」という選択肢がチラついたとき、この曲を聴いた。この歌のなかで、困難も挫折も歌われているけれど、SUPER BEAVERは決して「夢を諦めること」は歌わなかった。
私にとっての「夢」は音楽ビジネスに関わることだったし、それを投げ出せないなんてことはとっくに知ってたけど、「変わってもいい」なんて初めて言われた。一度決めたことを曲げるのはダサいと思ってたし、それこそ自分に嘘をつくことになると思ったから。
でも、もしゴールがあって今がその通過点なんだとしたら、音楽への関わり方が通過点を通ってからでもいいんだとしたら。
上手くいかないことも伏線にしてしまえば、それは夢を諦めることにはならないんじゃない?
だって「投げ出せない夢」だけど、「変わりゆく夢」になっているかもしれないから。
説明が難しいけれど、変わりゆく夢って存在のおかげで、私は音楽業界という呪縛から離れることができたように思えたの。身体が軽くなった。いや、根拠なんてないけど。
でもSUPER BEAVERが「変わりゆく夢」って歌ってるんだから、私の夢だってちょっとくらい変わったっていい。「一人一つの人生」なんだし。選んだ仕事が、もしそれが音楽とは離れたものであったとしても、SUPER BEAVERは素敵だって言ってくれるし、間違っていないと言ってくれる。
結局、私は音楽業界とはちょっとズレた業界に就職することにしました。変わりゆく夢のためにね!!
私の「音楽業界に就職しなければ」という呪いは、SUPER BEAVERの音楽によって解かれたのです。
「貴方がいて 本当に良かった」
は私が1番SUPER BEAVERに送りたい。貴方たちがいるおかげで、就活で自殺する人間が1人減ったよ。音楽を愛したことによって病んでしまった人間は、結局また音楽に救われてしまった。
とにかく何が言いたいかと言うと、
貴方が選ぶ道が何でも間違いじゃないし、疑うことなく歩いていくべき道なんだよ、ということ。
全部SUPER BEAVERの言葉だけど。
こんなに上手く行け、と祈ってくれるヒトがいるんだから、ちょっとでも恩返ししたいねって気持ちで、書いたnoteです。本当思い出すのも嫌だし就活はもう2度とゴメンだけど、他の人のためならちょっと応援してもいいかなって思うよ。
とにかくみんな、人生を頑張れ!
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