最近のライブシーンについて、ひとこと
パンデミックから早2年と半年。
音楽シーンでもwithコロナのやり方が確立してきたと思う。2020年はほとんどのライブ・フェスが中止になったけれど、時が進むに連れてなんとかいろんなやり方を模索して行けるライブも増えた。
以前と形は違うけれど、同じように音楽を楽しめる時間は私にとって何よりの希望で幸せで生き甲斐。
私が「ライブが好き」と言えるのは、人と何かを共有することが好きだからだと思う。人と一緒に何か目標を共有して目指すのも好きだったし、ライブという目の前のモノに対して名前も知らない人と一緒に感動を共有できることが何より幸せだった。
その共有する幸せって、簡単なことで感じられなくなっちゃうんだな〜と、最近ちょっと思う。
最近はライブの楽しみ方が、各々で変わってしまってる。時が進むにつれて、確立した「コロナ禍でのライブ」に対しての不満が溜まる人、疑問を持つ人がどんどん増えてきた。もう2年半も声も出していない、指定位置から動くこともできない。このままじゃ一生なにも変わらないんじゃないか、自分達が何かを変えていかなきゃいけないんじゃないかって。そう思うのは仕方ないし、絶対に間違っていないと思う。現状維持で時の経過を待つのは退化するだけだよ。
だからといって、私は絶対に「声出しもモッシュもダイブも積極的にやるべきだ」とは思わない。正確には「やるべきだけど、それを好き勝手やるべきじゃない」が正解。
SUMMER SONIC 2022での、ONE OK ROCK Takaの煽り発言が問題になっていた。
私は現場に行ってないからなんとも言えないけれど、彼の発言には大反対。勿論、トップアーティストがライブエンタメを変えていく姿勢は素晴らしいと思う。
でも、このSUMMER SONICは元々「声出し禁止」「ダイブモッシュ禁止」という形で観客を集めているフェスだよ。「音楽が好きでライブも好き、人が集まる所は怖いけれど、声出しが禁止ならそれくらいのリスクは背負うことができる」という人が集まっている。それを、『他のアーティストでも出していたんだから』だったり、『今までだってダイブモッシュは暗黙の了解のルールだったから』という反論は余りにも自分勝手過ぎると思う。暗黙の了解は、コロナ禍以前のライブで人の生活が大きく変化しない状況下であったから成り立ったのであって、1つのリスクが周りの人間にまで大きく影響してしまう現代では通用しないことじゃない?
だからこそアーティストとして尊敬していたTakaが、誰かを傷つけるような煽りをすることがとても悲しかったし、残念でならなかった。
コロナ禍の音楽シーンでいうと、既に小さなライブハウスでは声出しもダイブモッシュも解禁しているところがいくつかある。これに対しては特に何も思わない。そういう場所に行く人、来るバンド、それぞれが「そういうライブ」だと認識しているから。サマソニのように安全だと思っている客がいない場所なら、何をやったっていいと思うよ、それは勝手にしてくれ。
ただ、いつも思うのは「こういうバンドが音楽シーンを変える」だとか「未だにダイブモッシュを解禁しないバンドはダサい」なんていうツイートが流れてくるのは本当に癪。とんだ勘違いツイートで反吐出そうになる。
そんなお前らには、RUSH BALL 2022のMAHのMCを送ろう。
少しずつ何かを変えていくべきではある、けれど、それを恐れている人を置いてけぼりにしていくのは違うと思う。何より、誰も傷つけない、誰も置いていかないと試行錯誤をするバンドを「ダサい」なんていうのは絶対に違うと声を大にして言いたい。私が好きになったバンドは決してダサくなんてなくて、誰よりも私たちファンのことを考えてくれる世界一カッコいいバンドだよ。
人それぞれに音楽への考えがあって、ライブへの想いがあって、人生がある。だからこそ、こういうつまらない論争が起きたりもするし、嫌いになるバンドだっているんだろう。けれどここで全員に言いたいのは、誰も悪くないし誰もダサくない。悪いのは全部ウイルスなんだから。もっと人に優しくしてこーぜってこと。
自分自身にも言い聞かせてるけど、こんな時だからこそ、少しでも、人に優しくなれる人間でありたいよね〜
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