〈〜することで〉と書きたくなったら思い出したい文章の法則
といった表現を目にした。「こと」が重複しているのも気になるが、
でいいのでは? と思ってしまう。
ちょっと気どった文を書こうとすると〈〜することで〉としてしまいがちだ。多くの場合「〜すると」としたほうがズバッと決まる。しかしながら、〈〜することで〉のほうを使いたいときもある。それはどんな場合なのか?
たとえば
という文があったとする。この文の前に、
といった文があるなら
としたほうがよさそうだ。
じつはここでも、ほかの記事で述べた〈天秤理論〉が適用できる。
「〜すると」を〈〜することで〉に変えると“重く”なる。「ふつうの車には時間を遡る機能など付いていないが」と「このデロリアンに乗ることで過去へ行ける」とで文の釣り合いがとれるのだ。
さらに〈〜することで〉の「〜」部分が強調され、「ほかの車では不可能だが、ブラウン博士のデロリアンなら(過去へ行ける)」といった意味合いも加えられる。
あなたが文章を書くときの参考になりましたでしょうか?
*ライターが文章を書くときに悩んでしまうコトバを紹介しています。読み手にとってはどうでもいいことかもしれない。だからこそプロとしてはこだわりたい。絶対的な正解はなく、個人の言語感覚も千差万別だけど、よろしければお付き合いください。