〈大人の遊び〉とは、お金では買えないモノを探すこと
このコトバは、お酒とかギャンブルとか、ようするに「子どもに禁じられている行為」を連想させる。もっとも、これは“昭和生まれ”の古い発想かもしれないな。最近ではもっと意味が広がっていて、大金を使わないとできないこと、たとえば海外旅行をするとか、高価なオーディオ機器をそろえる、マンガを大量に買うことなんかも〈大人の遊び〉といえそうだ。ただ、たしかに子どもにはできそうもないことだけれども、「子どもにできない=大枚をはたく」と安直に考えていいのだろうか。「子どもにできない」ことは、もっとほかにあるのではないか?
〈大人の遊び〉とは「これまで培ってきた知識や経験を活用して楽しむ」ことだとボクは考えている。ボクの場合を例にとろう。ボクは中学生のころからリトルマガジンをつくっている。つまり、子どもでもできた「遊び」だが、30年ぐらいこの「遊び」をつづけてみて、「自分の感情をコトバにする楽しさ」がわかってきた気がする。子どものころは気づかなかった悦びだ。これは大枚をはたいても買えない。〈大人の遊び〉とは、お金では買えない価値を生むことだとボクは思っている。