見出し画像

【MTG】Bazaagaについて

この記事はMagic : the Gathering(以下マジック)に関するものです。
今回は、前回のデッキとカードについての解説(?)です。

前回のデッキでの戦績についてはこちらから。


■デッキリスト

// メイン61枚
4:《Bazaar of Baghdad》
4:《ウルザの物語/Urza's Saga》
4:《不毛の大地/Wasteland》
1:《露天鉱床/Strip Mine》
1:《古えの墳墓/Ancient Tomb》
2:《山/Mountain》
2:《猛火のルートワラ/Blazing Rootwalla》
4:《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》
4:《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
4:《死の達人/Master of Death》
4:《虚ろな者/Hollow One》
1:《精神的つまづき/Mental Misstep》
4:《否定の力/Force of Negation》
4:《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
4:《意志の力/Force of Will》
3:《有毒の蘇生/Noxious Revival》
3:《活性の力/Force of Vigor》
1:《Mox Ruby》
1:《Mox Emerald》
1:《太陽の指輪/Sol Ring》
1:《探検の地図/Expedition Map》
4:《両替機/Currency Converter》

// サイド15枚
1:《幽霊街/Ghost Quarter》
1:《カラカス/Karakas》
2:《激情/Fury》
2:《応じ返し/Snapback》
2:《外科的摘出/Surgical Extraction》
3:《炎の嵐/Firestorm》
1:《活性の力/Force of Vigor》
1:《虚空の杯/Chalice of the Void》
1:《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
1:《歩哨のトーテム像/Sentinel Totem》

デッキの話をする前に断っておきたいことがある。これは奇抜なリストに見えるかも知れないが、あくまで《Bazaar of Baghdad》をメインエンジンに据えたデッキであり、《ウルザの物語》はサブプランであることを強調しておきたい。そのため、使用者によるデッキの呼称は『Bazaaga(バザーガ)』としておく。間違っても『Sagaar(サガール)』ではない。

■構築の経緯

・《ウルザの物語》が強すぎる

ある大会で先手1t目に《Bazaar》起動から《虚ろな者》を2体出したが、後手1t目の《ウルザの物語》《太陽の指輪》から3t後には5/5構築物2体に抑えられ、残り4点のライフを削れずに負けるということがあった。ちなみに第3章からは《真髄の針》を出された。
このときからピッチヴァインに「《サーガ》と《太陽の指輪》ぐらいなら入れられないか」と考えていた。
実際に投入するきっかけになったのは、ミラーマッチのあとに「サーガ強すぎてむかつくから自分でも使ってやろうと思う」という雑談が盛り上がったことから。やはりアイデアをアウトプットするのは重要だった。

・その頃のデッキ

もともと《Mox Ruby》や《山》《炎の嵐》などが入ったリストを使っていたので、テンプレ的なリストを改変できる気はしていた。

// メイン60枚
4 《猛火のルートワラ/Blazing Rootwalla》
4 《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》
4 《死の達人/Master of Death》
4 《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》
4 《復讐蔦/Vengevine》
1 《激情/Fury》
4 《虚ろな者/Hollow One》
1 《精神的つまづき/Mental Misstep》
4 《有毒の蘇生/Noxious Revival》
4 《否定の力/Force of Negation》
4 《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
4 《活性の力/Force of Vigor》
4 《意志の力/Force of Will》
1 《虚空の杯/Chalice of the Void》
4 《血清の粉末/Serum Powder》
4 《Bazaar of Baghdad》
1 《露天鉱床/Strip Mine》
4 《不毛の大地/Wasteland》

// サイド15枚
1 《幽霊街/Ghost Quarter》
1 《カラカス/Karakas》
1 《山/Mountain》
1 《Mox Ruby》
2 《外科的摘出/Surgical Extraction》
2 《炎の嵐/Firestorm》
2 《応じ返し/Snapback》
4 《虚空の力線/Leyline of the Void》
1 《激情/Fury》

ちなみにこのリストでEternal Weekend 2023 を5-3だった。R7終了時点で22位ぐらいだったのでR8勝ってたらTop16の目もあったので惜しかった(´・ω・`)

・迷走

《サーガ》と《両替機》を入れるため、何を削るのかというところからスタート。
《精神壊しの罠》や《否定の力》を減らしたり、《活性の力》を0にしたりした結果、勝てないゲームが増え、代わりに墓地対策をかわせたり、ならず者トークンで粘れたりするようになった。
《サーガ》も2枚からスタートしたが、効果があまり感じられず、徐々に増量していくも構築物トークンを生成できることが少なく、2マナランドが欲しくなり《古えの墳墓》を採用…、と調整を続けた。
サイドボードの入れ替えも複雑になり続け、《血清の粉末》の枚数を減らしてみるも、通常ドローで引く弱さに耐えかねこれを全てアウトすることに。
最終的に、《墓掘りの檻》に対して《両替機》が優位であることからサイド後に《復讐蔦》が不要という結論になり、それならばとメインからも《蔦》自体を無くしてしまい、ピッチヴァインからピッチホロウに移行。そしてその形で調整をしてみるも勝率は4割程度に落ち着いてしまったので、諦めてデッキを供養することにした。
その記事は下記のものなのだが、第11期関西帝王戦でTop8に残れたことで供養は取りやめ。ちなみに帝王戦の前日の前哨戦当日朝に現在のリストになり、その結果は2-2だった。

・変化

《サーガ》を投入してから決定的に変わったのは『マナを払える』ということ。「そらそうやろ」と思われるかも知れないが、《タバナクル》に対して相当に強くなったのは間違いなくデッキの強度を上げたと思う。《タバナクル》以外にも《サリア》や《抵抗の宝球》下でも行動ができるようになり、広くタックス戦略で詰みにくくなった。
また、《サーガ》3章の能力がやはり強力で、サイドボードを含めて選択肢が大幅に増えた。
しかし、キープ基準が《Bazaar》に頼らなくなったというほどでもなく、《サーガ》《指輪》のようなキープを《収集するアウフ》で完封されたり、《活性の力》がクリティカルヒットしたりで、新たな弱点が増えたりもした。

■プレイング

・マリガン

帝王戦の対戦レポートを読んだ方にも気づいた人がいるかも知れないが、実は帝王戦6R+SE1で全16ゲームで一度もトリプルマリガンをしてない。
最大でもダブルマリガンまでで、Bazaarデッキかつ《血清の粉末》不採用にしては比較的ゆるくキープできている。
基本的には従来のBazaar然とした動きを目指してキープしたいが、Bazaarを囮に《不毛の大地》や《露天鉱床》を誘って《サーガ》で勝つということも考えられ、その逆もありえるので対戦相手の判断を誤らせることも狙える。
そういうハンドであれば、スペルが少ない土地単のようなハンドでもキープができる。
しかし、現状このデッキの使用人口が実質1人で試行回数の少なさから細かいキープ基準は正直よくわからない(・ω´・;)

・サーガの第3章

現在のリストでは、以下のカードをサーチ先としている。

  • Mox Emerald

  • Mox Ruby

  • 両替機

  • 探検の地図

  • 太陽の指輪

この中で最もサーチする機会が多いのは《両替機》で、大抵はBazaarと《スクイー》《死の達人》とのシナジーで物量で勝利できるプランを取る。
《太陽の指輪》も相当強く、2枚目以降のサーガからトークンを生成できるようにしたり、《両替機》のルーティングを起動できるようになる。また、よく忘れられているが《虚ろな者》をサイクリングできる。
《探検の地図》は《不毛》《サーガ》《Bazaar》と強力な土地をサーチできるユーティリティーカードで、サイド後は《カラカス》をサーチすることが多い。
サーガ自体がはっきり言って強すぎる。余談だが、以前は「サーガ制限過激派」だったような気がするが、最近はちょっとサーガと和解しつつあるのでこのままでもいい気がしてる(欺瞞)。

・《両替機》

強い。
Bazaarで捨てたカードを墓地から追放し、そのカードを墓地に戻すことで2/2ならず者トークンか宝物を生成できる。
《スクイー》《死の達人》を追放し、アップキープまでに戻すと2/2を作りつつ手札に戻すことができるので無駄がなく、この使い方が基本となる。
また、土地を戻す場合の宝物トークンでは単にマナ供給の安定以外にもサーガトークンのサイズアップに貢献するので普通のデッキのトークンとのサイズ勝負もできる。
Bazaarが3枚捨てる関係から、《両替機》の複数貼りにも意味がある。3枚貼れば毎ターン2/2を3体生成できるのでほぼ2ターンで勝利できる。
Bazaarが無くとも2枚と2マナでルーティングしながらトークン生成ができる。あるゲームで1t目《サーガ》《太陽の指輪》《両替機》《両替機》、2t目《Bazaar》と動けて大変気持ちよかった。
また、《虚ろな者》をサイクリングすればそのまま2/2トークン生成にも繋げられるので、Bazaarが無い状態でも相手のコンバット計算を狂わせられる。
《両替機》1枚で生成できるトークンは1ターンに1体なので、Bazaar起動で追放するカードを1枚ずつにしたいところだが、Bazaarが破壊されたあとのリソース供給のために複数枚を追放しておくのも重要になる。最近はあまり見ないが《タルモゴイフ》のサイズをケアしてアーティファクトやエンチャントを墓地から消しておくためにも使える。

・《両替機》とマッドネス

マッドネスをもつカードを捨てた場合、そのカードはマッドネスの置換効果で追放領域に移動するため、手札から墓地へ直接捨てることができない。
そのため、《ルートワラ》を捨てても《両替機》で追放できない。マッドネスと《両替機》を使う際は注意が必要。
Bazaarの起動で《ルートワラ》《ルートワラ》《復讐蔦》と捨てた場合、両替機→マッドネスと解決すれば、《両替機》で《蔦》を追放してから墓地に戻して2/2を生成、その後マッドネス解決で唱えて2枚目の《ルートワラ》で《蔦》を戦場に戻すことができる。スタックの積み順が重要なプレイなのでよく覚えておきたい。

・サイドボード

《炎の嵐》が特徴的かもしれないが、これは好みの域な気がするし、《山》採用についての話が長くなりそうなので割愛する。今回はあくまで《サーガ》と《両替機》の話ですし。
一点だけ触れると、《炎の嵐》は追加コストでカードを「捨てる」ので《両替機》と相性がいい。

《サーガ》を採用したことで、0マナか1マナのアーティファクト全てが選択肢になった。
色々検討したが、今は《歩哨のトーテム像》と《墓掘りの檻》を採用している。用途は墓地対策とオース対策である。
アウトするカードは《両替機》《山》《赤ルートワラ》の枚数を調整することが多い。細かいイン・アウトについては試行回数が少ないので使用者自身もまだ試行錯誤の段階(・ω´・;)。

ちなみに、サイドボードの構築にあたってScryfall で1マナ以下のアーティファクトを検索するとこんな感じ。

■今後

・6月24日の禁止改定

サーガが制限されるのかどうか。これに全てが懸かっている(・ω´・;)。
正直、せっかくサーガと和解できつつあるのでもう1回制限を待ってほしい気もする。
しかしそろそろ限界だと思うので、その時は改めてデッキリストを調整しようと思う。
具体的には《両替機》から生成されるトークンが黒のクリーチャーであることに着目して《甦る死滅都市、ホガーク》を採用する、《アスモラノマディカダイスティナカルダカール》《地獄料理書》を使ったアスモフード、など、《両替機》のシナジーはまだまだ考えられそうな気がする。

・新たな色の可能性

現状は赤緑のデッキだが、上で述べたような選択肢があるので、赤黒のデッキにすることも考えられる。《苛立たしいガラクタ》の登場でピッチスペル全般の価値が大きく変わったので、能動的にアーティファクトを対処するために赤を基調にし、エンチャントは無視の除去ハンデスリアニ、という構想。
もしくは《こそこそサクサク》《知りたがりの学徒、タミヨウ》を使った青黒、青赤など。

■おわり

Vintageを始めてからほとんどの期間でBazaarデッキを使っているが、よく変なリストを使っている自覚がある。
《レンと六番》《森の知恵》《壌土からの生命》入りドレッジ、《土地譲渡》《ウルヴェンワルド横断》入りドレッジ、《飢餓の潮流、グリスト》リターン型ドレッジ、《再活性》《白金の天使》ドレッジ、など…。
(細かいデッキリストを残してないのはもったいなかったな…(´・ω・`))

それらは正直、使ってる自分は楽しいけど大した結果を残していない、というものだったので、今回の《Bazaar》《サーガ》の同居デッキは使ってて楽しいうえにそれなりの結果が出てデッキリストを残せたということでかなり楽しい(語彙力)。
店舗大会参加時にアグロショップの《ワームとぐろエンジン》を2/2ならず者の物量で押し勝ってギャラリーを盛り上げたり、周りの評判もいい感じだと思う。

いずれにしても次の禁止改定次第ではあるが、引き続きBazaarを使ったおもしろリストを考えていきたいと思う。

それではよいBazaarライフを_(┐「ε:)_
ぎゃり粉٩( 'ω' )و

・おまけ

Bazaarデッキにサーガを入れるに際し、採用するアーティファクトについては色々検討したので、それらのうちわずかながらでも可能性を感じているものを紹介しておこうと思う。

  • 《真髄の針》
    16枚目のサイドカード。環境次第で投入。

  • 《黄鉄の呪文爆弾》
    2点火力。主に《死儀礼のシャーマン》《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》《封じ込める僧侶》《月の大魔術師》などを対象に想定したが、4枚目の《炎の嵐》という感じ。

  • 《ピップボーイ3000》
    全てがBazaarともサーガとも好相性に見えたが、装備できるほどマナに余裕がない上に、いざ装備してもそこまで強くなかった。土地のアンタップはBazaarでは手札が減りすぎ、サーガはその時には戦場に無かった。

  • 《トーモッドの墓所》
    0マナなのでプレイも容易。サーガ隆盛により墓地利用デッキが減っているため不採用。

  • 《沈黙の墓石》
    対墓荒らしカード。ほとんど《死儀礼》《軟泥》封じ。自身の墓地を《外科的摘出》から守れるのもメリットだが、墓地追放に4マナ必要なことが苦しい。

  • 《大祖始の遺産》
    定番の墓地対策で非常に強力。全追放が0マナならば…。

  • 《影槍》
    ダメージレースを破壊するカード。装備先が《ルートワラ》や2/2トークンになりがちなのがつらい。

  • 《多用途の鍵》
    素引きした際にほぼBazaarで捨てるカードになってしまいそう。これを使うなら《Time Vault》も欲しいところ。

  • 《恐慌の呪文爆弾》
    ブロック阻止は悪くないが、さすがに弱い。

  • 《幽霊火の刃》
    《虚ろな者》を6/6にできる。

  • 《ボーマットの急使》
    クリーチャーが出ない環境ならワンチャンス。

  • 《グレムリン地雷》
    アグロショップだけを見るなら無くはない。

  • 《エレヒの石》
    自分の使う《黄泉の橋》と相性がよく、相手の《黄泉の橋》を封じる。ドレッジサーガを作るなら投入しそう。

  • 《塚山出土の太刀》
    サーガトークン同士での殴り合いに強いので可能性は感じる。

  • 《チームのペナント》
    トークンデッキの選択肢にはなるかも。

  • 《保有の鞄》
    さすがに《両替機》よりも弱い。


いいなと思ったら応援しよう!