抜本的改革のススメ~第24節 ヘンクvsアンデルレヒト
強豪2チームによる一戦。レギュラーシーズンの首位は正直厳しいが、PO1進出のためにはお互いライバルを叩いておきたいところ。
試合結果
ヘンク1ー2アンデルレヒト
得点者
(ヘ)ボンゴンダ2’
(ア)ヴコヴィッチ19’(OG)、エル・ハジ22’
メンバー
スタメンは下記の通り。
(青:ヘンク 白:アンデルレヒト)
試合経過
開始2分、早々にヘンクが先制。相手のバックパスをインターセプトし、そのまま持ち込んだボンゴンダが、GKとの1対1も制して得点。幸先のいいスタートを切る。
しかしリードは長くは続かない。19分、ミドルシュートがポストを直撃し、その跳ね返りがヴコヴィッチの背中に当たるというやや不運な形で試合を振り出しに戻されると、立て続けに22分、DFのギャップから飛び出したエル・ハジが、中央からのふわっとしたスルーパスをうまくコントロールしハーフボレー。華麗なゴールが決まり、前半のうちにアンデルレヒトが試合をひっくり返す。
後半開始からヘンクはトマを投入、システムを4バックに変更して打開を図る。これによりポゼッションを回復し、パスをつなげるようにはなるも、決定的な場面をなかなか作ることができない。逆にアンデルレヒトはある程度相手にボールを持たせながらも、要所で締め、前線の力でチャンスを作り出していく。ただしフィニッシュのところで精度を欠き、追加点を奪うには至らない。
終盤、伊東のクロスから途中出場のデセルスにチャンスが訪れるが、ヘディングは枠をとらえられず。終始試合を優勢に進めたアンデルレヒトが順当な勝利を収めた。
Scene of the Match
ほとんど見せ場を作れなかった伊東、最終盤のほぼ唯一の見せ場のクロスをピックアップ。
~後半42分 伊東のクロス~
開始早々に先制したのはいいが、喜んだのも束の間、次々にチャンスを作られ、あれよあれよと逆転を許す。そもそも得点も、相手のミスを突いたもので、アンデルレヒトを崩せたシーンというのはほぼ皆無。ヘンクにとっては苦しい夜だった。
後半、失点にも絡み、精彩を欠いたプレシアードが交代。この77番は前任者の亡霊を消しきれずにいる。トマを投入し、中盤を厚くしたことで、ショートパスの出しどころが増え前半よりはボールを運べるようになるが、いつものように伊東やボンゴンダが前を向いて仕掛けるような局面を作るには至らない。
このまま何も起こせず終わるかと思われた最終盤、右ハーフスペースで伊東が前向きでボールを受ける。大外をサイドバックに入ったムニョスが上がってくる。シンプルに外に預け、フォローのポジションをとる。ムニョスも無理はせず伊東へリターン。余裕を持って危険なエリアでボールを持った。唯一の見せ場を活かさねばならない…
エリア内には枚数は足りていた。右インスイングで、柔らかいボールを上げる。この類いのボールの質は本当に安定している。ゴール前、しかし勇敢に飛び出したGKを気にしたCFデセルスはヘディングを叩きつけられない。山なりのシュートはクロスバーを超え、デセルスは項垂れた。
伊東はボールを持てばチャンスになる、ということを見せつけはした。しかしそれ以上でも以下でもないこのプレーが最大のハイライトとあっては、敗戦も妥当な結果と言わざるを得ないだろう。一進一退を繰り返すヘンクの苦難は続いている。
終わりに
ヘンクはなかなか上位チーム相手に結果を残すことができていない。前線3人は強力だが、そこに至るまでのプロセスが心もとない。この試合もヘンクはこれといった見せ場を作れず、伊東個人としてもチャンスメイクがほぼできず不完全燃焼に終わった。
もともとWB2人と伊東・ボンゴンダが絡んだサイドアタックから、中央で圧倒的な高さ、強さのあるオヌアチュがフィニッシュ、という形で勝ち点を積み重ねてきたが、メーレが去った1月以降、サイドでの優位性がやや失われている印象がぬぐえない。
後半、WBのプレシアードを下げ、4バックを採用したが、応急処置としてでなく、抜本的な変更も検討すべきだろう。