見出し画像

ナミビアの砂漠 感想殴り書き

感想の殴り書き、ネタバレも含むかもです

仕事も責任が伴うようになり、やることが多くなって目まぐるしい日々。
忙しさとか、責任とか、それに伴う孤独感とかで
僅かな自分時間の中で、この現実を濁らす様に鬼濃いハイボール飲みながら
Xみてたらセプタムを開けた綺麗なお姉さんが乗った印象的なヴィジュアルが目に付いた。

「2020年代、先の見えない世界の中で、彼女は”今”を生きている」

今を生きている、か____________

動機なんてなんとなくだ
なんか求めてるものがこの映画にはあるのかもしれない。

次の休みに観に行こうと思っていたのに
その休みがクレーム対応で潰れた。
また休みが消えたイライラ、やり場のないもやもや
性格上、他者に話すこともできないままアホみたいにお酒で掠めた。

やっとの休み、
公開から5日経った9/11
古びたマイナー映画しか上映していないミニシアターへ。

シニアデイなのもあってなのか
30名くらいいるお客さんの9割が70代の方々の異様空間の中
映画が始まる。

細かな状況の説明はないから、主人公のカナの日常の異様なまでの解像度が印象的だった。
ゆったり、ねっとり、時間をかけながら
日常の中の「無意味」な時間を丁寧に映していて
「伏線」みたいなものをついつい探してしまう現代の映画っぽくないなと気づいてからは
自分を主人公に憑依させて見ることができたので感情移入が容易かった。

友達と話している時、目は相手を見ているのに話に興味が持てない時
耳だけは周りの会話に向かっている描写。

ゆっくり時間をかけて服を選んだり、彼がいながらも自由奔放に出回ってしまう承認欲求。

タバコとiPhoneが友達。
これも安心するんだよな。
この画面の先が特定の誰かと繋がっているわけではないけれど
自分の好きな情報だけが流れてくる画面と
なんとなく空っぽな感じがしている体内を無条件に満たしてくれる煙とか。

これって今この時代を生きている人って誰もがどこか共感してしまうリアルな人間像なんじゃないか。

物語の後半になるにつれ感情を爆発させ狂気を増していくカナは
「うじうじしてないでもっと爆発させろよ、日本人」
というメッセージ性を勝手に感じてしまった。
自分を大好きになれるかどうかって感じたことをされけ出せるかどうかなのかもしれない。

あんな風に生きれたらな。
私は少なくともそんな視点でカナを見ていた。

カナが劇中、スマホで見ていたナミビアの砂漠地帯のライブカメラ
あれは自分で言うところのSNSだとしたら。
落ち着くんだよな、自分が生きてるけど生きてないみたいな時に
無関係な人の営みだとかを見ているのって。
だとしたら、たしかにSNSもただの砂漠地帯。何もない場所なのかもしれない。

映画が終わって、
(常連なのかな)映画好きそうなご老人たちがそれぞれ意見を交わしあっていて
カナの心情とかの理解に苦しんでいたのもすごくよかった。

そうそう、わかんないんだよ、わかってたまるかよ。
なんて思いながら、側転したい気持ちを押し殺しながら軽くスキップして帰った。

<備忘録>

印象に残ったセリフ(ニュアンスのみでしか覚えていないけど)
「貧困と少子化が進む未来のない日本で、私は”生存”を選ぶ」
┗様々な人間としての営みがある中、それを今の社会ですることに意味を持っていないということで
「心の中なら、どんなことを思っても自由」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?