合わせて3つ
指輪が欲しい。
少し前までは、好きな人からもらう指輪が欲しかった。
でも、今は自分を支える何かを探して
単に何か、後ろ盾が欲しくて
欲しい。
少し大人になったのかも。
指輪をはめる手の意味を調べると、
全部の指にはめたくなって困った。
ネイルすらしていない飾り気がない手が
(でも爪の形は好き。)
夏に比べたら白く皮膚の下の血管が透けて見える。
何かを掴みたくてもつかめない、
いつも空をきってる手だ。
こうなると、誰かの手を無意識に見てしまう。
この人の手に指輪は3本あって、
目立たないように細い、ゴールドの華奢な指輪。
大切そうに有名な洋菓子店の袋を持っている。
こうつければ、目立つこともなくたくさんつけれる。
あたしもそうしよう。どこのをいつ買おう。
なるべく早く欲しいな。
一気に欲しいけど、少しずつ揃えよう。
その方が愛着が湧く気がする。
自分を自分で支えるために。
当分誰かと手をつなぐことなんてないから。
右にふたつ、左にひとつ。