ATP500テニス ロッテルダム大会の決勝 メドベージェフ 対 シナー
久しぶりに面白い試合だった。これまで、メドベージェフは今年の全豪オープンでコルダのスライスショットに負けてから調子が狂っていた。この試合では、ようやく復活の兆しが見え始めたという所だろう。次回のATPランキングでは10位以内に入って来るそうだ。
現在の男子テニスの実力は、ジョコビッチ、アルカラス、ナダル、そしてメドベージェフが4強で、その次のグループとは少し差がある。4強の中では、ジョコビッチが頭一つ抜けている。ランキングでは、アルカラスがトップだが、そのうち変わるだろう。この4強の後を、シナーとチチパスが猛追している。
これまでシナーは、メドベージェフには4敗で1度も勝てていない。それだけに今回は勝ちたかったろう、かなりいいとこまで追い詰めたが、、、。シナーは、まだ21歳でまだまだ、伸びるだろう。しばらく見ない間に随分進歩した。
第1セットは、シナーが7−5で制した。我慢しながら、最後の12ゲーム目でブレイクした。これまでシナーは、フォアハンドクロスの振りの速い強烈なショットを武器に、それに頼りすぎる傾向があり、あっさりと負けることも多かった。バックのクロスショットは昔から安定していてとても良いと思う。20歳になる前のインタビューに答えて「プロは、調子の良い時ばかりでなく悪い時もあるので、その時にどうして勝っていくかが重要だ」というようなことを言っているのを聞いて、将来強くなることを確信した。
第2セットは、メドベージェフがフォアもバックも強烈なショットを繰り出し、2ゲームをブレイクして6−2で勝った。メドベージェフのショットは、フォアハンドもバックハンドも安定していて、見た目以上に伸びがあるらしい。実際にはよくわからないが、バックハンドショットなどは特に、最後に両手が体に巻き付くような独特なスイングとなる。このフォロースルーがボールに伸びを与えているのだろう。
第3セットは、メドベージェフが6−2で勝った。しかし、これはスコア以上にシナーが善戦していた。通常は、メドベージェフは、ファーストサーブでポイントを取る率がかなり高い。今回はシナーのレシーブがかなり良くなっていて、打ち合いに持ち込まれては、シナーに左右に振られてポイントを失う場合が多かった。要所で粘りを見せ、シナーを振り切った感じが強い。
シナーは今後、ボレーの精度、左右のサイドライン近くへのショットの正確さ、バックのストレートの確率をあげれば、ジョコビッチにも勝てるようになるだろう、頑張って欲しい。
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