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ATP1000テニス マドリード大会の決勝  アルカラス 対 ストルフ

マドリード大会の決勝では、本命が数多く敗れ、アルカラス対ストルフとなった。アルカラスは大本命だが、ストルフは本当に意外な決勝進出だ。もちろん、このところ準々決勝くらいまでは来ていることは知っていたが、決勝まで来るとは驚いた。面白い試合を期待したい。

カルロス・アルカラスは、スペイン出身で20歳、183cm、ATPのランキングは2位、この大会では第1シード。今季22勝2敗。フォアもバックもグランドストロークは、トップスピン系で安定していて、ボールは速く、重く、伸びがある。そのため、ドロップショットも得意でよく決まる。サーブもレシーブもフットワークも素晴らしいものがある。強打のショットの持ち主なのに、あまり1打で決めようとせずに相手の体制を崩してから確実に決めるショットを打つところが凄い。テニスをよく知っている、たぶん全仏優勝者コーチのフェレーロの指示なのだろうが、、、。特に弱点は見当たらない。精神的にも安定している。

ヤン=レナード・ストルフは、ドイツ出身で33歳、193cm、ATPのランキングは65位。フォアもバックもグランドストロークはフラット系で速く、強い。バックは、両手打ちで得意。サーブが特に強く、速く、重く、大きな武器になっている。素晴らしいオールラウンダーではあるが、基本的にはサーブ&ボレーから発展している。そのため、サーブもボレーも得意で、フットワークもたいへん良い。

両者の対戦成績は、アルカラスの1−1で、昨年のウィンブルドンではアルカラスが、4−6、7−5、4−6、7−6、6−4でかろうじて勝った印象が強い。シナーと共に数少ないアルカラスの天敵である。2021年の全仏ではストルフが、6−4、6−7、6−2で勝っているが、それからのアルカラスの進歩は著しいのであまり参考にはならないだろう。

第1セットの第1ゲームは、ストルフのサーブではじまるが、ストルフが硬い。バックハンドショットのネットミス、ダブルフォールト二つ、ボレーミスなどで早々とブレークされる。第2ゲームはアルカラスのサーブで、ジュースまでもつれたがキープした。ストルフのサーブで第3ゲームとなる。ストルフは硬さが少し取れキープとなる。

第4ゲームはアルカラスのサーブだったが、ストルフのレシーブ、フォアハンドの回り込みが良く、アルカラスのミスも重なり、ブレークとなった。第5ゲームはストルフの2−2でサーブだったが、楽にキープした。第6ゲームは、アルカラスのサーブで、ジュースまでいったがキープした。第7ゲームは、ストルフの3−3のサーブで、サーブ&ボレーも良かったが、それなりにミスも多くブレークされた。結果的には、第1セットではこのブレークが大きかった。

第8ゲームは、アルカラスのサーブで、キープ。第9ゲームは、ストルフの3−5のサーブで、キープした。第10ゲームは、アルカラスの5−4のサーブで、ストルフのバックが良く0−40となり、ブレークのチャンスだった。しかし、アルカラスも粘り強く、ジュースまで持ち込み、キープした。結局、第1セットは、アルカラスが6−4でとった。第1セットを見る限りは、かなりの接戦で、どちらに転んでもおかしくない試合だった。

第2セットの第1ゲームは、ストルフのサーブではじまり、キープする。第2ゲームはアルカラスのサーブだったが、ストルフのレシーブがよく、あっさりとブレークされた。ストルフのサーブで第3ゲームとなる。ストルフは1stサーブが良く、キープとなる。第4ゲームは、アルカラスの0−3のサーブではじまり、キープする。第5ゲームはストルフの3−1のサーブだったが、凄いゲームとなった。お互い打ち激しく合うがミスも多く、ジュースにもつれ込んだ。ストルフは得意のサーブ&ボレーを繰り出すが、ミスもありなかなか決められない。アルカラスも要所要所で鋭いボールを返し、一進一退となる。最後は、ストルフが1stサーブでアドバンティッジを取り、ボレーで決めた。実に15分以上の攻防で面白かった。第2セットは、この第5ゲームをストルフが、キープできたのが大きかった。

第6ゲームは、アルカラスの1−4のサーブで、キープする。第7ゲームは、ストルフの4−2のサーブで、キープ。第8ゲームは、アルカラスの2−5でサーブ。アルカラスのキープ。第9ゲームは、ストルフの5−3のサーブで、キープする。第2セットは、ストルフの6−3で終わった。

第3セットの第1ゲームは、アルカラスのサーブで始まったが、キープした。第2ゲームは、ストルフのサーブで、簡単にキープした。第3は、アルカラスのサーブでキープ。第4ゲームは、ストルフの1−2でサーブだった。ストルフは、得意のサーブ&ボレーを使うが、アルカラスがドロップショットを決める。結局、ストルフはサーブ&ボレーのミスでブレークされる。このブレークが第3セットでは大きかった。

第5ゲームは、アルカラスの3−1のサーブで、簡単にキープした。第6ゲームは、ストルフの1−4のサーブで、ジュースまでもつれた。ピンチのたびにサーブ&ボレーで逃げきりキープした。第7ゲームは、アルカラスの4−2のサーブで、全部1stサーブでキープした。第8ゲームは、ストルフの2−5のサーブで、ジュースまで粘られるが、1stサーブがよくキープ。第9ゲームは、アルカラスの5−3でサーブ。簡単にキープ。第3セットは、6−3でアルカラスが押さえた。

結局、アルカラスは、6−4、3−6、6−3で、ストルフを破った。この試合はATPランキングが離れていて、あまり期待はしていなかったが、素晴らしい試合だった。特に、ストルフの頑張りが素晴らしく、良い選手だと思った。

アルカラスは、特に言うことはなく、素晴らしいの一言に尽きる。ストルフは、いつも思うことだが、いい選手だ。サーブ、ボレー、スマッシュ、フォアとバックハンドストローク、左右前後のフットワークも素晴らしい。特にバックハンドストロークは素晴らしいものがある。また、サーブレシーブも良く、2ndサーブに対して前に出てライジングを打つのがうまい。個々の技術を並べたら、ATPで常時10位以内に入る逸材だろう。なぜ最高ランクが30位より下なのかよくわからない。

ただ気になるのは、体に遊びというか余裕がないというか、いつも力が入りすぎているような気がする。おそらく、真面目な人なのだろうと思う。コーチもちょっと熱血漢と言う感じで、普段は力を抜くことを教えているのだろうか?

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