ATP1000テニス マイアミ大会の準決勝 メドベージェフ 対 カチャノフ
マイアミ大会の準決勝の組み合わせは、メドベージェフ対カチャノフ、アルカラス対シナーとなった。どちらもたいへん面白そうな組み合わせで、ここでは前者を取り扱う。
ダニエル・メドベージェフは、ロシア出身で27歳、198cm、ATPのランキングは5位、この大会では第4シード。今季は23勝3敗。フォアもバックもグランドストロークは、トップスピン系で安定していて、手が体に巻きつくような独特のスイングのためにボールに伸びがある。フットワークが良く、ディフェンスは特に優れている。サーブも速く、鋭く素晴らしいものがある。弱点は少ない。精神的にも安定している。
カレン・カチャノフも、ロシア出身で26歳、198cm、ATPのランキングは16位、この大会では第14シードで、今季は13勝5敗。フォアもバックもグランドストロークはトップスピン系で重く、安定している。サーブが特に強く、重く、大きな武器になっている。長身にしては、フットワークは良い。
二人とルブレフを含めて、ロシアの3羽ガラスと言われ、たいへん仲が良い。これまでの対戦は、メドベージェフとカチャノフで3対1となっていて、メドベージェフがリードしている。最近は、カチャノフもサーブの正確性、バックハンドショットの安定性がさらに増して、どこまでメドベージェフに迫れるかが見所だろう。
第1セットの第1ゲームは、メドベージェフのサーブではじまる。メドベージェフのサーブが良くなく、ジュースまで持ち込まれるがキープ。第2ゲームは、カチャノフのサーブだがメドベージェフのバックを攻め、ストレートでキープ。
第3ゲームはメドベージェフのサーブでキープした。カチャノフのサーブで第4ゲームとなる。カチャノフは、サーブが良く、ストレートでキープする。
第5、6、7ゲームはそれぞれサーブが良く、キープ。第8ゲームはカチャノフ3−4でのサーブだったが、メドベージェフが後ろに下がって、よく拾う。ジュースを繰り返し、7分以上の戦いは結局メドベージェフがブレークした。第9ゲームはメドベージェフの5−3でサーブだったが、ジュースまで持ち込まれてカチャノフにブレークされる。
第10ゲームは、カチャノフのサーブで、キープして、5−5のイーブンとなる。第11、12ゲームは、お互いキープで、タイブレークに持ち込まれた。タイブレークは、接戦ではあったが終始メドベージェフがリードして、第1セットは、メドベージェフが7−6でとった。
第1セットは、接戦でほぼ互角という感じだった。メドベージェフのディフェンスの良さが目立ったが、カチャノフもよくやったと思う。
第2セットの第1ゲームは、カチャノフのサーブで始まったが、キープ。第2は、メドベージェフのサーブで、15−40で珍しくセット前半でブレークされた。第3、4、5、6ゲームは、両者のキープとなった。第7ゲームはカチャノフの4−2でサーブだった。カチャノフはキープする。第8ゲームは、メドベージェフの2−5でサーブだった。ここでは、メドベージェフのキープとなった。第9ゲームは、カチャノフのサーブでストレートでキープする。第2セットは、6−3でカチャノフのものになった。第2セットは、第2ゲームでカチャノフがブレークしたのがすべてだった。
第3セットは、メドベージェフのサーブで始まり、第3ゲームまではお互いのキープのままだった。第4ゲームは、カチャノフのサーブで15−40からブレークされる。カチャノフのベースラインオーバーが目立ち、勝利を意識して力が入ったのかもしれない。もっとトップスピンを強くかけたボールをベースラインに打ち込むべきだった。第3セットは、このままキープで終わり、メドベージェフの6−3で終わった。結局、メドベージェフの7−6、3−6、6−3で、この試合の決着はついた。
全体的には、カチャノフは健闘はしたが、やはりメドベージェフに及ばなかったという印象だった。
カチャノフは、ずいぶん良くなった。もう少しトップスピンをかけたショットを多用して、ベースライン近辺のストロークを安定して欲しい。特に勝利を意識した時に、力が入ることを治さなければならないだろう。また、バックのストレートショットはミスが少ないのだから、もっと多用すべきだと思う。
一方、メドベージェフは、特に言うことは見当たらない。強打の持ち主なのに、それに頼らないのがとても良い。いつも思うがディフェンスの良さは、ジョコビッチもそうだがとても良く、それが武器の一つになっているのが凄いと思う。フットワークもサーブも素晴らしいの一言の尽きる。
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