ATP1000テニス インディアンウェルズ大会の決勝 アルカラス 対 メドベージェフ
インディアンウェルズ大会の決勝は、アルカラス対メドベージェフとなった。この対戦は滅多に見たことはないので、たいへん興味をそそられる。現段階での、実力世界2位と3位の戦いだから、スーパーショットの連続の素晴らしい試合が期待できるだろう。
カルロス・アルカラスは、スペイン出身で19歳、183cm、ATPのランキングは2位、この大会では第1シード。フォアもバックもグランドストロークは、安定していて、ボールは速く、重く、伸びがある。そのため、ドロップショットも得意でよく決まる。サーブもレシーブもフットワークも素晴らしいものがある。特に弱点は見当たらない。精神的にも安定していて、長期のチャンピオンになるだろう。
一方、メドベージェフは、ロシア出身で27歳、198cm、ATPのランキングは7位、この大会では、第3シード。フォアもバックハンドもグランドストロークは素晴らしい。特にグランドストロークは、長い腕が体に巻き付くような形になる長いフォロースルーをする独特なショットで、強く伸びのあるボールを生み出す。また、サーブも速く鋭く、大きな武器になっている。レシーブがベースラインのずっと後ろから受けるのも独特なスタイルである。現在は、実力的にはジョコビッチやアルカラスと並んで3強となっている。
二人の対戦成績はメドベージェフの1ー0だが、ハードコートでは、初めての戦いとなる。メドベージェフが勝ったのは、2021年のウインブルドンでストレートだったが、それからのアルカラスの成長は著しく、実力的にはほぼ互角に近いと思う。そのため、この試合はとても面白くなるだろう。
第1セットの第1ゲームは、アルカラスのサーブではじまる。40−30でキープだったが、メドベージェフは攻撃もせず、ただ返すだけだった。第2ゲームは、メドベージェフのサーブだが、メドベージェフのストロークミスが目立ち、早々とブレークされる。
第3ゲームは、アルカラスのサーブで、アルカラスののドロップショットが効いて40−0でキープ。第4ゲームは、メドベージェフのサーブでジュースまでいくが何とかメドベージェフのキープで、アルカラスの3−1となる。第5ゲームは、40−15からキープとなる。ゲームはアルカラスの4−1となり、第6、7、8ゲームは、お互いサーブが良くキープ。ゲーム数は、アルカラスの5−3となった。
第9ゲームはアルカラスのサーブだったが、アルカラスのドロップショットが決まりキープ。第1セットは、アルカラスの6−4だった。あまり盛り上がりもなく、珍しくメドベージェフのイージーミスが多かった。
第2セットの第1ゲームは、メドベージェフのサーブで始まり、ストレートで簡単にブレークされた。メドベージェフのミスが目立つ。アルカラスのショットが伸びているのか、メドベージェフのミスなのかはよくわからなかった。第2ゲームは、アルカラスのサーブだった。アルカラスのサーブ&ボレーが見事で、40−0でキープ。第3ゲームでは、メドベージェフのサーブだったがジュースになり、アルカラスがブレークした。アルカラスの予測が見事だった。この時点で、メドベージェフは2つゲームのブレークを取られ、勝利はほぼ絶望的となる。
第4、5、6、7ゲームは、キープが続いた。ゲーム数、アルカラスの5−2でサーブの第8ゲームとなった。ここでもアルカラスのサーブ&ボレーやドロップショットが冴え、ジュースまでいくがメドベージェフを退けた。第2セットは、アルカラスの6−2だった。アルカラスは、6−4、6−2のストレートでメドベージェフを破ったが、盛り上がりの欠いた試合だった。もう少し、接戦を期待したのだが、、、。
メドベージェフはどこか体調が良くないのだろうか?これがメドベージェフの実力とはとても思えない。ウィンブルドンで勝っていたから油断したのだろうか。第2セットでは、アルカラスのドロップショットを拾っていたが、メドベージェフはレシーブの時にベースラインからかなり離れるので、アルカラスはドロップショットを打ちやすいのだろう。また、最近はメドベージェフは少し雲行きが悪くなると、熱くなり過ぎる。コルダの時もそうだったが、もっと冷静になれば活路もあったろうに、、、。
アルカラスについては、あまり言うことはない。バランスが良いし、打った後で体のバランスが崩れないのもすごい。ボレー、ドロップショット、ロブなどの小技など、とても19歳とは思えないくらいうまいと思う。なかなか彼に勝てる相手は現れないだろう。ただ、テニスの場合、良い選手はひとりでは生まれない。良いライバルが必要だ、シナー、チチパスの奮起を期待したい。