ATP500テニス リオデジャネイロ大会決勝 アルカラス 対 ノリー
決勝の対戦は、キャメロン・ノリー対カルロス・アルカラス。ランキングでいうとアルカラスは2位、ノリーは12位。この大会では、アルカラスは第1シード、ノリーは第2シード。ノリーは27歳、188cm、アルカラス19歳、183cm。
第1セットは、アルカラスのサーブで始まったが、ノリーは球足の遅い深いボールを多用する。それに対してアルカラスはミスが多く、攻撃のショットが返せない。ノリーは、3ー4の第8ゲームでブレイクポイントを握られたが、かろうじて守った。ノリーのセカンドサーブに対して、アルカラスは位置を上げてリターンをノリーのコートに叩き込むショットが非常に効いていた。
アルカラスは、6ー5でノリーのゲームをブレイクするチャンスが来た ノリーはサウスポーなので、セカンドサーブをアルカラスのバック側に打って決まるかに見えた。アルカラスは、それを見事にストレートに打ち返して、7−5で第1セットをものにした。
第2セットは。1ー1のゲームでアルカラスがノリーのゲームをブレイクする。アルカラスは、3ー1でブレイクチャンスを握られる。アルカラスのミスが多く、ノリーがブレイクバックした。
アルカラスの3−3でサーブゲームで、またもノリーにブレイクされる。アルカラスは、足に来ているが、ノリーにそれに気がついているかどうかはわからない。ノリーは、下ばかり見て相手の様子を見ていない。次のゲームでノリーは簡単にブレイクされてしまう。
アルカラスは、ロングラリーを避けてネットに多く出るが、ノリーにそれがわかっているのだろうか?第9ゲームにも、ノリーがアルカラスのゲームをブレイクして、ノリーの5−4になる。ブレイクタイムにアルカラスは左太ももにテープを巻く。結局のところ、ノリーが6−4でセットを取り、1ー1のセットイーブンになった。
3セット、アルカラスは右太ももの故障が大きく、あまり動けない。これは昨年怪我していたところだろう。この時点でノリーの勝ちかと思ったが、アルカラスは粘り強く、動かないで決められるショット、ドロップショット、オープンスペースへの上半身だけで打つ強烈なショット、ボレーなどを多用し5−5まで粘る。ノリーも疲れているらしく、決定打が決まらない。11ゲームでアルカラスのゲームをやっと破り6−5、最後のゲームをやっとキープして、7−5でノリーが勝った。
それにしても追い詰められた最後の場面での、アルカラスの粘り強さや勝利への執念が垣間見えて、19歳のアルカラスがとても立派に見えた。これがチャンピオンの姿なのかもしれない。しかし、怪我の時はこれほど頑張るべきではない。アルカラスほどの逸材はそうそう出るものではない、テニス界の宝と言っても良い。無理をしないで、長くチャンピオンを続けることを考えるべきだ。
それに対して状況の変化にもかかわらず、同じような攻めしかしないノリーが目立った。疲れていたのだろうが、もう少し戦略の進歩を期待したい。勝者への花向けには酷な言葉だが、、、。