ピーコとインコとジャーキー
聞くところによると、世田谷には野生のインコがおるらしな。
ホントかウソかは知らんけど、もともと業者が飼ってたインコが大量にカゴから逃げて野生化したのが原因らしで。
しかも寿命が30年近くあるせいで、
今もどんどん数を増やしてるらしわ。
そんな感じで、
今も昔もトリが逃げ出すなんてのはよーくある話や。
野生化するのは稀やろけど、自宅の庭に「誰かが飼ってたトリが飛んできた」なんてのは、一度は聞いたことある話やろ?
今回はそんな偶然のトリについて、触れてみよかなと思ってたり思ってなかったり。
★★★★★★★★★★★
あれは昭和の終わり頃。
ワシが中学校に入るか入らへんかの頃やったと思うわ。
当時、なんか知らんけど、
日本ではインコとかちっこいトリを飼うブームがあってんな。
そのせいか、よく『迷い鳥』っちゅう張り紙が掲示板に貼られてるのを見たわ。昭和世代なら分かるやろから、若い子はお母ちゃんや婆ちゃんに聞いてみたらええわ。ジジイはあかんで。あいつら適当やから。
そんでな、
例に漏れず、ワシが当時住んでた長野やったか富山やったかの地域にも、ちっこいトリを飼ってる人が結構おってん。
すると、そんなある日や、
ワシが授業中に教室の窓から外を見てた時に、ソレは起こってん。
昭和の相場やと、こんな時は校門から犬入ってきてワチャワチャするとこやけど、今回はちゃうかってんな。急に教室の窓から何かが飛び込んで来てん。予想はついてるやろけど、それがちっこいインコやってんな。
どうやらどっかの家から逃げたインコらしくて、妙に人に慣れてんねん。せやから全然教室からも出ていこうとせぇへんし、しゃーないからみんなで捕まえて、「一旦学校でインコを預かりましょか」てことになったんや。
ここまではありがちな話やろ?
そんで、しゃーないからカゴに入れて教室置いとくやん。
するとな、やっぱイメージ通りやねんな。
奴らな、ホンマに喋りよんねん。
『ピーコちゃん!ピーコちゃん!』
ありきたりやろ?
これ自分の名前やねんで。
自分の名前をピーコちゃんや言うて連呼すんねん。
あれ、飼い主が言葉覚えさすんやろな。
なんで、よりにもよってピーコなんて名前つけて覚えさすんやろな。ベタやし、おすぴーと被ってるし。ホンッマしょーもないわ。
なーんて思いながらボーッとしてたらな、
急に誰かがワシに話しかけてきてん。
『 ぐず夫くん、ぐず夫くんは生き物係だから、今日からピーコの世話もお願いね 』
はぁ?、やん。
今はどうか知らんけど、昭和の時代は学校で動物とか虫とか飼うのも普通やったから、クラスにも普通に「生き物係」とかあってんな。
引っ越し族で新参者やったワシは、
その時タイミング悪くウサギの生き物係やったんや。
そんでその日からワシがピーコの世話係や。
majiで何度羽ムシって食うたろか思ったかわからんけど、とにかくやることになったわけや。
でもな。
ワシ貧乏やから、ペットなんか飼うたことあらへん。そもそもトリが何食うかなんか知らんやん。今みたいにネットもなかったし、調べる気ぃもなかったしな。
それに加えて友達もおらんかったから、すぐ諦めてん。
どうせトリもウサギも同じ生きもんやろ思って、ニンジンとか白菜とか同じ餌を食わしてたわ。最近知ったけど、ホンマは白菜とか水分の多い野菜は食わしたらあかんらしな。昔のことやから許したってちょ。
そんな感じで何事もなく仲睦まじく普通に教室で飼うててんけど、
別れはすぐにやってくんねん。
では突然ですが、ここで問題です。
この後、ワシとピーコは突然の別れを迎えます。
さて、何が起こったでしょうか?
飼い主が見つかってインコを返した?
それとも羽ムシってワシが食うた?
それともまた逃げていなくなった?
さて、ほんなら答えやな。
答えは、
『ワシの方が先に逃げたでどうなったか知らん』
でしたー!
まーた母親の「この街出てくで」の一言で、
ガッコとはそれっきりオサラバやん!
その後インコがどうなったかって?
そんなの知るわけないやん。
ワシが先に街から逃げたんやから、ハッハー!
まさかトリより先に人が逃げるとは思わんかったやろ。
常識にとらわれてたら損するで!
今後の教訓として覚えときや!
はーい、今日のお話は
これでおしま~い!
……は?
主題の『ジャーキー』はなんやって?
インコもジャーキーくらい食うやろ。
知らん知らん。いねいね。
ジャーキー美味~い!
ビールのアテに最高ー! ヒャックテ~ン ♪
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