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#小説
火星人と花の色【完結】
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拝啓、あなたへ
僕は、大学に戻ろうかなと思っています。鳩を見るたびに、聞いてみるのです。君は何を考えているの、と。彼らは何も教えてはくれません。何も答えてはくれません。何も語ってくれなかったあなたのように。でもきっとそれがあるべき姿なのでしょう。鳩やライオンや、ウィスキーの瓶が自由気ままに過去を語り始めたら、収拾がつかなくなっちゃうから。この手紙が、あなたを救えなかった僕の言い訳みたい
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拝啓、あなたへ
僕は、大学に戻ろうかなと思っています。鳩を見るたびに、聞いてみるのです。君は何を考えているの、と。彼らは何も教えてはくれません。何も答えてはくれません。何も語ってくれなかったあなたのように。でもきっとそれがあるべき姿なのでしょう。鳩やライオンや、ウィスキーの瓶が自由気ままに過去を語り始めたら、収拾がつかなくなっちゃうから。この手紙が、あなたを救えなかった僕の言い訳みたい