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【電撃】独立リーガー・豊泉、クリケット選手に転身へ 「めちゃくちゃ楽しかった」

 球界にほんの少しの激震が走った---。

 富良野ブルーリッジは2日、豊泉亮平内野手(23)の退団を発表した。

 球団を通じ、「2年間本当にありがとうございました。めちゃくちゃ楽しかったです。1番の思い出は15連敗(2020年当時)を脱出した試合。3安打とベース踏み忘れは今でも忘れません。」と当時を回顧しながらのコメント。
 さらに、今後については「日本ではマイナースポーツですが、"クリケット"に挑戦しようと考えています。」とクリケット選手への転向を示唆する驚きの言及も。水面下では、試合の活躍に応じて支給される地域通貨を利用し、クリケット用具を購入するなど密かに準備を進めてきたという。

 ここまでツッコミどころ満載な野球選手は他にいるだろうか?

 2020年シーズン途中、本田圭佑氏が立ち上げたサッカークラブ・OneTokyo(現EDO ALL UNITED)の撮影班から、誰も呼んでないのに突然入団。高校時代はハンドボール部に所属するなど本格的な野球は中学校まで、野球選手としては異色すぎる経歴の持ち主だ。さらには、カナダ留学やバイクで日本一周を経験するなどエネルギッシュな豊泉選手。そんな彼の独立リーグでの挑戦を支えたのは"圧倒的な練習量"だった。

 同学年で「トヨ世代」の1人、富良野・悠太内野手(23)は言う。「役場の仕事が終わるのが遅くとも、毎日欠かさず練習してましたね。夜な夜な室内練習場で黙々と置きT(バッティング練習)をしていた姿は忘れません。打球方向はなぜか天井に向かってましたが。」

 他にもチームの全体練習後の特守には、指名されていないのにもかかわらず毎回必ず参加する場面が目撃されるなど、自らを「初心者」と称した入団当初とはまるで別人のような見違える成長を遂げた。一時はトレンド入りしたと噂の「#困ったときの豊泉」は行き当たりばったりな大胆な行動とは裏腹に、野球に直向きな姿勢で地道に作り上げたと言っても過言ではない。いや、さすがにそれは過言かもしれない。

通称「トヨイズミゾーン」
彼にストライクゾーンという概念はない。
そんな狭い枠に収まりきるような選手でないのだ。

 セオリーなんて通じない。カウント0-3から堂々と盗塁を仕掛けるなど予期せぬプレーでチームメイトを何度も驚嘆させてきた。一方で、何をしてもだいたい中の上クラスの身体能力を活かしたダイナミックなプレーを随所に披露したことはファンの記憶に新しい。クリケットの世界でもその力を遺憾なく発揮してくれるのは間違いないだろう。

豊泉隊員ver
職場で自由に過ごしている豊泉選手。仕事中と野球をしている時の姿があまりにも違いすぎて周囲の人を驚かせていたという。

 プレー以外でも今シーズンは映像編集技術も著しい成長をみせ、チームの広報を支えてきた。度重なる誤字脱字はご愛嬌だが、NPB、MLB各球団の取り組みを徹底的に研究する中で培ったセンスは、本土の某球団からもお墨付き付き。筆者の名刺デザインも昨シーズンに引き続き依頼している。

 この先の人生も、競技だとか、職種だとかの社会にある既存の枠組みを越えてファンへ活躍を届けるべく邁進を続ける。

「次はなにしちゃおっかなー。」

 頭の後ろで手を組んで呑気に未来へ想いを巡らせる豊泉選手の姿を思い出しながら、彼のさらなる飛躍を願ってやまない。

(時々新聞.ベストム支社一同)

⭐︎豊泉亮平(とよいずみ りょうへい)⭐︎
1998年9月9日生まれ。東京都町田市出身。
右投げ左打ち。
・先輩が豊泉選手を筆頭に個性的な98年世代を「トヨ世代」と命名。広めたがる。
・野球選手なのにサッカー用のスパイクを発注。
・大の倹約家。
・使用グラブのメーカー名「YABAI」
・使用バッティンググラブは中富良野のスーパー「ベストム」製のこだわり。
・突然のヘッドスライディングで指を脱臼。翌日の試合に出たがる。
・映像編集の助手は青木匠選手。
・外野からハンドボール投法。
・バットがたくさん折れる。

#北海道ベースボールリーグ
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