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【妻に捧げる読書note】現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全(by 佐々木俊尚)
たくさんの本を読むようになって、読む力を上げたくなって読んだ。
要点
偏りが強いメディアを見抜く7つのポイント
出来事の構図を単純にしすぎて、しかも断言していないか
誰かを「悪者」にしたてて、対立を煽っていないか
要注意ワードが含まれていないか(「真実」「正体」「弱腰」「二枚舌」「化けの皮」「しがみつく」「一流と三流」「稼ぐ人」「年収2000万の人」)
わざわざ強い言葉を使っているメディアには要注意。
「あまり強い言葉を遣うなよ。弱く見えるぞ」by BLEACH
匿名の証言やコメントが多すぎないか、ニュースソースが不明ではないか
「明らかな陰謀論」が書かれていないか
「私だけが知っている隠された真実」を根拠にしていないか
「正しさ」「正解」に過剰に頼っていないか
正解に見えるものはたいていの場合は「後出しじゃんけん」
超一流は〇〇など。例えば、超一流のビジネスマンは財布にいつも10万円を入れている、という内容について、10万円入れれば超一流になれるという話ではなく、超一流だから、10万円を入れられる、と理解した方が良い。つまり、成功している人がたまたまこうしていた、というだけなのだが、あたかもそうすれば成功するように書かれているものは気を付けたほうが良い。
新聞の使い方
新聞は、世の中で起きるたいていの出来事を網羅しているから。とくに自分があまり詳しくない分野について、新聞をうまく活用しよう。
新聞は網羅している分、内容は表面的である。逆に、インターネットの情報は深いがタコ壺化してしまう傾向がある。世の中を知る「入口」に新聞を使い、そのあとはインターネットなどで深堀していくのがおすすめ。
ちなみに、佐々木氏は、日本経済新聞とウォールストリートジャーナルを定期購読している。経済という非常に幅広く、さらに深い知識も同時に必要とされる分野の知見を得るためには、この2紙はとても価値が高いとのこと。
優れた書籍は、1冊で「多様な視点」を与えてくれる。1冊の本の中だけで、「アウトライン→視点→全体像」という流れを全部用意してくれている。
勉強の本も娯楽の本も、すべて「自分にとって楽しみな本」に統合してしまう
本を読むのはどこまでいっても「自分のため」であり、自分の頭脳に様々な教養や豊かな情感や考える力を蓄積していくためである。
ミステリーを読んでも、漫画を読んでも、それが「いい本」であれば、あらゆる「いい本」は自分のための蓄積になる。
本は「学び」であるのと同時に「娯楽」でもあり、自分の人生に蓄積していくもの。この本は勉強の本、この本は仕事のための本、と決めてしまうと、急に読むのがつらくなり面倒になってしまう。しかし、本を読むという行為は、強制ではない。すべて自分のためであるならば、もっと自由に本を読めば良い。人生は短く、読まれるべく待っている本はたくさんある。もっとドライに取捨選択していくことも大事だ。
良質な物語は、それだけで世界を学ぶことができる。例えば、「罪と罰」を読んで、ドストエフスキーという偉大な文豪の視点をわがものにすることで、文豪が世界をどう認識していたのかを学ぶことができる。それによって、私たちは、世界のアウトラインを「文豪の世界観」を通して見ることができる。
ちなみに、難しい本に挑むときは、漫画版や100分de名著などの映像、書評などを先に読んで内容の理解を進めてから、取り組むと良い。
ビジネス書の読み方
ビジネス書は以下の3つに分けられ、目次で区別ができる
実用書系:実用的な項目
自己啓発系:成功するノウハウ、わたしはなぜこのトラブルを切り抜けられたのか
世界感系:ビジネスや会社の話に終わらず、社会や歴史などにまで話を広がらせて語っていることが多い
自己啓発系は先にも書いたように「後出しじゃんけん」
こうすれば成功する、というものはない。あるとすれば、「これをやったら必ず失敗する」という法則だけ。
自己啓発書はカンフル剤のようなもの
読むと何となく元気が出る。よしやってみようと思う。しかし、日々仕事をしているとだんだん疲れてきて、どうしていいかわからなくなる。そこで、また自己啓発書を読む。。カンフル剤は時には必要だと思うし、否定はしない。しかしカンフル剤ばかり飲んで、必要な栄養素を取らずにいれば、健康は必ず損なわれる。
「散漫力」をうまくコントロールできれば、仕事はいくらでもこなせる
散漫力:無理に集中しようとするのではなく、あえて「散漫さ」を逆活用することで実は生産性を高めることができる
無意識のコビト:断片的に入ってきた情報を無意識のうちに整理し、つなげ、新たな発想をうむもの
無理に集中しようとしすぎない、集中力に意識を向けすぎない状態で、無意識のコビトさんがもたらす「舞い降り」がやってくる
仕事には「舞い降り」と「タスク」の2種類がある。
舞い降り:アイデアや発想をつくるような仕事
タスク:請求書やエクセルで資料を作るような仕事
集中すると「タスク」ははかどる。集中しないで散漫だと、「舞い降り」がやってきてくれる。
ワークライフインテグレーション
仕事と生活を分けてバランスをとるのではなく、「仕事と生活をうまく統合してしまう」。仕事と暮らしをばらばらに分解してしまって、別々に無るのではなく、仕事も暮らしも含めた自分の人生全体が最適化されるようにする。
響いた内容
これまで、いわゆるビジネス書、自己啓発書と言われるものを読み漁ってきたように思う。しかし、世界観をアップデートするためには、良質な小説も読んだ方が良いということに気づけた。また、知識に加えて、今この世界で何が起こっているのかを深く知ることで、両者を掛け合わせた、より良い航海ができるのだと知った。
こんな人に読んでほしい
いろいろな情報を取り入れたい人。