【妻に捧げる読書note】2040年の未来予測 (by 成毛 眞)
「生き残るためには環境に適応しなければならない。そのためには、環境を知ることがまずは大切だ。最悪の事態が想定できていれば、右往左往することはない」とあとがきにあるように、これまでの日本や世界の様々なデータから導ける未来の姿を紹介している。
要点
これから起きる変革は、すでに今、その萌芽がある。現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできる。
これまでの10年よりこれからの10年の方が世界は大きく、早く変わるだろう。これまでの10年の変化は、主に通信技術の大容量化高速化がもたらした。これからの10年でいわゆる6G が登場すれば、その度合いは比べ物にならない。(5Gの10~100倍の速さと言われている)また、あらゆるもののコンピュータ化も加わり、テクノロジーは飛躍的に進歩する。
テクノロジーの進化
大前提は6G、低遅延、大容量通信。その恩恵を受けて、すべてのものが常時インターネットに接続されるようになる。そうすると、自動運転や、RFID(電波でチップを自動認識する技術)などが当たり前になる。RFIDでは、商品を一時的に手に取ったが戻した、というような情報も把握可能となる。
2020年でインターネットに接続されている機器の数は500億程度だが、2040年には10兆に及ぶという試算がある。家の中で現在パソコンとスマホくらいしか接続されていないが、スマート家電やその他ありとあらゆるものが接続され、その数は1000台/人という数にまでなる。
日本のエネルギー資源不足を救うといわれる技術が、全固体電池。これは、リチウムイオン電池と比べて半分の大きさで同じだけ持ち、また液漏れなどの心配がない技術である。電池は日本のお家芸であり、すでに生産は開始されている。将来的に電気自動車のバッテリーが全固体電池となった場合、それだけで蓄電設備が大量に現れることとなり、日本のエネルギー資源の構造は様変わりすると考えられている。
経済、地球環境などの大変革は、今の萌芽に注目すれば予測ができる
かなり悲観的なシナリオが多いが、最悪のケースを知っておくことで未来に備えられる
響いた内容
漠然とした不安をあおるような内容ではなく、現実のデータに即して未来に起こることを論じている点が非常に納得しやすかった。
また、文章がとても読みやすかった。
こんな人に読んでほしい
明日を楽観視できないすべての人たちに読んでほしい。
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