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【妻に捧げる読書note】まっすぐだけが生き方じゃない 木に学ぶ60の知恵(by リズ・マーヴィン)

本屋で生物のコーナーに置かれていたこの本。きれいな表紙とタイトルに、思わず手を取った。木の生態を参考にこれからの生き方をアドバイスする本。

要点

  • 【ニレ】なんでもひとりで、抱え込まない:害虫に襲われたとき、ニレの木はフェロモンを出してハチを誘い寄せる。自分ひとりでどうにかしようとかたくなになる必要はない。ニレがハチを呼ぶように、すなおに助けを求めてみたら、意外なくらいスムーズに事が運ぶかもしれない。

  • 【グイマツ】つらい時期は、やり過ごそう:体が疲れて、心が弱ると、世界の見え方まで変わってしまう。こんな時は、休むことが肝心。グイマツは、世界でも最北の地域で育つ針葉樹。針葉樹なのに、長く厳しいシベリアの冬を生き抜くための手段として、葉を落とすという方法を身に着けた。過ごしやすい季節が巡ってくるまで、しばらくの間、休眠状態でゆっくり過ごすのだ。

  • 【イチョウ】「完璧」なんて、幻想です:できて当然、なんでも完璧にこなさなきゃ。そんな風に自分で自分を追い込むと、その先にあるのはストレスと落胆だけ。イチョウはかなり「できる」木。恐竜の時代から生きているし、長生きするし、劣悪な環境でも生きていけるし、秋にはきれいな色になる。でもね、実がくさい。とてつもなく、くさい。すべてをソツなくこなすのは、さすがのイチョウにだって無理。完璧なんて、幻想です。

  • 【シエラヤシ】プライドは、じょうずに捨てよう:プライドは、自分が強くなったように感じさせてくれる一方で、大きなつまずきのきっかけになることもある。シエラヤシが育つ熱帯地方では、度々暴風が襲う。そんなとき、シエラヤシは、立派に育った大きな葉を、ためらわずに落とす。まずは、多少のプライドを捨てて、目の前の嵐をやり過ごす。それさえできれば、そのあとにはひとまわり大きくなった自分が待っているはず。

  • 【ヨーロッパクロマツ】経験から、成長のしかたを変えていく:過去の経験から学ぶことが、成功につながる。ヨーロッパクロマツや日本の松(クロマツ)は昔から風の強い地域で成長してきた。本来であれば、まっすぐ上に伸びていく針葉樹であるはずだが、特に風の強い地域に生息するクロマツは、幹を太くし、上の部分を風を避けるために小さくし、環境に適応して成長していく。日本の海岸の松がくねくねといろんな形をしているのも、環境に適応してきたから。これまでの経験から、環境に適応し、柔軟に生きている。

響いた内容

一つ一つの植物の知恵が、自分の心を解きほぐしてくれるような、とてもやさしい本だった。特に、上に挙げた5つが自分には響いたが、その時々で他の植物も響くのだろう。何度も読み返したくなる本だった。

こんな人に読んでほしい

数億年の進化の知恵を人生に活かしたい人。


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