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【妻に捧げる読書note】渋沢栄一「運」を拓く思考法(by 向谷匡史)

知人からすすめられた本。これまで読んできた本より、理性(倫理とか)で支配しなさいという論調が多いが、学ぶところはたくさんあった。

要点

  • いま在る自分を決然と認めよ 草木は決して鳥獣にはなれない。:他人の人生をうらやんで、自分もああなれたらいいのに、と悲観したり嫉妬したりすることは誰しもあると思っていた。しかし、渋沢は、草木は鳥獣にはなれない、という表現で、お互い違うものなのだから、それぞれが尊く、お互いに嫉妬するものではないと説いている。

  • 拝金主義の現代社会に我が身を問う 職業に貴賤なくも、稼ぎ方に貴賤なきや。:職業に貴賤なし、とはよく言われる。しかし、その稼ぎ方には貴賤がある、と渋沢はいう。金儲けがうまいだけのパーティーピーポーに憧れてはいけない。稼ぎ方を問わないのは、餌を漁る獣と同じである。

  • 天道の是非を問わず 現実は矛盾の中に存在する。:あんなに性格が良いのに、不器用なばかりに評価されない。。それでも、あの人は良い人だから。いつかきっと評価されるはず。それが、天の裁きであるはずである。というのは、誤りである。人は、その人の「心」ではなく、目に見える「行動」で評価している。心がどうでもよい、ふるまいに気をつけなさいということではないが、人がふるまいに引きずられるということを知っておくべきである。

  • 「成功」は人生の泡沫 一喜一憂することの愚かさ。:成功や失敗というのは、結局努力した人の体に残るカスのようなものであり、また、一時的なものである。それで一喜一憂するようなものではない。運は、努力して、捕まえるもの。そのさきに、成功がある。そのためには、知恵を絞り、誠実に努力することが必要。

響いた内容

最後の章で、「日々新の心構え」というのが出てくる。渋沢栄一だけでなく、松下幸之助など多くの著名人が大切にしてきた言葉で、「万物は、日に新た。人の営みもまた、天地とともに、日に新たでなければならない」という教訓である。毎日が繰り返しで、つらく退屈なものと思ってしまうときもあったが、毎日は新しいもの。また、昨日と同じことをするだけの一日は、「退歩」しているのと同じであるという言葉に強く励まされ、毎日がとても新鮮で楽しいものとなった。一日ごとに一歩前に進める、ということを意識すると、繰り返しの日々などなく、すべてに能動的に取り組めるようになった。

こんな人に読んでほしい

ちょっと違ったジャンルのビジネス書を読みたい人。


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