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レコード収集癖 覚書3

なぁんだということはないのだが、昨日のBLUE NOTE 「幻の1592番」は、今では某レコード会社でJazzの未発表演奏などの発掘に携わっている我が妹が、そのまた昔に某大型レコード店に勤め始めた頃に、たまたまTOSHIBA EMIの営業さんに「兄がBLUE NOTEの1500番台集めていて…」と昨日書いた事情のようなものを話したところ「それなら!」ということで用立ててくれたものであるようだ。1992年か93年頃のこと。業界の人が身内で良かった。

さて「幻の1592番」前々回に「19歳の頃には欠番でのちに発掘された1592番…」と書いたが、どうも調べてみると1976年に「ソニー・クラーク・クィンテット」として 日本で世界初リリースをしていたことがわかった。2300円。(当時日本に消費税は無かったので 2300円と言ったら2300円なのだ)

なぁんだ、そうだったのか…。あんなに欲しかったのに手にしてしまえば現金なものだ。というわけで手元にあるのは「NOT FOR SALE 」の文字入りの1995年盤でプレゼントに応募もせずに頂戴した物であることがわかった。

今回調べてみていくつかのことが新たにわかったのだが、「幻の1592番」 にはジャケットに何通りかのバージョンがあるということ。世界初リリースの緑色のものと手元にある95年のプレゼント盤は基本的に同じであるが、本家1588番 COOL STRUTTIN’ との文字色違いが2種。

その他に同写真の別カットで右に向かって歩いているバージョンが存在するらしい。こちらはスカートのスリットから脚が覗いていない。

脚の交差具合、後ろ脚を跳ねあげた瞬間を捉えた感じ、スリットから覗く脚…とどれを取っても本家1588番 COOL STRUTTIN’に軍配が上がるが、オリジナルが良ければこそ別カットも欲しくなるというもの。いや、探してないって本当に、今のところは…。

この本家1588番。1958年本国アメリカでの発売時にはほとんど売れず、初回プレスも1000枚で結構残ったそうだ。これを名盤たらしめたのは我が国日本のジャズファンであり、ジャケットの格好良さとコーヒー1杯でJazzを聴くことが出来るジャズ喫茶の存在が大きいといえるだろう。

1986年山中湖畔でマウントフジジャズフェスティバルが初めて行われた。そこで1588番 COOL STRUTTIN’ に参加していたアルトサックス奏者 Jackie MacLean が Sonny Clark Tribute のステージで Cool Strutting’ を演奏した。イントロが始まるやいなや日本のジャズファンは総立ちで大歓声を上げた。ステージの袖にはBLUE  NOTE RECORD 創設者のAlfred Lionとその妻であるRuth Lionの姿があった。Alfred Lion はその盛り上がりを目にし、日本におけるこのアルバムの人気の高さに驚くとともに日本のファンの耳の確かさを称えたという。

さてさてCOOL STRUTTIN’ のジャケット写真が格好良いという話。カメラマンは Francis Wolff(では無くReid Miles!)
ではモデルは? モデルは Ruth Mason という女性。Ruth Mason は 4044番 Moods / The 3 Sounds でもジャケットを飾っている。そしてその  Ruth Mason はその後結婚して Ruth Lion となったその人であるらしい。

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