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The Wind

Emotions
Mariah Carey
Columbia
1991

こんな細くて可愛い女の子が7オクターブの声域(実際には5オクターブ半)を駆使してと当時もビックリしたのを思い出す。

ホワイトとは思えないソウルフルでご機嫌なR&Bを連発したが、実際にはアフリカ系とアイリッシュ系のミックスの彼女は、子供の頃人種差別に耐えながら…とのことだ。当時の僕はホワイトと認識していたが、彼女の血筋を知ってその音楽性になるほどと思ったモノだ。(逆人種差別かもですね)

デヴューシングルの ‘Vision of Love’ はビルボードのポップチャートで見事にNo1、その後もNo1シングルを連発して当然のようにデヴューアルバムの “Mariah Carey” もNo1。これに続いてリリースされたのがこの 『エモーションズ』ということになる。

翌年92年には当時流行りであった “MTV Unplugged” のライヴアルバムも発売され、これらはまさに90年台の事件であったと言ってもいいと思う。

その頃までの彼女の髪型は、ロングカーリーだったのだが、そのあたりまでの彼女が好きだったな。

その後、髪型もウェイヴィになり、さらにストレートに。そしてそのうち彼女はミニスカサンタとなり、セレブリティとなって行く(今改めてアルバムジャケットを見ればミニでも無いしスカートでも無いですね)。あ、今度はセクハラになっちゃうか。まぁ、とにかくカーリーヘアの頃のマライアが好き。

前述の 「ヴィジョン・オブ・ラブ」やこのアルバムのオープニングの「エモーションズ」についてはすでに言及する必要はないかと思うので、ラストトラックの 「ザ・ウインド」について書きたい。

作曲はChet BakerのグループのピアニストRuss Freemanであるが、あまりチェット贔屓では無い僕にとっては、Keith Jarrettが “Paris Concert” の2曲目で演った “The Wind” の印象が強い。この曲にマライア自身が詩を書いて歌ったこの曲で静かにアルバムは閉じられる。

おすすめとしては、ぜひ先にキースを聴いて欲しい。

演奏の時代関係的にもそうだしね。1988年の演奏で1990年リリースだ。そして良いと思ったら、何回かリピートしてマライアのアルバムを頭から聴いて欲しい。ラストトラックで、きっと別の上がり方ができるから。

マライア自身の言葉によればアルバム『エモーションズ』はデヴューアルバムの『マライア・キャリー』がヒットし始めた頃にすでに制作を開始していたという。ちなみに『マライア…』は1991年(!)のビルボード年間アルバムランキングの1位である。タイミングとしてはマライアがキースの演奏を聴いてインスパイアされて…というのは、あくまで僕の想像であるが、あながちあり得なくも…とも思える。

キースの 『パリ・コンサート』でしょ!大好きですって人はその限りでは無いのでそのままマライアにお進みください。

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