なぜ企業はNFTビジネスの参入するのか。その理由を詳しく解説!
仮想通貨にも使われているブロックチェーン技術を活用することで、デジタルデータに唯一無二の価値を持たせるNFTは、今後も市場拡大が見込めると多くの企業が注目しています。
しかし、なぜ今多くの企業がNFTビジネスに参入しようとしているのか、NFTを活用したビジネスとはどんなものなのか、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、NFTビジネスに企業が参入する理由について詳しく解説していきます。
■そもそもNFTとはどんなもの?
NFTは「Non Fungible Token」の頭文字を取って作られた言葉で、日本語では「非代替性トークン」という意味です。
これまでデジタルデータは容易にコピーや複製ができるため、なかなか価値を持たせることが困難でした。
しかし、NFTを活用することで、デジタルデータに制作者や購入者などの記録を残せるだけでなく、複製や修正した場合にはそれらの記録も残すことができるのです。
例えコピーや複製をされたとしても、オリジナルを証明できるため、デジタルデータにも唯一無二の価値を持たせられるNFTに企業も注目し、新しいビジネスモデルを模索しています。
■NFTビジネスとは?企業が参入する理由
デジタルデータに唯一無二の価値を持たせることのできるNFTは、ゲームやアート、コレクターズアイテムやスポーツのほか、不動産や会員権の証明書など、あらゆる分野で実用化が進められています。
日本でも現在、イラストや音楽、映像をデジタルデータとして配信している人はたくさんいます。
中には人気の高い作品も数多くありますが、NFTを活用すればそれらにも唯一無二の価値を持たせることが可能です。
つまり、これまで価値を持たせるのが難しかったデジタルデータの作品も、将来的にはピカソやゴッホの原画のように高い価値を持つ可能性もあるのです。
そのため、比較的価値が低いうちに購入し、価値が上昇したら売却する投資ビジネスや、NFTを活用し限定生産のデジタルデータを販売するなど、様々なビジネスが想定できることから、参入する機会をうかがっている企業は多いです。
■NFTビジネスの魅力とは
なぜ企業がNFTビジネスに参入するのか、その理由をもっと詳しく見ていきましょう。
・参入するハードルが低い
例えば現物のある絵画やアート作品を売買し収益を得るには、偽物ではないか調べたり、専用のエージェントやオークションを利用したりと知識のない人にはハードルが高いです。
しかし、NFTにはマーケットプレイスのように誰でも気軽に取引できる土台が整っています。
特別な資格も必要なく、手順さえ踏めば誰でも簡単に作品を出品したり購入したりすることができるなど参入するハードルが低いため、企業がNFTビジネスに注目する理由の一つでしょう。
・ビジネスの幅が広い
NFTはデジタルデータであればジャンルを問いません。
現在はゲームアイテムやアート作品の取引が主流ですが、徐々にジャンルの幅も広がってきています。
特にここ最近はファッション業界の参入が多く見受けられます。
誰もが知る人気ブランドのティファニーやグッチなどもNFTビジネスに参入し大きな話題となりました。
さらに今後も様々なブランドの新規参入が予定されているほか、ファッション以外のエンターテインメントやスポーツなど様々な分野での活用が進められています。
・国や地域に関係なく取引できる
NFTは暗号資産と同じように、国や地域に関係なく取引が行うことができるため、アメリカやヨーロッパ、アジアに中南米など世界中で幅広く活用されています。
つまり、NFTを利用すれば日本国内に留まらず、世界の市場をターゲットにビジネスを展開することが可能なのです。
また、暗号資産と同じくブロックチェーン技術を利用して分散管理されているため、世界共通の規格が存在します。
そのため、売買する時にいくつかのマーケットプレイスを活用することができる点もNFTビジネスならではの魅力と言えるでしょう。
■NFTビジネスのモデル例
既にNFTビジネスに参入している企業は、どのようなビジネスを行っているのでしょうか。
ここでは、NFTビジネスのモデル例をピックアップして紹介します。
・マーケットプレイス
マーケットプレイスとはNFTを扱う市場のことです。
NFTを買いたい人と売りたい人の仲介をすることで手数料を受け取り、それが利益となっています。
NFTは個人同士でも売買できるものの、取引完了に至るまで値段交渉や支払い方法など、いくつもの課題が山積みです。
しかし、マーケットプレイスを通せば、スムーズな取引が可能です。
現在の主流は海外に拠点を置くマーケットプレイスですが、今後NFT市場がますます活発になれば日本で作られたものが主流になる可能性もあります。
・ゲーム
NFTゲームでは、プレイするだけでお金を稼ぐことができます。
ゲーム内で獲得したキャラクターやアイテムをマーケットプレイスで売却することで利益を得られるのです。
これまでもゲーム内のアイテムを現実世界で売買することはありましたが、データを悪用するなど不正も多く問題となっていました。
しかし、NFTゲームならデータの改ざんなど不正行為も起こりにくいです。
そのため、ゲーム内のレアキャラクターやレアアイテムをゲットしたら売却するといったビジネスも可能です。
・アート
最近はパソコンやタブレットを使ってアートを描く人も増えており、デジタルだからこその表現で高い評価を得ている人も多いです。
デジタルアートのメリットは、誰でも描いた作品を全世界に向けて公開できることでしょう。
今まではなかなか発表の機会を得られなかったような人でも、気軽に作品を公開し、多くの人に見てもらうことが可能です。
そしてもしも、作品に興味を持つ人がいれば、NFTを付与して売ることで収益を得られます。
また、NFTアートを購入し、価値が上がった頃に売却し差額を収益として得るといったビジネスも成り立ちます。
・音楽
以前はCDが主流だった音楽も、現在は配信の割合が高くなっています。
しかし、ただネットにアップしただけでは不正にコピーされることもあり、収益につなげるのは困難でした。
しかし、NFTを利用すれば、コピーや複製を気にせず配信できるだけでなく、音楽に特典映像などの付加価値を付けることも可能です。
動画配信サイトに自ら動画をアップし、そこからステップアップを目指す人も多い昨今、NFTを活用した音楽配信などNFTビジネスを行う人も増えていくと考えられます。
・スポーツ
スポーツは試合をしたり観戦したりといった楽しみ方のほか、グッズを集める楽しみ方もあります。
例えば以前にNBAが選手のNFTカードを販売し話題になったように、NFTを活用することで選手の写真やデータだけでなく、試合で活躍したシーンを映像で見ることができます。
紙製のカードに比べて楽しみも多いことから人気に火がつき、現在も取引額は増加傾向にあります。
今後、スポーツ選手のNFTカードはますます増えていくと考えられます。
今回は、NFTビジネスについて解説してきました。
デジタルデータに唯一無二の価値を持たせることのできるNFTは、ゲームやアートだけでなく、スポーツやファッション、不動産など今後さらに幅広いジャンルでの活用が期待できます。
国や地域に関係なく、誰でも簡単に取引できることも企業のNFTビジネスの参入に拍車をかけることでしょう。
とはいえ、NFTは新しい技術ですので、法整備も十分にされていないなど、まだまだ課題も残ることも覚えておくことが大切です。