なんだかんだでコザ・ミ・アモーレ
仕事の休憩中に、やたら疲れていたので仮眠を取り、15分前にそろそろ起きるかと目を覚まし、テレビの方をちらりと見たら……。え?コザの街?どうして?
一気に眠気がふっとんでしまった。しかも、レポーターが第一期琉神マブヤー・カナイ役の知念臣悟さん?
なんなの?夢でも見てるの?と目を凝らしたら、どうやら、『ゴラッソ沖縄美ら巡り~サッカーキャンプ地の魅力~』
という番組のようだ。しかし、『おしゃれクリップ』のISSAさんゲスト回「コザ・プライド」等、最近はじわじわと地上波でもコザを取り上げる番組が出ていて驚いている。
話が脱線したのでまた元に戻そう。休憩時間終了ギリギリまで観た『ゴラッソ沖縄美ら巡り~サッカーキャンプ地の魅力~』では、知念さんが比嘉梨乃さんと一緒に中央パークアベニューを散策したり、深夜番組『コザの裏側』のディレクターであり、『プレイヤーズカフェ』、『トリップショットホテル』のオーナーである神山繁さんとトークを交えながら、『プレイヤーズカフェ』イチオシメニューであるミルフィーユカツサンドをぱくついておられたり、ミュージックタウン内にある『エイサー会館』にてエイサーを体験されていた。(その時の知念さんのエイサーが、最初は流麗だったものの、後からくだついていたのは、ふと第一期琉神マブヤー第5話「エイサーのマブイストーンがデージなってる」での少し不恰好なエイサーを披露したカナイを思い出して微笑ましくなった)
残念ながらそこまでしか観られず、見逃し配信もないようで歯軋りしてしまったが、深夜かつ時間差放送とはいえほぼ全国にオンエアされる番組でコザが紹介されている。それがなんだか自分のことのように嬉しく、実際、番組中で知念さんと比嘉さんがコザのゲート通りや中央パークアベニューを歩くくだりでは、顔の表情筋が緩みに緩みまくってしまった(笑)
と、同時に。未だに私はコザが恋しいのだと嫌でも思い知らされた。
2003年に初来沖し、かれこれ20年、いや、今年で21年経っても未だにコザに関わり、6年も来沖していない今もなお、友人知人のおかげでコザの情報を見聞きできている。
そして、来月はよほどのことがない限り、6年ぶりの来沖かつ来コザが決まっている。
6年の歳月は街の景色を大きく変え、05年に再開発でがらんどうになった中の町を見て思わずへたりこんでしまった時と同じくらい落ち込んでしまうかもしれない。年々薄れていったコザを訪れる度に鼻腔をくすぐったダウニーの香りとアメリカのケミカルなお菓子の混ざったあの独特の匂いはもう今のコザには漂っていないかもしれない。
知人の情報やSNSで知った馴染みの店やホテルの閉業を改めて思い知らされ、やりきれなくなるかもしれない。
それでも、私は胡屋十字路から中の町、グランド通り、園田、諸見里、プラザハウスを終点に散策し、足と時間が許すなら照屋まで歩き回るだろう。
コザの街をしっかりと自分の手足で辿り、五感を駆使して忘れないようにと焼き付けながら。
そして、帰りはバスの車窓から遠ざかる街の景色を眺め、プラザハウスを抜け、屋宜原あたりでふと呟くんだ、きっと。
「また来るからね、コザ」と。
舌打ちしたい気持ちと、コザへの切なさの混ざった、どうにもこうにも面倒くさい感情を抱えながら。
(文責・コサイミキ)