コザノスタルジア、再び
以前、弊記事にてみやぎストアの閉業と新店舗への改装準備について書きました。
https://note.com/gusukuma/n/n79274d09a7b0
その後、お世話になっているブロガーのあいろむゆぅじさんから宮城ストア跡地の現在の写真が送られてきました。
どうやらせんべろ系酒場になっている模様。
いつかは時の流れとともに閉業する店ができ、街の景色や雰囲気は変わってしまう。
実際、我が地元でも老舗書店の本店が閉業、ショッピングセンターのテナント内のみの営業になってしまったり、スティックケーキがおいしい、かわいい内装が評判だったケーキ屋さんが閉業し、跡地はガッツリ系焼肉屋になり、ケーキ屋さんは翌年天草に移転したことを知る等と寂しい変化を思い知らされ、落胆しました。
コザもしかり。コロナ禍により閉業した店舗の跡地に新しい店ができた等そんな話をちらほら聞くようになりました。
街が息を吹き返しつつある兆しに嬉しくなると同時に今は亡き馴染みだった店にふと思いを馳せたくなるのはやはり旅行者のエゴなのでしょうか。
そして、一番街に店舗が新しくできるのは嬉しくなる反面、またもせんべろ系酒場というのが複雑な気分。というより、ここ最近の一番街〜パルミラ通り近辺のせんべろ酒場の乱立は不安が過ぎります。
中央パークアベニューにオープンして以来、呑み助なコザンチュたちの憩いの場となっている足立屋からはじまったせんべろブーム。このまま一番街は自然発生したせんべろ酒場スタジアムとなるのか、それともせんべろブームが廃れてまたシャッター街になるのかと余計なことながら一番街のこれからを考えてしまうのでした。
あと、最近沖縄市のグルメについて調べてみたら、ハンバーガーショップの著しい増加が気になりました。
以前にも今は亡き50's Cafe(沖縄市には330号線沿い、登川、中央パークアベニューと3度進出、その後うるま市のドン・キホーテ内等に移転を繰り返し、最後は宜野湾市に拠点を移すも閉業)のようにアメリカ色の濃いバーガーや、沖縄市ミュージックタウン内にあるパーラーチョキ(現在は店舗改装の為にテイクアウトのお弁当の限定販売のみ)のようなほんのり甘いパテが素朴な味わいのハンバーガーを出す店舗がありました。そういえば、パテの代わりにタコミートを使っていましたが、プラザハウス内にあるセニョールターコもハンバーガーやチーズバーガーを販売していました。(現在は販売しておりません)
最近は、北谷のゴーディーズ(コラムニストの長谷川町蔵氏が絶賛した炭火で焼かれたパテが決め手のハンバーガー)に続けとばかりに肉厚ジューシー系のハンバーガーショップの沖縄市ないし沖縄市近辺での相次ぐ開店が続いています。
2017年、園田にあった古着屋さんの跡地に開店したラルフズバーガーレストラン(スパイシーかつ肉の旨味に特化したパテと小麦の味がしっかりした手作りバンズが特徴的な店舗)を皮切りにいつの間にかコザにはハンバーガーショップが複数軒!
うるま市に本店があるハーベストハンバーガーの2号店が中央パークアベニューにオープンしたり、東海岸のお洒落ダイナーを思わせる店舗がインスタグラムユーザーの心をくすぐるマーヴェルというハンバーガーショップが南桃原に開業したり、一番街にも、ハワイにある、自分でトッピング、パテ、パティをカスタマイズできる『ザ・カウンター』さながらにハンバーガーをカスタマイズできる店舗『A-sideスマッシュバーガー』がオープンしたり、さらには、営業時間はランチタイム〜16時までも短いものの、パーラーさながらの雰囲気や肉厚ジューシー系の比率が激しいコザの最近のハンバーガーとは一線を画すやや素朴寄りなハンバーガーがどこか懐かしい『Tank Burger』の開店と時はハンバーガー戦国時代か?と思うくらいハンバーガーショップの開店ラッシュの目まぐるしさに、次来コザしたらどこのハンバーガーにチャレンジしようかと思うと同時に頭がくらくら。一方で『とんねるずのみなさんのおかげでした』で満島ひかりさんと満島真之介さんが紹介された巨大ハンバーガーが有名だった『レッドキッチン&カフェ』はいつの間にか閉業。跡地は別の店に。さらに、北中城村のライカム近辺にはなりますが、00年代のダイナー風な内装がおしゃれだった『バックボーンシティ』の閉業が2024年10月末に決まるという寂しいニュースが入りました。
開店ラッシュは旅人としては嬉しいものの、一番街のせんべろ酒場乱立とともに不安が過ぎります。さらに、ゲート通りや330号線沿いにラーメン店がやたら開店ラッシュしているのも嬉しい反面、〆のそばやステーキならぬ〆のラーメンなのか?とコザンチュたちの味覚の世代交代を個人的ながら感じます。
とにかく、ただ願うことは長く愛される店が増えますように。
好例としては2012年というコザ過度期にオープンしたものの、今では沖縄県内に13店舗を構えるチェーン店となった『麺屋Keijiro』があります。また、賛否両論では否が多かったものの、00年代初頭から中盤まで沖縄市が施行したチャレンジショップ企画からスタートし、多くのチャレンジショップが撤退する中ファンを増やし、今では開業から18年続くパルミラ通りにあるタイ料理店『ソムチャイ』のような繁盛店もあります。撤退する店舗も多いですが、希望の萌芽は以前に比べて格段に増えたと今年コザを散策して思いました。
どうか長く続く店が増え、それらの店が新しいコザアッチャー達にとって愛してやまない店となりますように。
かつて私がコザ食堂や19thHole Tacosに通い詰めたように。
老害仕種かもしれませんがひとりのコザアッチャーとして切に願うのです。
(文責・コサイミキ)
(写真提供・あいろむゆぅじ(敬称略))
http://www.ayirom-uji-2016.com/