”Social Mirai Design”「激変する時代の未来デザイン」(第3回)
今回の特別講座は、わたしごとJAPAN共同代表の矢口真紀さん。
地元にUターンしたあと、ちょっと田舎で小さく愉しい自立のかたちを提案するchoinaca(ちょいなか)を結成、『わたしたちの月3万円ビジネス』講座を通し、埼玉県を中心にこれまで175名の女子のしごとづくりをサポートされている方です。
とても興味深い取組みのお話を聞いて、自分に響いた点を5つにまとめてみました。
1)幸せになるとは、物質的に豊かになることなのか?
仕事でストレスを貯めて、その仕事で稼いだお金でそのストレスを発散させている…、この循環は一体何なのか?という矢口さんの気づきは「なるほど、たしかに」と共感できました。
収入を増やすためにたくさん働く→自分の楽しみの時間がなくなる→モノやコトを自分で創り出さず、お金で買うようになる→ますます支出増える、という悪循環にも陥ってしまいます。
アメリカの心理学者であるマーティン・セリグマンによると、人の幸せは「快楽・没頭・良好な人間関係・意味合い・達成」の5種類に区分できるそうです。
高度経済成長期、当時の世代は「快楽」「達成」に重きを置いて働いてきたと言われています。
でも今の世代は明らかに違います。
残りの3つ、「没頭」・「良好な人間関係」・「意味合い」を求めて仕事を探し、暮らしていきたいと感じている傾向にあるように思います。
(前にグラレコで書きました。https://note.com/gussan_t/n/n0ee5abb53124)
収入が多いことが幸せなのか?
経済成長を求めすぎていないか?(コロナはそれをストップさせた?)
どう働きたいのか?どう暮らしていきたいのか?
そんなことを考え直していく大きな転換点に立っているのかもしれません。
2)ゴールまで伴走し、続けていく。
マルシェをスタートした当初はほとんど誰も来なかったそうですが、何回も何年も続けているうちに徐々に人が集まるようになってきたといいます。やっぱり「続けること」の大切さが分かります。(分かっていてもなかなか続けられない…。)
「やったことなくても大丈夫だから出店して~。」と呼びかけるだけでなく、出店する自信がないという人たち向けに自ら「月3万円ビジネス」の講座を開催し、そのゴールをマルシェ出店に設定するというところまで自らデザインしてしまうところはすごいなぁと。
3)人はストーリーと失敗を応援する。
「月3万円ビジネス」の講座を受講したメンバーは、自然とコミュニティを形成していくことも多いそうです。その中で、仲間同士でお互いの商品やサービスを買い合ったりすると、コミュニティ内でお金が循環するのを身近に感じることができます。
「応援したいからつい買っちゃう。」という言葉もありましたが、商いをしているその人のストーリーを知っているからこそ、かつての失敗を知っているからこそ、そういう気持ちが沸き起こるのだと思います。
つまり、ストーリーや失敗をきっかけにファンが生まれるんですね。
4)地域のリソースを活かす。
商いをしようとすると、「仕入れの費用」をいかに低く抑えるかがポイントであることに気づくそうです。そこで目を付けるべきは「地域のリソース」です。
矢口さんがお父さんにポスティングを頼んだエピソードからも分かりますが、地域には「空間・人間・時間」という3つの“間”について活用の余地があるリソースがたくさんあると思います。
これらのリソースをいかに活かすかということは商いをする側のポイントでもあると同時に、「活用された側」にとっても役割を得ることができ、一石二鳥ではないでしょうか。
5)ワクワクに火をつける。
マルシェでは、お客様=神様ではなく、出店者が主役。運営側が存分に楽しんでしまおうという気持ちで開催されているそうです。
そもそも「自分が好きなこと」「ワクワクすること」をやろうというところからスタートしていますので、「商売が辛い」とか「おもしろくない」では意味がないんですね。
そうは言っても商いをする限り、まったくニーズがなければ売れません。
自分のワクワクを第一に考えつつ、まずは自分の身近なところの課題を見つけ、それを解消できないかということを考えていくそうです。ワクワクとニーズのバランスですね。
矢口さんは「みんなのワクワクに火をつける」という表現もされていて、それが勝手に広がっていくのは素晴らしいことです。
前回の山崎亮さんも言ってみえましたが、「自分がいなくなっても地域で回していけることが大事」という点で共通していると感じました。
火をつけたら、まずはやってみる!PDCAではなく、まずはやってみて→ふりかえって→改善して→またやってみる、という小さなサイクルを回し続けることが大事なんですね。