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経営のゲーム理論

ビジネスというゲームは、5つの要素で構成されるといわれています。
その5つとは、
プレイヤー(Player):協働によって価値を拡大させ、競争によって価値の配分を受ける参加者。
付加価値(Added Values):プレイヤーが創造する価値と、配分される価値。
競争ルール(Rules):勝者と敗者を決めるために設定された条件。
戦術(Tactics):プレイヤーの認識を惑わす行動や表現。
対象範囲(Scope):製品、サービス、顧客等の競争の対象範囲。
であり、企業が新たな事業戦略を立案しようとするとき、この5つの要素(PARTS)を変えることによって自社の競争優位を得ることができます。

普通紙複写機を市場に導入したゼロックスは、リース月額95ドルかつ2000枚までは無料というビジネスモデルで競争優位を築きましたが、これを5つの要素(PARTS)に分けると次のようになります。
プレイヤー:リース契約、ゼロックス
付加価値:コピーカウンターの数字
競争ルール:紙詰まりの解消、トナー補充などのサービス
戦術:月額95ドルかつ2000枚までは無料と安価であるような認識を顧客にさせること
対象範囲:官庁や大企業が占める独占的な市場

ところが、キャノンがトナー・カートリッジを搭載した小型複写機でこの市場に参入したとき、ゼロックスの競争優位はいっさいの効力を失いました。
キャノンのPARTSは次のとおり。
プレイヤー:販売業者としての事務機ディーラー、家電量販店
付加価値:消耗品のトナー・カートリッジからの収益
競争ルール:顧客による容易なサービス
戦術:本体を売り切りにして、さらに安価に見せる
対象範囲:個人事務所や一般家庭まで購入対象を広げる

キャノンは、PARTSを変える事業戦略を選択することにより、普通紙複写機市場で競争優位を獲得したといえます。
皆さんの商品やサービスについても、この5つの要素(PARTS)のどれかを変えてみることで新たな展開が期待できるかもしれません。

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