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意思決定力は消耗する。

仕事をしていく上で、生活をしていく上で、人は毎日無数の「意思決定」をしています。
どんな服を着ていこう、何を食べよう、ということから、仕事でリーダーやマネジャーのような役割にある人は、仕事における意思決定を求められることも多いはずです。

この「意思決定」ですが、使えば使うだけ消耗するという分析があります。2010年にイスラエルの研究チームが行った服役囚の仮釈放申請に対する裁判官の判断についての分析で分かったそうです。
10カ月間、1,000件の案件を調べた結果、1日のうち早い時間帯に行われた審査では、裁判官は全案件の約65%で仮釈放を許可していたのに対し、時間が進むにつれ許可する率は下がっていったそうです。
昼食の直後に一瞬65%に戻したものの、再び低下し始め、ついには0%になったといいます。
これは、意思決定を繰り返すほど、脳のエネルギーを消耗し、やがて判断ができなくなることを示しています。
リーダーやマネジャーの場合、スタッフから「どうしましょう?」と尋ねられても、「まあ、いいんじゃない。」という曖昧な回答になってしまったり、意思決定そのものができなくなってしまうこともあるかもしれません。

これを防ぐためには、一日の中で行う意思決定の数をできるだけ少なくすることが大切です。
スティーブ・ジョブズは、服を選ぶという意思決定を減らすために、いつも黒いタートルネックを着て、ニューバランスのスニーカーを履いていたのは有名な話です。
毎日の献立を考えるのが面倒であれば、家族が好きなレシピをローテーションさせる方法もあります。

このようにして、比較的どうでもいい意思決定の機会をなるべく減らすことによって、仕事における重要な意思決定の時に、脳のエネルギーを温存しておくことができるのだと思います。
毎日、あたりまえのように悩んでいるムダな意思決定を減らしてみるのもいいかもしれませんね。

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