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最強の「征服者」
今日は別のことを書こうと思っていたのだけれど、予定を変更。
note公式のおすすめから。
この手のテーマは、ぼくにはツボです。
ツボにはまって、書きたくなった。
書きたくなったら、書く ♬
「思わされている」ことを上掲のテキストでは「内面化」と呼んでいます。
その方がいいと学んでいるうちに、その行動が自然にできるようになり、そうしないといけないような気がしてしまう。このことを「内面化」と呼びます。
同じことを違った言い方もできるでしょう。
アドラー流でいうならば「ライフスタイル」。
「内面化」も「ライフスタイル」も中立的な言い方ですね。
ぼくは【呪縛】や【隷属】といったような負のバイアスがかかった言い方をすることが多いです。その理由は、そのほうがいいと学ぶことになる「いい」ですら「思わされている」ことが多いから。
内面化がさらに内面化を重ねる契機になって、内面化が深掘りされていく。こうなると【呪縛】や【隷属】と表現した方がふさわしい。
スピノザ曰く
人は救済と思い込んで
隷属を求めて闘う
スピノザがいう【救済】とは「「やりたい」と思わされていること」をやり遂げることです。
たとえ「思わされている」ことであっても達成できれば快感はある。この【快感】を「〈しあわせ〉の哲学」では【幸福】と呼んで、「やりたいことをやる」ことで得られる〈しあわせ〉と区別します。
「やりたいこと」は達成できなくても、ただ「やること」ができさえすれば快感が得られる。「やりたいこと」をやっていさえすれば〈しあわせ〉。
だれだって、子ども頃はそうだったはずです。
*****
〈しあわせ〉の哲学《第一のテーゼ》
ヒトは持てる能力を
精一杯発揮できることに悦びを感じる
*****
ちなみに、「やりたいこと」と「「やりたい」と思わされていること」の区別をすることを、アドラー流では「課題の分離」と言います。「自分の課題」と「他者の課題」の腑分けをキッチリすること。
「内面化」や「ライフスタイル」、あるいは【隷属】と呼ばれる現象は人間の主体性が奪われるものだということができます。
では、人間の主体性を奪う【主体】とは何か?
「虚構」が人間の主体性を奪う。
『サピエンス全史』が指摘するところを端的に言えば、です。
虚構には主体性は存在してません。が、表現としてはあたかも主体があるように書き表すことはできる。『サピエンス全史』では、そのような表現を採用して、その【主体】のことを「征服者」と呼んでいます。
そして、貨幣こそは最強の征服者だと言い、貨幣が最強の征服者であることを示す傍証を並べてくれています。
かつてキリスト教社会とイスラム教社会が激突した十字軍による戦いの折、どちらの社会の相手方の貨幣の価値は認めた。宗教は認めなくても貨幣は認めた。この事実をしてユアル・ノヴァ・ハラリ氏は、貨幣の方が神よりも征服者としては強力だと認定している。
現代社会に生きるぼくたちには、宗教の自由があります。いかなる神であれ、信仰するか否かは(表面的には)その者の自由意志に委ねられている。
言い替えれば、現代社会では、神からの【呪縛】から逃れることができる。宗教による征服、宗教の「内面化」から離脱することが現代の社会では推奨され、それが理性的なことだとされています。
では、貨幣からの自由、お金からの自由は認められているか?
お金を欲することは「自分の課題」なのか、それとも「他者の課題」なのか?
お金がなければ(社会の中で)生きていけないのは事実ではあります。が、だからといって、お金を欲することが「自分の課題」でなければならない言われはない。
そうでなくては生きていくことができないから、たとえ「他者の課題」であったとしても「自分の課題」と受け取らなければならないのだとすれば、それは「思わされている」ことに他なりません。
上掲のnote公式おすすめテキストを拝見して思ったこと、今回、書いてみたいと思う動機になったのは、現代社会の中で文化人類学者として生きている筆者は「最強の征服者」が強いる「内面化」から自由でいるのかどうか、ということ。
ベストな方法は、そうでない書き方の具体を示すこと、そうでない書き方をすると、どのくらい世界が面白くなるのかを、わかりやすく見せること
「書き方」を「生き方」に置き換えて、
そうでない生き方をすると、どのくらい世界が面白くなるのかを、わかりやすく見せてみたい
実は、これこそがぼくがやってみたいことだったります。ハードルが高すぎて、やってみたいというだけでも「おいおい、大丈夫か?」と自答したくなるような課題ですけれども...。
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