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★3 爪の垢を煎じて飲む

あの人の爪の垢を煎じて飲ませたいとか、言ってる人がよくいた。
爪の垢飲むとか汚いだろとか思うけど、一旦そこには引っかからないで真面目に考えてみる。

そもそも「爪の垢を煎じて飲む」の意味は
すぐれた人の爪の垢をもらって、その人にあやかるの意。らしい。コトバンク参照。

もし本当に爪の垢を煎じたものが飲みたいという人がいた場合、それはビジネスになるのかも。
コーヒーのようなドリップで念入りに抽出してもいいし、
タピオカみたいにいろんなバリエーションを増やしてインスタ映えを狙ってもいい。
爪の垢の種類も増やして、プロスポーツ選手の爪の垢とか、医者、弁護士、中にはお笑い芸人とか総理大臣とかにも協力してもらって、色んな人の爪の垢を売り出してもいい。
自分を有名にして、自分の爪の垢だけで勝負したっていいかもしれない。

自分の爪の垢だけで売り出して、もし大ヒットしたときは、爪の垢が足りなくなるかもしれない。そうなったらどっかから爪の垢を買ってきて、一度自分の爪に詰め込んで、それを自分の爪の垢だと言うことにして売り出すかもしれない。それが問題になり、法律が決められ、きっと国産牛の定め方のように、国産爪の垢の定め方みたいなのが出来るかもしれない。

しかし、こんな可能性もあるのではないだろうか。
もし、爪の垢を煎じて飲むと本当にその人に近づくとしたら、そしてもし、これがビジネスになり大ヒットしてしまったら、みんな同じ思考に近づいていく。そしてみんな全く同じ思考になってしまうのではないだろうか。同じ思考になればみんなまた自分の爪の垢を売り出し、またいろんな人が飲む。また同じ思考の人が増える。そしてお互いがお互いの煎じた爪の垢を飲んだ時にはもう、全く同じ人がその場に誕生してしまうのかもしれない。そうなるとこの地球を救ってくれるのは爪の垢を煎じて飲まなかったものたちしかいないだろう。しかし、爪の垢を飲んだ者たちの思考は、基本だいぶ賢い思考に行きついているはずだ。
(爪の垢を飲んでる時点で賢くないのか?いや、実際に効果が出てそれがメリットになるなら賢い人も飲むのか。)

その賢い思考の人々はこの状況になったらどのような判断をくだすのだろうか。

爪の垢を煎じて飲んでない人たちを優遇して、また思考の多様化を目指すのだろうか。
いや、全員自分と同じ考えになればいいと考えている者の爪の垢が混ざっていた場合、煎じて飲んでない人を劣等者を見る目で蔑み、迫害し出すかもしれない。そしてどんどん、爪の垢を煎じて飲んでいない人類はいなくなり、地球は同じ思考のものだけの星となり、全人類が1つとなる。そして、全てのものに感謝し、至高の幸せが全人類に降り注ぐのだろう。それが今の全人類の目標なのだから。
しかし、それ以降はどうだろう。物事に物珍しさがなくなるのではないだろうか。目指すべき目標もなくなるのではないだろうか。そして、人類は生きる意味を見いだせなくなり、絶望し、その結果、人類は滅びゆくことになってしまうだろう。

そんな怖い将来は来て欲しくない。

そう願い、私は今日も爪の垢を綺麗に洗う。

P.S.★2の画像の意味
鎌倉のある場所。
駐車場前にある、ごみ収集車が回収するようなゴミ箱に対しての警告文。そう言えばあのゴミ箱って誰のどう言った責任で置かれてるんだろうね。


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