怒る人形と仮面を見て

近未来さんと大坪奈古さんの二人展に伺った。銀座柴田悦子画廊に初訪問。新型コロナウイルスの影響下、サッと行ってなるべくお話しせずサッと帰る、をやった。ご近所でやってくださったありがたみと、それに、どうにもならない無力感の中で、どうしてもどうしても綺麗なものが見たかった。すごく良かったので、以下に近未来さんのTwitter(近未来kinmirai⛅人形作家 AR.3Dに詳しい方と繋がりたい (@pygmalion39) )から引用させていただく。

I angry with you
コロナ騒ぎがいよいよ大きくなり、山から降りられなくなり、展示がとび始めた。
大きなものを作ろう、と自然と思いました。
彼女は、怒っています。
初めての怒りに呆然とする。
なにがおきているの
わたしはなにをしてるの
わたしはなにをされているの

これが添えられているのは大きな、豚の足をした女の子のお人形で。その大きな頭にわけのわからなさと哀しさが詰まってるみたいだった。頭が膨れていく、個人的な感覚と一致した。


近未来さんは人形作家さんなのだと思うけど、能面を思わせるお面も展示されていた。「小面」アラミタマ、と題されたそれは、鑑賞でなく被ってみたい、わたしはこの子になりたいと思うものだった。青系のいろんな色をたたえた瞳。

お人形になりたい、とこの時点で半年ほど思っていた。ぬこパンさんのドール 面について調べたり、むに面のデッドストックを購入してみたり(溶剤の匂いが家族に嫌がられたので手放さざるを得なかった)、ラドールという粘土で練り上げようとしてみたり(粉塵がでるのでベランダでしか作業できず、さらには引っ越しが決まって犬を飼うので家の中で作業ができなくなった)していたのだけど挫折していて。でもやっぱりなんとか、お人形になりたいなと思った。


ここまでは2020年の展示の感想で、ずっと下書きに入っていたもの。2021年の晩夏になってやっとこさ作業を再開した。少し体調を崩していたのが夏を経てやっと盛り返してきたこと(本当に梅雨が無理です台風も無理だけど)、そしてコロナがらみで引っ越しが延期され、在宅勤務となり、なんやかんやで無理矢理部屋をパーテーションで仕切って自分のスペースを作ることができたから。机以外は身動きも取れずしばしばコードで転ぶような場所ではあるけれど、作業できるのは素晴らしいこと。コロナ収束までになんとかしてお人形になれたらいいなと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?