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「ポケモンカードゲーム コンプライアンスゼミ発表会」を行いました

はじめに

2025年1月25日(土)のやや肌寒い晴れた空の下、東京都内の某所にて「ポケモンカードゲーム コンプライアンスゼミ発表会」が行われました。

イベント概要
「ポケモンカードゲーム コンプライアンスゼミ発表会 Supported by MIXI」
日時 2025年1月25日(土)11:00~17:45(懇親会 18:00~20:00)
会場 株式会社MIXI
発表者 7名
参加者 23名

そもそも「ポケカコンプライアンスゼミ」ってなあに?

「ポケカコンプライアンスゼミ」とは、「ポケモンカード」と「法律」にまつわる問題について調査・議論を行い、発表を行う団体です。
主催(教官)はやさいさん、ゼミ長はぐるまんです。

始まりはさかのぼること1年前…
2024年3月9日(土)に開催された「第4回 ふしぎなアメ杯」でのことでした。
※「ふしぎなアメ杯」とは、やさいさんとぐるまんの共同主催で1年に1度だけ開催される、2進化ポケモン限定構築のポケモンカードの大会のことです

大会終了後、参加者として来てくださったワンさんより、「自分がイベントを開くときに賭博罪や景品表示法を気にする必要があるのかどうかを知りたい」というご相談をいただきました。
法律についてちょっと詳しいやさいさんと、コンテンツとしての法律を日頃たのしんでいるぐるまんでなにかできないものか?ということでそのご相談に応じました。ただ、やさいさんが一方的にしゃべるだけだとおもしろくないので、「それならワンさんに『クリーンな自主大会を開くには』というテーマで調べてもらい、それをワンさん自身が発表したらよいのでは?」という会話がきっかけで「ポケカコンプライアンスゼミ」がふんわりと発足しました。

その後、2024年7月にゼミ生の募集と、発表会を10月に行う旨が告知されました。ゼミ生として7名の方が手を挙げてくださいました。


発表会に向けて準備したこと

ゼミ生はそれぞれ、
①テーマの設定
②なぜそのテーマにしたのか(背景・問題意識)
③関係のありそうな法律の調査
④どのように発表していくか(全体の展開)

の4つについて考えたり調べたりしたものをまとめ、教官のやさいさんに送ってフィードバックをいただきました。厳しいフィードバックを踏まえてテーマの軌道修正をしたり、関連する裁判例や法律の条文にあたったりとそれぞれが真剣に奮闘していました。
私はポケモンカードも法律も好きすぎるゆえにテーマ設定に悩みました。他のゼミ生がなんらかのガイドラインを示すような発表になることが予想されていたので、「デッキレシピはだれのものか」という抽象的な問いを立てて、大学のオープンキャンパスのような発表をすることに決めました。

しかしいろいろありまして発表会が延期となり、ゼミ生2名の予定が合わず欠席となりました。

発表会当日の様子

当日の発表順は下記のとおりです。

開会式 担当:やさいさん
①「徹底解説!ポケモンカードの著作物性」担当:やさいさん
「ポケモンカード」は著作物なのか?という問いについて、ポケモンカードの要素を分解しながら解説してくださいました。
②「自作サプライと著作権~大会景品にポケモンを書いたサプライは使用できるか~」担当:灯台元暮さん
権利侵害品にまつわる実際に起きた事件を紹介しつつ、著作権法とのかかわりを解説してくださいました。
③「デッキレシピはだれのものか」担当:ぐるまん
デッキレシピの定義づけや事例問題を踏まえつつ、法解釈のたのしさと味わい深さを紹介しました。
④「自主大会における音楽著作物の取り扱いについて~イベントでサントラを使いたい人のための初めてガイド~」担当:puiさん
音楽にまつわる著作権を紹介しつつ、ポケモンの音楽関連の利用規約を解説してくださいました。
~お昼休み~
⑤「新人オーガナイザーのための『大会開催、ここに注意』」担当:ワンさん
刑法(賭博罪)や景品表示法がどのような法律なのかを解説しつつ、自主大会における具体的な事例を解釈・解説してくださいました。
⑥「イベント告知のための知的財産運用ガイドライン」担当:なにものかさん
「イベント告知」の要素(イベント名、使用する画像等)を分解しつつ、告知をする際に気をつけるべき点を解説してくださいました。
⑦「STOP!レプリカカード!~フリマサイトの偽造ポケカはなぜ消えないのか~」担当:トイさん
明らかにダメそうな「レプリカカード」がなぜなくならないのかについて、たいあたりで行動した成果を発表してくださいました。
⑧「カードショップと景品表示法~福袋から買取表まで~」担当:やさいさん
Xで告知されたカードショップの福袋販売のお知らせやカードの買取表について、どのような表示が問題になるのかを解説してくださいました。
閉会式 担当:やさいさん

どの発表もすばらしいものとなりました。
事例についても基本の考え方である
①要件の定立(なにをしたら成立するのか)
②定義づけ(そもそもそれがなんなのか)
③あてはめ(実際にあてはめたらどうなるか)

がよくなされていました。

当日は23名の方が参加者として発表を聞きに来てくださいました。
だいぶ時間を押して始まってしまったので、質疑応答の時間が非常に少なくなってしまったことが悔やまれます(発表後に個別でお話しされている方が多かったので、疑問の解消にはなれていたかなという印象です)。

発表した感想としましては、聞き手の皆様がうなずいたりメモをとったりされていてとてもやりやすかったです。
発表の入れ替えの時間で参加者どうし自然と議論がなされていたのもとてもいい光景だなと思ってニコニコして見ていました。

今回のゼミ発表会をとおして、毎週あれこれ調べては考え、原稿をまとめていた学部生時代の気持ちを取り戻しました。ポケモンカードと法律が結びつくなんて当時は思ってもみませんでしたので、ポケモンカードや法律を追いかけることを辞めずに続けているといいこともあるものだなぁと感慨深くなりました。
おとなが本気を出して行うプレゼンテーションは本当におもしろいので、またなんらかのお話ができる機会があればいいなと考えています。
合いの手やガヤをご担当いただき、会場を盛り上げてくださった参加者の皆様にも御礼申し上げます。


今後の展望

今回の発表会での発表内容につきましては、原則としてインターネット上に載せることはいたしません。発表者本人の意思により公開される場合もありますが、「公開する予定はありますか?」等の発表者への個別のお問い合わせはご遠慮ください。
私の発表についても、公開しても人間社会にとって意義のあるものなのか極めて疑問なので、公開する予定はありません。

今後もゼミ生一同はポケモンカードと法律にまつわる事象について関心を持ち続けてまいります。
ともに歩んできたゼミ生の皆様と教官のやさいさんに改めて御礼申し上げます。ありがとうございました!

それと、近隣の商業施設が軒並み朝11時開店のところ、朝10時からお店を開けてくださっている某商業施設のお弁当屋さん(各種)にも感謝申し上げます。段取りどおりに進められて本当に助かりました。
お弁当もおいしかったです!また買いに行きます!
また、お弁当買い出し係兼あれこれ調整係兼受付係兼タイムスケジュール作成係兼タイムキーパーの「ハイパー雑務」こと、夫のもけもけにも心より感謝します。

参考図書

トゲキッスちゃん、行政のキャラクターにしか見えない

いくつかおすすめの参考図書をご紹介して本記事を締めます。


①「悪文 伝わる文章の作法」岩淵悦太郎編著、角川ソフィア文庫、2016年

私はこちらの方がなじみがあります(日本評論社の物)

大学に入ってすぐ、大学生協の書籍コーナーに面陳されていたので買って読みました。「読みづらい文章=悪文」はなぜ読みづらいのか?という観点で書かれており、たくさんの悪文に触れることができます。「自分ならこう書くなあ」と実際に紙に書きながら読んでいくと、文章を書く力がよく身につきます。
文庫本の方は昨年12月のシティリーグ(シーズン2)に参加したときに、会場のTSUTAYA津田沼店さんで見つけて、「うわー!懐かしいー!」と思って衝動買いしました。

②「判例の読み方」青木人志著、有斐閣(ゆうひかく)、2017年
とてもゆるい雰囲気の本ですが、とても役に立ちます。
①で紹介した「悪文」では、裁判の判決文は「悪文のチャンピオン」と言われています。そのくらい、判決文は読みづらいのです。
判例(最高裁判所で判断されたもの)や裁判例(高等裁判所や地方裁判所で判断されたもの)をどのように読んで解釈していったらいいのかをやさしく手ほどきしてくれる良著です。
姉妹品で「条文の読み方」もあります。

③「有斐閣ストゥディア 知的財産法Ⅱ 著作権法」駒田泰土、潮海久雄、山根崇邦著、有斐閣、2016年
私は学部3年の集中講義(冬休みにまとめて授業を行う仕組み)で「知的財産法」の授業を聞いたきりだったので(事例問題たっぷりでとてもおもしろい講義でした)、著作権法について改めてテキストで勉強することにしました。シンプルでわかりやすくまとまっているので、初学者の方にとてもおすすめです。このシリーズ、学部生時代に欲しかった!

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
ぐるまん


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