ROCK READING『幸福王子』感想


初めてなものでお手柔らかにお願い致します。


今回ROCK READING『幸福王子』を観劇させていただきました。想像以上のバカでか感情を抱いてしまったため昇華として書いてます。なんならこれを書くためだけにnote登録しました。使い方がいまいちわかりません。


思うがままに指を動かしているので順番や日本語がおかしいところ、読みにくいところは多々あると思います。悪しからず。

まずは全公演お疲れさまでした。大千秋楽まで何事もなく走り抜けることができてよかった。いつかのレポで克樹くんが「前の舞台がコロナで途中で終わってしまって…」云々の話をしていたそうで。誰一人欠けることなく幕が降ろせて本当によかった。本当におめでとうお疲れさまでした。


私は11/5の京都公演に入らせていただきました。席は前から6列目の下手側通路横。贅沢すぎる。ちょこちょこレポで見ていましたが、まず会場に入って舞台を見て驚いた。舞台の中心に台の上に乗った黒マネキンが仁王立ちしている。そのマネキンは黄金のジャケットときらびやかな王冠のみを身につけてました。パッと見もう誰かが舞台に立ってるのかと思ってめちゃくちゃ焦りました。(なんなら始まるまで待ってる間に3回くらい同じことした)
それと水。大量のペットボトル水たち。あれだけの台詞があればそりゃ飲みますよね。1回克樹くんが下手に歩いてたときこんぴの水落としちゃって、下手に返ってきたこんぴがさりげなく歌いながら拾っていました。そんなちょっとしたアクシデントじゃ動じないよってか!好きです!(基本的に立ち位置はこんぴが下手側で克樹くんがセンターよりの上手側でした)


私はROCK READINGはおろか朗読劇を見るのも初めてだったのですが、バンドも好きでミュージカルも好きな私にとってこの手のエンターテイメントが嫌いなわけがないんです。めちゃくちゃ好きです。ハマります。演者と音楽と照明とがバチバチに合わさって紡ぎだされる物語。特にドラムやベースの重低音は生ならではの迫力で感動します。あの体全体を使って感じる音が、「あぁ、今私は音楽を聞いている」と感じさせてくれると思うんです。生じゃないと感じられないものってやっぱりあります。それとゼロサムの照明がめちゃくちゃ印象的でした。迫力のある音楽と紅白の照明が合わさってゼロサムのプラスとマイナスの部分を効果的に表現していたように感じます。背景というか舞台のセットが変化しないぶん照明が雰囲気を作ってくれてました。


衣装や髪型はアイランドTVやパンフレットを見て知っていましたが、それでも実際目の当たりにすると圧倒されました。こんぴも克樹くんも動くたびにアイシャドウのラメがキラキラしていてとても綺麗。基本的に台本読みながらなので下を向いている時間もあったんですけど、その時間さえも美しくて見惚れます。アイランドTVで克樹くんが「あれは俺じゃない」といっていた意味が見終わってよくわかりました。観劇後原作を購入ましたが、王子の性格はだいぶ違ってるんですね。だからこその最初と最後の台詞なんでしょうか。物語の雰囲気ごとガラッと変わりますが、バンドと組合わさることによって迫力が増しているように思います。


ツバメがくるくる回っているときに片方の口角を上げていた表情がとっっっても好きです。所々で二人が目を合わせて歌ってるのが可愛かった。小さい、小さくないの掛け合いとかも王子とツバメなんだけど、克樹くんとこんぴであることに意味を感じた場面でした。

ツバメのバラとの会話もよかった~~~特に最初の恋したてのときのツバメの声。愛おしそうにバラに話しかけるあの柔らかい感じの声はとっても素敵でした。そこがあったからこそその後のバラに飽きたときの冷たさが際立っていたんじゃないでしょうか。あの声で「あなたのこと好きになってもいい?」なんて台詞言われた日には1日中貴方のことしか考えられなくなります。世の女性は骨抜きです。

ツバメが眠るときの曲、こんぴのソロの曲は今でもメロディーが頭のなかを流れてきます。もともと高くて透き通るようなこんぴの声で歌われるあの曲は心地よすぎて一生聞いていたかったです。本当に私はこんぴに子守唄歌ってほしいと言い続けている女なので解釈が一致しすぎて心臓がヒュッてなりました。


目のくだりは左右の2回ともに泣きました。ほぼおんなじやり取りなんですけどね。目をとってほしいと切実に、寂しそうに、小さく、消え入るような声で頼む王子と、王子を思い1度は取れないと断るツバメ。最終的にツバメは両目とも持っていきますが、そこまでの二人のやり取りにおいてどれだけの感情がつまっていたのか、考えるだけで涙が溢れました。


最後の「馬鹿かお前らは」という台詞。克樹くんの声量と王子の感情とが合致して心臓までビリビリきました。鳥肌とはまた違うなにか。幸福な王子様の話自体は昔童話で読んだくらいでぼんやりしか覚えてなかったのでハッピーエンドなのかとばかり。どこへいっても醜い行為を働く生き物がいるという事実のなかで王子の鉛の心臓とつばめの亡骸は尊いものとして際立っていたように思います。原作にはこの台詞がないんです。最後は神様の台詞で終わり。これは王子の性格が原作と違うからこそ出る台詞であって、この舞台ならではの、この舞台の主軸にあるような台詞なのではないでしょうか。つばめが亡くなる場面からなんとなくスンスン鼻をすするような音が聞こえていて、そして最後の最後の王子の悔しさ悲しさ虚しさの混じった叫び声とともに流れた本物の涙は本当に綺麗で素敵で目に焼き付いています。最後にマネキンの王冠をとって肩に頭のせて寄りかかって泣いてる演出を考えたのはどなたでしょうか?金一封を差し上げたい。


最初から最後まで胸が締め付けられるような舞台でした。もちろん良い意味で。感情が揺さぶられるという表現がぴったり。1度しか見ることができなかったのがめっっっっちゃくちゃ悔しいです。なんで次の日授業だったんだろうか、時間があるのならば一泊して次の日の当日券でもう一回入りたかった。本当に円盤にしていただきたい。本当に。


しぬこさん(@shinukosan)の婚活視点的観劇というレポ(たまごひめさんのイラスト含めとても素敵なので是非読んでいただきたい)を読ませていただいて『幸福王子』っていう題名について私も考えました。たしかに世間一般では『幸福な王子』とか『しあわせの王子』とかで通っていると思うんです。なぜ『幸福王子』なのか。結局王子は幸福だったのでしょうか?何も知らない宮殿のなかで暮らしていた裕福な人間としては幸福だった。銅像としては?人間の本性や醜い現実を前にして何も出来なかった。しかしツバメが王子のもとへ飛んできたことによって少しでも手をさしのべることができた。劇中の王子の言葉を借りるなら「王子が正しいと思ったことをした」。することができた。この時点で王子は幸福だったのでしょうか?それでも前述したように最後の台詞を聞いた上で彼は幸福だったと言い切れるのでしょうか?うーーーん、深い、。


最初の最初の歌で感極まって泣きそうになったけどそこはなんとか耐えました。隣の人に引かれたら嫌だし。さっきも書いたけど目のくだりは2回とも泣いきましたよ。やっぱり克樹くんの声色が決め手だったように思います。そのままずっと涙ぐんでて、今度はツバメが亡くなるシーンでまた泣きます。「エジプトでゆっくりはねを休めるといい」「わかってるんだろ、行き先はエジプトじゃないよ」ここの王子の死という言葉を出さないところが素敵。二人ともが思い合っているんだろうなと感じられる場面です。わかってたんだろうけどね。あとこれはレポで歌詞を見て気づいたんですがこの場面での「死は眠りの兄弟」というツバメの言葉は、眠りにつくときの曲のなかででてきた「死んじゃったのかな」というフレーズと繋がっていたんですね。伏線回収。そこから最後の天国での話までずっと泣きっぱなし。本当にすすり泣く声を抑えるのにいっぱいいっぱいで、一人なら嗚咽してた。開演前にハンカチ出しといてよかった~~~ごめんなさいね隣の人どうも涙止まらなくて。


今回の舞台でやっぱり生のすごさを感じました。生ってすごい。音楽ってすごい。迫力が違う。こうなると是非7MEN侍の単独ライブに行きたいですね。生演奏、生歌が聞きたい。7MEN侍としての二人も見たい。いつになるかはわかりませんが絶対に。まずはアイランドフェス。めちゃくちゃ楽しみにしています。(HiHiちゃんも掛け持ちしてる身としてはほんとに楽しみすぎてそわそわそわそわ)


ほぼ現場は1年ぶりでした。正確には11ヶ月ぶり。コロナ渦で何回か舞台当たったけど結局行けなくてやっといけた舞台。席といい本当に天才的な引きを発揮した名義ありがとう。京都ついてすぐコインロッカー壊れて管理人さん?呼ぶはめになるわ、体調悪いわで大変だったけどもうほんと何でもいいです。舞台が素晴らしかったから。全部全部許します。

『幸福王子』は今まで見てきた舞台、ライブとは別物だと感じていて、忘れたくないというか、一生忘れてはいけないと思っています。忘れていいものなかんかないですけど。ファンとしてというよりも、生きていく上で、人間として、忘れてはいけない。この舞台を見て、自分で考えて、この言語化できない感情を持ったという事実と一生付き合っていくべきだと思っています。

さて、この辺で終わりとさせていただきます。ちなみにこれを書き終わってカウントしてみたところ4000字を越えていることが発覚いたしました。レポートでもまだそんな量書いたことないのに。ここまで読んでくれた方はどれくらいいるのかわかりませんが皆様に

「幸福王子」の素晴らしさ、私がどれだけ「幸福王子」という作品に心酔しているのか

が伝わっていれば幸いでございます。長々と私の昇華にお付き合いいただきありがとうございました。