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予備試験口述に向けて その①

お久しぶりです。司法陣グルグルです。投稿すると言いつつなかなか時間がなくこんなに遅くなってしまいました。ローの期末試験関連については合格発表後に色々投稿する予定です。

いよいよ予備試験論文の合格発表まで5日となりましたね。そこで口述式試験の準備、私がとった対策やアドバイスについてまとめたいと思います。

まずはじめに、論文試験の合格発表から口述試験までは、約2週間しかありません。その短い時間の中で口述対策をしていかなければならないので、受験生としては急いで“絶対に落ちないための”学習をする必要があります。そのため、論文試験に合格した場合、すぐに周りの予備試験合格者等に聞くなり過去問をざっと見るなりして、すぐに口述試験ではどのような分野から出題がなされ、どのくらい細かいところまで問われ得るかを把握しましょう(以下2で詳説)。その上で、いつ模試等の実践の機会を入れるかを考え、効率よく対策をして万全の状態で本番に臨めるようにしましょう(以下1で詳説)。

1.合格発表当日→すぐに合格発表を確認する

1月14日の16時になったら直ちに法務省の合格発表を確認しましょう。合格していた場合、各予備校に口述模試の申し込みをしましょう。

特に今年は対象を絞っているようですので、abc日記のこの↓記事

(http://abc-sakana.com/archives/24762982.html)をぜひ参照してください。※最新情報は各予備校のHPに直接アクセスしてください。

申し込みの優先順位としては、伊藤塾が一番枠が多いので、例年であれば、辰巳→LECor資格スクエア→伊藤塾の順で少なくとも複数申し込む人が多いです。申し込みは先着なので、ここで遅れないことが大事です。

そして、模試を入れる時期ですが、“聞かれたことに対してどれほど言葉を出せるか”ということが大事な口述試験の対策として、「自分がどれほど話せるか」を早めに確認することが重要です(特に、話すことに自信がない人)。そのため、受験生は、“そもそも自分がどれほど話せるか”を試すために合格後から1週間以内には実戦の場(模試等)を設けた方が良いです。

模試を複数回受けていれば、かなり慣れると思うので、対策2~3日の一つ目の模試でうちのめされて焦り、対策終盤の模試で自信を得るというのが理想形です。そのため、二つ模試を受ける場合は連日にならないのが望ましいでしょう。

残念ながら不合格だった方も、順位に応じて伊藤塾などでは割引があります。詳細は特別奨学生に申し込まれた方向けにメールが届く(届いている)はずなので、そちらを確認してください。また、次の予備試験の出願も3月初旬に迫っているためそちらの用意もお忘れなく。

2.伊藤塾から過去問再現集をもらう

伊藤塾は例年、過去問再現集を模試受験者に配布しています。しかし模試当日までこれがもらえないのは不利です。私や友人は昨年、模試の前に校舎に直接取りに伺いました。もっとも、今年はそれが厳しい情勢なので、電話で伊藤塾に問い合わせるべきだと思います。再現集があるのとないのでは過去問を通じた口述対策の進度が全く違うのでできるだけ早く入手することをお勧めします。辰巳のハンドブックをお持ちの方はそれに過去問が載っているので、何もない人よりかは安心して対策できると思います。

3.対策の概略

ご存じの通り、試験科目は民事と刑事です。基本的には予備論文の実務基礎の延長と考えてもらって構いません。ただし、法曹倫理がよく聞かれること、刑事実体法の理解がかなり深く聞かれることなどが特徴的です。

⑴民事

民事の出題分野は、大別して、➀要件事実論、➁訴訟上の手続き的問題(証拠収集方法等も含む)、③民事執行・保全論に分けられます。

①要件事実については、即答できるレベルまでに仕上げましょう。具体的には、訴訟物、請求の趣旨、各訴訟物や抗弁の要件事実の理解、要件事実の指摘方法(言い回し)をマスターしましょう。昨年、基礎マスターで網羅していない範囲が出題されたことから、『完全講義 民事裁判実務の基礎』(いわゆる大島本(上巻))がほぼ必須になったと考えてよいでしょう。

➁訴訟上の手続き的問題については、論文の学習では意識していないことや実務チックなことが聞かれ得るので、受験生としては難しいところです。突き詰めるときりがないですが、民訴法上の論点・知識(管轄・弁論準備・書証・訴えの提起と取り下げ)などは、事前に準備可能なため、可能な限り復習しておきましょう。

③民事執行・保全論については、論文試験で求められるよりも細かい知識まで要求されます。そのため、過去問をチェックして、執行・保全についてどの程度の範囲・深さの出題がされるかをまずは把握し、過去問既出の知識を蓄えておくのが良いでしょう。ただし、出題の絶対量は決して多くないので深入りは禁物です。私見ですが、辰巳のハンドブックを一通り押さえておけば足りると思います。

⑵刑事

刑事の出題は、大別して、➀刑法(総論・各論)の理解、➁刑事訴訟手続の理解です。

①刑法の理解では、主査が読んだ事例について、その罪責を受験生が検討するという流れで試験が行われます。これについては、犯罪の構成要件を答える+あてはめという流れが基本であり、その中でいわゆる論点が出てくることが多い(この論点の処理を受験生が自説に基づき説明させられる)です。対策としては、これまで刑法の学習で覚えてきた論証を復習し、確実に口述できるようにしましょう。また、頻出の犯罪(財産犯等)の構成要件を即答できるレベルに仕上げましょう(ex 窃盗罪:「他人の財物を窃取したこと、故意、不法領得の意思」という感じ)。おすすめは『基本刑法』(日本評論社、大塚ほか)、特に各論です。短文事例は口述そっくりなので学説別にあてはめができるようになるといいでしょう。

②刑事訴訟手続の理解については、民事訴訟上の手続問題と同様、論文ではあまり意識してこなかったことが問われ得ます。特に手続系の問題では細かい知識も聞かれるので、充実した対策を行う必要があります。
対策として、手続系の知識は、刑事実務科目の参考書を用いて行うのが良いでしょう(手続きの流れを意識しながら知識を詰めていきたい)。教材の例としては、『ハンドブック 刑事実務基礎』(辰巳の“青本”。)や『刑事実務基礎の定石』(伊藤塾、山本)を使っている人が非常に多いです。他には、ロースクールの教材としても有名な『プロシーディング刑事裁判』(通称プロ刑)があります。
また、実務チックな問題の対策としては、過去問をチェックしておいて、答え方の要領を把握したり、過去問既出の知識を蓄えることがよいでしょう。

以上が口述対策の概略です。その②では、当日の様子、宿泊施設や周辺情報の話をまとめたいと思います。

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