連載小説「いつもの私の完成だ。」安達健太郎×えのもとぐりむ
注意※この作品はエロ・暴力描写がございます。そのような表現が苦手な方と、15歳未満の方が読むと刺激が強いかもしれません。尚、そのような方が事故的にこの小説を読んでしまわぬよう、殆どを有料で公開致します。ご了承くださいませ。
第1話「私」えのもとぐりむ
私にとって、信じる、と、疑う、はお隣さんだった。
いつものように彼の腕枕は心地よかった。厚い胸板に頬を埋め、彼の体に巻き付いている。私の体には吸盤があるのかもしれない。蛸か。目の前にある筋の立った首に唇を押し当て、皮を摘むように吸った。彼は少しも動かず静かに眠っている。舌先で僅かに血の味を感じて吸うのをやめた。私の唾液と彼の汗の匂いが混じってしまって後悔した。まだ物足りない気持ちでいるのはこっちだけか。足元のシーツが濡れているのは私のせいだ。これが乾くまではボゾボゾと下半身を燻るさせて収まりどころを探すのだろう。この人はいつまで
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