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徳田秋聲記念館(石川県金沢市)

行きやすさ  ★★★★★
マニアック度 ★★★★
営業時間   9:30~17:00
定休日    火曜

金沢の観光地の代名詞ひがし茶屋街エリアにひっそり佇む金沢三文豪のひとり徳田秋聲の記念館です。

文アルの民には「秋声くん」や「記念館さん」でおなじみ。
このぬいぐるみ本当にかわいいですね(欲望に任せて作ったひらべったい島田くんが写ってますけどご容赦ください)

そんなメジャー観光地でありながらバスでの行き方は実は初見殺し…
簡単に案内するなら観光周遊バス「橋場町」停留所下車。
ですが実は周遊バスで「橋場町」と名の付く停留所は「橋場町(ひがし・主計町茶屋街)」と「橋場町(金城樓向い)」の2つあり、更にLL左回りルートバスだと「橋場町(ひがし・主計町茶屋街)の停留所は止まらないという罠。

秋聲記念館が近いのは「橋場町(ひがし・主計町茶屋街)」の方ですので方向音痴の自覚がある人や歩くのが難しい時はRL右回りルートのバスに乗りましょう
ちなみに橋場町(金城樓前)は鏡花記念館の最寄り停留所。車内アナウンスでも案内が流れますのでどっちだかよくわからなくなった場合は耳をすまして聴いておきましょう。

記念館の公式サイトでそれはもう丁寧にご案内してくれております。
バス停を降りたら川沿いの道(秋聲のみち)を流れに逆らう方向で進めばOK。対岸の「鏡花のみち」からも画像の梅ノ橋を渡って行くことができます。

しかしなぜに島清の聖地ガイドに秋聲記念館?といわれれば、

館内年表に裁判の件で秋聲が奔走したとして島清の名前があるから

限界オタクはそこに名前があれば聖地認定です。なので島清マニアック度という意味で★多め。
それは少しだけ冗談ですが、秋聲は裁判だけでなく島清に仕事の斡旋をしてくれたり結婚披露宴や洋行の送別会の幹事をしてくれたり、お出かけにもちょこちょこ島清を連れて行っていたり公私で散々お世話になっている恩人。
更に記念館の館長をされていた故小林輝冶先生は島清研究の第一人者。
館長時代の2009年には生誕110年記念と称して秋聲記念館で島清単独の企画展も開催され、記念館さんの過去の企画展ページで当時のチラシを見ることができます。( )
小林先生は入院後の島清の原稿を翻刻したり島清=狂人のレッテルを覆すことに尽力された第二の恩人…調べてみれば「天才と狂人の間」の杉森久英に島清の幻の「日記」を貸したのも小林先生だとか。
(それなのに生前ついに返却がなかったはおろか以後杉森先生の遺品からも見つからず未だ島清の「日記」は行方不明…いやもう本当にありえないんですけどーー!?)

現在も記念館公式ブログに島清の名前やエピソードをあげてくださったり企画展展示の一部に選抜してくれたり、このマガジン内記事でも散々公式サイトから引用させていただいていることからも今も昔もおんぶにだっこ!!な存在。
別件で島清好きだと学芸員さんに伝えた際、秋聲の遺品の中に島清からの手紙があってもよさそうなので注視してはいるんですけど未だ見つかってないんですよとお話いただいたりもしました。発見されてもされなくても(もちろん発見された方が嬉しいですが)気にかけていただいていたという事実でもう泣きそう。筆者が最も信頼を抱いている施設関係者皆々様であります。

ちなみに残りの三文豪と島清の関係はというと、鏡花さんは地元作家との付き合いがそもそも薄いので直接の接点なし。島清は鏡花作品の舞台を見たり読んだものとして『修善寺あたりを舞台にした作品』をあげています。入院中に書いた作品「金剛舞台」では幸田露伴と泉鏡花は能や狂言にくわしいとして名前をあげてもいます。
一方、犀星さんは島清の傲岸な態度に腹を立て、割としっかり嫌っていることが「佐藤春夫のあれこれ」という随筆の中でわかります。
年輩でもある犀星さんに当時は失礼な態度をとっていた島清ですが入院中に書かれた読書記録に『目ざましい進境を示して突進しているのは室生犀星氏』と彼の名を挙げ、『彼の作品は切実な実在味が溢れていて興味深い』と賞賛しています。

島清と秋聲の関係が集約されていた「秋聲をつなぐ人々」展。
展示解説も初めて申し込んで3回位東京から見に行きました。
秋聲のことを国宝と例えた逸話の一節がデザインされたポスターは島清抜きにしてもお気に入り。
島清が秋聲・花袋生誕50年記念の時に寄せた「いと若きものより」が掲載された新聞記事が寄贈され初展示されていました。実物は初めて見たので感動!

今後も御本人同士の関係よろしく一方的に全力で懐いていく所存(迷惑はかけないようにひっそりと…)

秋聲生誕150年記念で作られた先着150枚限定小皿とお菓子セット
通販ページが開いた瞬間に購入したらまさかの結果だった自慢の1枚(大事すぎて使えない)


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