最近観て良かったドキュメンタリー作品

最近観て良かったドキュメンタリー作品をまとめた。毎回観るたびに心に刺さってるので作品と簡単な感想をまとめることにした。Netfrixのドキュメンタリーのクオリティが高くて感嘆。

ターニング・ポイント: 9・11と対テロ戦争

2001年の9.11がテーマ。当時私は小学生だった。学校から家に帰ったらビルが燃えてるニュースが流れていたのが記憶に残っている。事件の衝撃もさることながら、そこに至るまでの歴史、アメリカ内部で何が起こっていたかを概観できる。頭が追い付くのが精一杯で0.75倍速で観た。直近報道されてるニュースへの理解に繋がる点も多かった。23年越しに9.11の記憶が更新され、この事件は何だったのかを少しだけ知ることができた。

パリ同時多発テロ事件: そのとき人々は

2015年のパリ同時多発テロ事件がテーマ。私はこの事件のことを覚えてなかった。歴史や背景には触れず、事件のリアリティにひたすら迫っていく作品。当時事件現場にいた人たちへのインタビューを中心に構成されている。悲惨な事件だったことがよく分かる、本当にこんなこと起きるのかとつい疑ってしまう。テロを身近に感じさせる。恐怖を感じるが、だからといってどうすべきかは分からない。ただテロはどこで急に起こってもおかしくないと思うようになった。

THE DAYS

東日本大地震発生時の福島第1原発がテーマ。原発事故発生からひとまず最悪の事態を回避するまでを概観できる。当時私は高校1年生で地元の茨城にいた。原発のことはラジオやテレビでずっと流れていたので、よく分からないがやばいことが起こってるくらいしか思ってなかった。しかしこの作品を観てやっと、何が起こっていたか、どれだけ危機的なことだったかを理解した。日本でこんなことが起こっていたとは、そして今も続いてるとは、そのことを知らずに今まで生きてきたことが怖いと思った。日本はこれから何十年も原発の問題と向き合わないといけない。

インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実

2008年のリーマンショックがテーマ。アメリカの金融業界(政府、企業、学者も含む)で何が起こっていたか、いかに腐敗していたかを概観できる。バブル崩壊(これをバブルと言うのかは疑問)、マネーゲームとは、こういうことなのかと何となくイメージできた気がする。政府への皮肉もかなり含まれていて、よくこんな映画作れたなあと思った。特に印象に残ったのは、被害を被るのは、英語がままならない移民や教育水準が低かったりいわゆる情報弱者と呼ばれるような人たちだということ。今のアメリカに住む若者は親の世代よりも貧しいという話があった、大学の学費も昔に比べて何倍にもなっているという。教育、経済格差はますます広まる。アメリカだけではなく日本でも同じようなことが言える気がして不安になった。

ビヨンド・ユートピア 脱北

北朝鮮からの脱北者がテーマ。人格にまで染みてくるような作品だった。筆舌に尽くしがたい。感想をうまく言葉に出来ず「これは本当?」「自分は何も知らなかった」くらいしか言えなかった。ただ観てよかった。自分が生きてる世界のことを全く知らなかったことを痛感した。脱北者の人たちを見て同じヒトのはずだが生き抜く力、生きることへの覚悟の違いを感じた。後半脱北し成功した人たちが、北朝鮮を祖国と呼び郷愁にふける場面がある。北朝鮮や他の国へのイメージが更新されても、北朝鮮が祖国だということに変わりないことに当たり前ながら気づかされた。北朝鮮で行われてることを客観的に捉えて感じる感情、生まれ育った祖国に抱く感情、このジレンマを抱える脱北者の姿に胸打たれた。

(作中に登場するイ・ヒョンソさんのTED)

(追記)

アインシュタインと原爆

アインシュタインを通してナチスや原爆の歴史に触れる作品。原爆がどれだけ恐ろしい兵器なのか、それが広島・長崎に落とされたことがどれだけ悲惨な出来事だったのか、より現実味を帯びて感じられた。写真と映像で見る歴史は、過去本当に起こった事実だということをダメ押しのように感じさせる。ユダヤ人収容所の骨の山、原爆実験、原爆被害者の様子は、出来事としては知っていたが映像で見て、知識が色付けされたような感覚だった。終盤アインシュタインが語っていた、科学技術と同時に倫理性を高めなければならないという警鐘には、現代の我々が改めて耳を傾けなければならないと感じた。

感想

情報が滝のように流れる今、どうでもいいような情報も世界で起こってる重大な情報も同じ情報として流れ出て消えていく。今回紹介した作品で扱ってるような情報は忘れてはいけないとまでは主張しないが、覚えていた方が良いと私は思う。今生きてる世界で何が起こっているのかを知ることは、私にとっては自分の中に地殻変動が起こるような感覚がある。生きてるうちに全てを知ることはできなくても、まだ知らぬことを少しずつ知っていきたい。このような作品を残してくれる人たちには畏敬の念を抱きつつ感謝🙏

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