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電車内テロは「公共性の意識」で防げる。京王線刺傷で問う、「あなたは電車で寝られますか?」

2021年10月31日。
コロナ禍初の国政選挙に世間の注目が行く中で、事件は起きた。

京王線刺傷事件。
男が京王線車内においてナイフで人を切りつけ、その後車両に火をつけた。


私にとってこの事件は身近に危険を感じるものだった。
私が住む東京、それも日常的に利用している京王線車内で起きた事件だったからだ。

「明日は自分が乗っている電車かもしれない。」

電車内で逃げ惑う人々の姿が移った動画をみて、多くの人がそう感じたのではないか。


現に私は今、事件から2日経った京王線車内でこの記事を執筆しているわけだが、
先程車両が緊急停止した。
そのとき車内には変な緊張感が張り詰め、私も少しドキッとした。

では実際にそう言った場面に出くわした際、
私たちはどうすれば身を守ることができるのか。

そんなことを考えていたとき、興味深いネットニュースの記事をみつけた。

立正大学教授で犯罪学を専門とする小宮信夫氏が書かれた記事、
『ハロウィーンの夜に京王線で起きた凶行、電車内の「自爆テロ型犯罪」どう防ぐ?』
である。


この記事で小宮氏は、日本の電車内での「公共性」の低さを指摘し、テロを防ぐ方法として最後にこう結論づけている。

異常を早期発見・早期対応するには、電車内が「公共の場」あると強く意識する必要がある。意識すれば、必然的に警戒レベルは高まるはずだ。
                         (同記事より引用)


確かに小宮氏の言う通り、日本の電車内の「公共性」は低いと言えるだろう。

車内で泥酔している人は珍しくないし、たまに缶ビールを手にしている人もいる。

またそこまではいかなくても、
仕事や学校の帰りで疲れて寝ている人は多くいるし、
最近はだいたいの人がスマホをいじっていて、周りに目を配っている人はなかなかいない。
寝るということは雑に言うと、リラックスしている証である。

私も上記のような乗客の一人なのだが、著者はこういった私のような乗客に対し、もっと「外」であるのとを意識するよう訴えてているのだ。

この意見に私は同感する。

都内の大学に電車で通う大学生として、
仕事や学校が終わった開放感からつい気が緩んでしまったり、スマホゲームに熱中してしまうのは非常に分かるのだが、こういった事件が起こる可能性がある以上、やはり「公共性」の意識は重要だ。

とはいえ、常に警戒する必要はない。

少しでいい。
少し意識を「外」に向けるだけでいい。

今まで90%リラックスしていた人は70%にしてみる。
今まで95%スマホに集中していた人は、75%に下げて余った20%を車内に向けてみる。

それだけで、異常に気付く速さやその時の初動が変わってくるのではないか。
そうなればそれは自分、そして大切な人の命を守ることにつながる。

今回はたまたま日曜夜の京王線だったが、こういった車内テロはもはやどこで起きていてもおかしくない。
次は、私が明日乗る予定の電車かもしれないし、あなたが今乗っている電車かもしれない。

私もこれからは電車内で過ごすときの意識を少し変えようと思う。
皆さんもぜひ私と共に変えてみよう。
自分と大切な命を守るために。


「あなたはまだ車内で寝ることができますか?」


#11
2021/11/3

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