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夏への入口

気が付けば今日は七夕。


 
突然の暑さに準備ができておらず、どこか憂鬱でぼんやりとしていたら、遠くから蝉の声が聞こえてきた。

 そういえば高校生の時には、友達と平塚の七夕祭りに行くことが恒例なことを思い出す。

 
 あ!そうだ!
 学校にアイスの自販機あったらいいのにと文句を言いながら、近くのスーパーマーケットまで歩き、ドラアイアイスを入れて部室まで溶けないようにしていた、部活でのお昼休みもあったな、と。
 
 こんな風に考えていただけで、ほんの少しだけ、心が涼しく軽くなるなんて、なんて不思議なんだろう。

 そんなことを思いながら、電車の中でやはり肌寒く感じるが、その蒸し暑さからクーラーの風を浴びにいく。

 
 駅に着くと、プレイリストが松田聖子の「青い珊瑚礁」へ変わった。
 冒頭から特徴的で伸びやかな歌声が、私自身をどこまでも遠くへ連れて行ってくれるようで。
 
 まだまだ、暑い夏はこれからだけれど、今日もちょっとだけ頑張ってみようかな、と。

 

 

 
 
 



 

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