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マグロが幻にならないように

日曜劇場『グランメゾン東京』が最終回を迎えました。

内容は…

まだドラマをご覧になっていない方もいらっしゃると思うので、
後ほど触れるとしまして…

最終回のテーマの食材になった「マグロ」。

「マグロ」について「カンテサンス」岸田シェフにお話を伺いました。
最終回のテーマになっている食材。
ぜひご一読頂けますと幸いです。

マグロと水産資源

普段レストランでシェフをする傍らで、水産資源の保護活動をしています。
というのも、日本の水産資源というのは徐々に減り続けていて、現在は枯渇している状態です。皆さんはスーパーなどに行けばいつでも魚が売っているので、あまり気づいていらっしゃらないと思いますが、実はどんどん国産の魚が海外の輸入品に入れ替わっています。

こうして水産資源が減っている状況で、それに伴って本当に良い品質の魚が減ってきています。僕は毎日魚を注文して魚を触っているからこそ、どんどん悪くなっているなというのを実感しています。なんとかしなくてはいけないという思いがあり、水産資源の保護活動を、30人ほどのシェフ達とジャーナリストの方と一緒にNPO 法人を作って水産資源の保護活動をしています。

日本で長く食べられてきた太平洋クロマグロは現在、1960年頃に比べて12-3%にまで減っています、衝撃的な数字ですよね?

マグロは今は、本当に最高のものが獲れなくなってきています。この前「すきやばし次郎」の次郎さんにお話を伺ったんですけれど、ほんの2〜30年前の3番手4番手ぐらいのマグロが、今の1番手ぐらいの品質になっているんだそうです。

今回「マグロ」のテーマをいただいたとき、「僕はマグロを守っている身なので、そのテーマは辞めたい」と言い続けてきました。けれどドラマのストーリーにおいて、それをどうしても取り上げたいという番組側からのアプローチを受けて、「マグロの事に触れないよりも作中で一言でも二言でもこの事を取り上げて頂く事で皆さんにこの状態を知っていただける事の方が良いのではないか?」と思いました。なので、劇中でもマグロについて尾花さんは「太平洋マグロ(いわゆる日本の近海のマグロ)は使わずに、大西洋マグロ(ヨーロッパやアメリカ、インドなど遠洋にいるマグロ)を使う」とおっしゃっています。大西洋マグロは水産資源の保護をしっかりとしてきた結果現在は資源回復をし始めています。だから日本も同じように資源保護をしていけば、太平洋マグロも資源回復をすることができるのではないかと思っています。

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