【ぐお雑記】萌えネイティブの時代。
「鬼滅の刃は萌え作品である」
と言ったら反対する人はたくさんいると思います。しかし事実です。
全員ではありませんが女性キャラクターの多くは萌え絵と呼んで差し支えない絵柄です。
メインヒロインの禰豆子を見てみましょう。
瞳に特徴があるので多少萌えっぽさが抑えられてはいます。ですが目の描き方や顔の輪郭、控えめの鼻筋等を見ると萌え絵の特徴を備えているのがわかります。
アニメ版の方ではややアレンジが入っていてさらに萌えっぽくなっています。
「女性キャラがちょっと萌えっぽいからって萌え作品扱いは乱暴」と思う人もいると思います。
そう! そこが今回の主題です。
鬼滅の刃という作品全体を見ると"萌えっぽさ"はほとんど感じません。しかし一部のキャラクターに注目すると萌え的な絵柄はたしかに使われている。
この『一見萌えっぽくない作品をよくよく観察すると実は萌え表現が使われている』という点がとても重要なのです。
皆さんは『萌え絵作品』と聞いてどんな作品を連想するでしょうか。
かわいらしいアイドルが歌って踊るアニメ?
女剣士が男顔負けの活躍をするソシャゲ?
それとも美少女との恋愛を描いて最後にエッチなシーンも見られる大人向けパソコンゲームでしょうか?
どれも正解です。
3つとも『萌え絵で描かれる作品』の定番です。しかしそれは固定観念でもあります。
「萌え絵ってのはそういう作品に使われる絵の事であって、ジャンプ作品みたいなメジャーな作品には使われない」
という先入観を持ってはいませんか?
実は既にかなりたくさんの萌え絵作品がメジャー進出しているのです。
『君の名は。』『天気の子』等で有名な新海誠監督作品も萌え絵です。
ボカロ音楽で有名。海外ライブも盛んに行う『初音ミク』も萌え絵で描かれる事が多いです。
動画サイトで活躍するVtuber達も多くが萌え系です。
現在では絵本まで萌え絵を採用しているものもあります。
最初は珍しがられた文化もいずれ社会に馴染むものです。
明治時代には洋食店でしか食べられなかった洋食がいつしか家庭で手軽に食べられる様になり、現代では食べる際にいちいち「これは洋食だ」と意識される事も無い。それと同じ様に若い世代は萌え絵をいちいち「これは萌え絵だ」と識別しないレベルで馴染んでいるのです。
鬼滅の刃も、そういった時代の変化の結果産まれた作品の一つなのです。
現在では萌え絵は様々な媒体で採用され、日本の漫画・アニメ文化の中にごく自然に馴染んでいます。
萌え絵は特定のジャンルにのみ使われる特殊な絵ではないのです。
バトル漫画にも使われるし、歴史アニメにも使われる。お菓子とコラボしてコンビニに陳列される事もあります。
そして子供達・若者達はそういった環境に疑問を持つ事無く生活しています。
鬼滅の刃は
『週刊少年ジャンプで連載されていた』
『少年が刀で鬼と戦う物語』
『人気キャラクターであっても容赦無く死亡する』
という一見萌えとは無縁そうな作品です。しかし実際には萌え要素と上手く馴染んでいます。
それはかつては全く別物だった和食と洋食が現代の食卓では誰に咎められるでもなく自然と共存しているのと同じだと言えるでしょう。
現代の子供達を指して『デジタルネイティブ』だとか『ボカロネイティブ』という言葉はよく使われます。
さらに彼らは『萌えネイティブ』でもあるというわけです。