企業プロモーション動画作成のお話
こんにちは。グンゼの前原です。
プラスチックフィルムを製造しているグンゼで培った経験を活用して、
noteでは 食品パッケージに関する雑学や豆知識を提供しています。
本日は、題名の通り。プラスチック話ではございません。
企業PR動画作成のお話をしたいと思います。
これから作ろうと思われている方、是非参考にしてください。
5月連休前に、ホームページ刷新にあたり 何か即時的に
伝えられる手段はないか?との議論となり、「動画」を作る
運びとなりました。
日常生活の中で動画を見る事はあっても、作ることはないですよね。
私は今から20年程前、MAD動画というジャンルに手を出し、アニメの映像と 別の音楽を組み合わせて自己満足PVを作ったりしてました。
そのため、“他の人よりは” 映像を作ることに抵抗はなかったのですが…
1.動画制作(企業選び)
まず問題として、「どこに頼んだらよいの?」
ネットで“映像”“制作”と調べたらキリがないほどの会社が出てきます。
『実績多数!』『スピード納品!』などの謳い文句はありますが、
ぶっちゃけどこも同じように見えてしまいます… すみません。
私の場合、たまたま映像関連の展示会が開催されており
「自分の目で見て聞いた方が早い」という考えで、何社かを選定。
本当に巡り合わせというのが本音です。
最終、社内の広報からの紹介も有り、4社でのコンペに。
やはり一番驚いたのは価格でしょうか… なかなか社内を説得するのにも一苦労する金額です。(5分程度の動画相場で約150万前後)
業者選定の基準として、あまり主観にならないように審査項目を設け、点数を付けます。点数配分は一律ではなく、動画作成において重要視すること、例えば『コスト』なのか『実績』『納期』なのかは各々の考え方と思います。当社の場合は提案力と自由度を重要視。
結果、総合点の高かった会社さんに決めました。(内容はボヤかしてます)
2.動画制作(スタート)
まず驚いたのは、「動画作成お願いします」「イメージこんな感じ」「こういうのPRしたい」「こんな風に」と伝えれば、勝手に動画が上がってくると思ってました。そんな簡単な話ではなかった。
特に業者さんからは3点のポイントについて何度も聞かれました。
①ターゲット層(誰に届けたいか)
②PRポイント(何を伝えたいのか)
③目的(何のために)
恐らくどんな職種にも言えることですが、誰に何を何のために○○するのか、というのが明確になっていないと 戦略も決まらない。頭ではわかってるんですが、これを言語化することの難しさたるや。
「誰に」が決まらないと テイスト(専門的、汎用的)も決まらない。
「何を」が決まらないと具体的な構図もストーリーも決まらない。
「何のために」が決まらないと動画を作る上でのゴールも決まらない。
仰る通りなんですが、これがまた難しいんですよね。
3.アウトライン作成
ここからいわゆる台本作りがスタートします。いわゆる絵コンテのような。
おおよその文字数から動画の尺が決まります。
初稿はなんと10分越えの超大作。
業者からは「これでは見て貰えないですよ」と痛烈批判。
そりゃそうですよね…YouTubeの広告なんて2~3分がメイン。
ここからいわゆるダイエット(削ぎ落し)と共にストーリー性を再考しま す。 ↓2~3回修正の文面。恐ろしく固い。
4.第三者目線
「なかなかええやん」と少しづつ形になると、視野が狭くなるのはよくある話。経験上、適宜第三者意見を入れるべきと感じます。
事業部トップへ動画を初めて見せた際、言われた一言は『これ、株主総会で流すの?真面目過ぎない?』でした。相当ショック。
と、言うのも 動画は納品後は全く変更ができないため、慎重に慎重に言葉や映像を選定していた節はありました。冒険なんて出来る筈もなく。
でも実際に私が何かしらの動画を見る際、最初30秒くらい見て 興味なかったら中盤くらいまでスキップして、それでも興味を惹かなかったら 後ろの部分を見て終わり。
結論、中身にどんだけ魅力的なことがあったとしても、全体を大人しくみてくれることはないのが実態。それであれば、開始30秒が肝である、と。
慎重に考えてましたが、そこからは「開始30秒で如何に魅せるか」ということを重点に、業者と話し合い。
5.納品に至るまで
冒頭部分は“相手に考えさせることが重要である”という考えのもと、プラスチック問題についてあえて「解決策」を想像させるという手法に。
5月頭にコンペを実施し、納品が8月頭。業者さん曰く、かなり早いスピードで出来上がったようです。(何回も何回もやり直して頂きました…)
正直、今まで営業として様々なプレゼンを行ってきましたが、全く頭の使い方が異なります。
メーカー営業として、如何に製品の良さ、供給の安定さ 等「性能」「安心安全」をどのように伝えるか、という工夫をしますが
このようなオンライン上の動画訴求は 如何に目を止めさせて、興味を惹かせるかという工夫が必要。
如何に中身が良くても、PRポイントが秀でていても 見て貰えなかったら何の意味もない。
こういったあたりは動画制作会社さんの意見を取り入れながら、協議しながら何度も意見を交わすべきと思います。そういった点でも一緒に戦って頂いた業者さんには本当に感謝。
出来上がった動画はこちら。紆余曲折を感じながらご覧ください。
ではまた!