軍用地の下にトンネルが通ると「お金」がもらえる!
8月14日、琉球新報電子版において、以下の報道がありました。
『豊見城市と那覇空港を結ぶ「小禄道路」の整備が着々と進められている。
今年4月には那覇市の赤嶺駅付近で自衛隊基地の地下をくぐる「赤嶺トンネル」が貫通した。
トンネル北側は沖縄都市モノレール(ゆいレール)と交差する区間で、
運行中のモノレール橋脚の真下にトンネルを掘る、沖縄初の施工となった。』
本トンネル工事は、内閣府沖縄総合事務局開発建設部が発注者で、国道331号安次嶺交差点北西部から南西部に建設する道路トンネル上下線2本の北側半分(上り線L=485m、下り線L=362m)を施工するものです。
トンネルを含む小禄道路(小禄バイパス)は、那覇空港自動車道の一部を構成する道路であり、那覇都市圏の渋滞緩和や那覇空港へのアクセス性向上などを目的としています。
豊見城市名嘉地から小禄バイパスを通り、空港へ抜ける道路一帯は、道路幅拡張のため、航空自衛隊那覇基地の一部敷地が南部国道事務所へ買収されました。
買収額は、明らかにすることはできませんが、末恐ろしい倍率で南部国道事務所が買収したと聞いています。羨ましすぎるwww
ところで、今回は、買収の話ではありません。赤嶺トンネルは、県道とモノレールの下をくぐることが特徴で、航空自衛隊那覇基地の下を通る「赤嶺トンネル南」と「赤嶺トンネル北」がつながります。
以下の写真を見ても分かるように、自衛隊基地の地下を掘削してトンネルを通しています。
このようなトンネル工事の際、事業者は、下図のように、地主との間で区分地上権設定契約を締結しています。
区分地上権とは、土地の地下に、トンネル構造部の上下左右に一定の範囲を定め、その範囲内を使用するための権利をいいます。
区分地上権設定により、区分地上権の設定範囲内で地下の利用ができなくなります。また、トンネル保護のために、地上には、ある一定の建物が建築できないなど「荷重制限」等の制限が設けられます。
事業者は、区分地上権を設定するにあたり、土地の用地測量や調査を行います。用地測量結果にもとづき、区分地上権を設定する土地の面積などについて調書を作成し、地主に調書内容を確認していてもらいます。
確認後、事業者は土地所有者に区分地上権設定に対する補償額を補償基準に基づき公平・公正に算定します。区分地上権の設定範囲、補償額について説明し、契約締結する運びとなります。
契約締結後、事業用地に区分地上権設定登記を行い、補償金の支払いとなります。
区分地上権設定補償金の算定方法については、「国土交通省の公共用地の取得に伴う損失補償基準」及び「国土交通省損失補償取扱要領」等に基づきます。
補償金=土地単価×土地利用制限率×事業用地面積
土地利用制限率は、個々の地主によって異なりますが、約30%だと記憶しています。
いずれにしても、地主にとっては、軍用地料を貰いながら、臨時収入として補償金も入ってくるので、イーアンベーですね。
※沖縄の方言で、物事が調子よく進んでいたり、病人の状態が良い時など。またいい気分で酔っているときにも「イーアンベー」と使ったりします。
皆さんも、ゆいレールに乗車した際、安次嶺交差点付近でトンネルを見かけたときは、この補償金を思い出して頂けると幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
出会いに感謝です!