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未来はある家族会議から。

データを説く仕事。

周りにデータを説く仕事をしている。
8年前に、”REVISIO”(リビジオと読む)というテレビのデータ会社を創業し、
それからは、唯一無二の消費者データをずっと取り扱ってきた。
ゼロイチの羅列であるデータに体裁を整え、TPOに合わせ説き続けていた。

データから見えることは実にたくさんある。
でもそれを人に説くと、ときどき小難しくなりやすい。
ときどきじゃなくしょっちゅうか。
最近も、データを説く難しさを感じるエピソードがあった。

ある家族会議。

ある日の夕暮れ、日中の打ち合わせもだいだい落ち着き、
メンバーそれぞれ作業タイムに移りつつあった中で、
あるエンジニアからSlackに突然の投稿があった。
「今から家族会議を開催するので、ちょっと抜けます」

家族会議?そういや彼はつい最近も、
「子供のイヤイヤ期いつ終わるん?」とかこぼしていたし、
4歳と1歳の男の子だとなかなか大変だよな、とか思っていると、
はたして続報がSlackに投稿された。

「第1回 N家の家族会議が開催決定。
議題: おさるのジョージを中心としたテレビ視聴の上限時間の設定について
なお、長男は話し合いを拒否している」

私は「???」となった。

そしてその投稿から2時間後、議決事項が共有された。
「①テレビは18時に1度止める(帰宅から約1時間を想定)」
「②テレビは20時30分に完全終了(次男寝かしつけ中は可)」
「なお、会議終了後(20時25分)の長男くんのコメント」
「『じゃあいまからテレビみていい?』」

さらに、「????」となった。

詳しく事情を聞いてみたらなんてことない。
N家の4歳の長男が、テレビでYouTubeを一回見始めたらエンドレス。
いくらでもエピソードが進んでいき、いっこうに止められない。
(「おさるのジョージ」に飽きたときは「パウ・パトロール」らしい。)
それに堪忍袋の緒が切れたお父さん(ウチのエンジニア)が家族会議を開催。
なるほど、どこの家でも起きそうな話である。

この心温まる(?)エピソード、
(エンジニア本人にとっては真剣かつ、重大な問題だが)
社内からはたくさんの励ましのスタンプが飛び交った。
(弊社のSlackには実にたくさんのオリジナルスタンプがある)

普段一番テレビのデータを見聞きしていた私は、このエピソードの中に
データを説くときにうまく伝えられなかった、何かにふれた気がした。

データとリアルが合致した「真実の瞬間」。

「テレビでYouTubeを見る」は、説くことがめちゃくちゃ多いテーマだ。
・・・テレビの未来は「コネクテッドTV (略してCTV)」である!
・・・テレビは視聴者のスクリーンとして引続き最重要!CTVを見ている!
何ならそれだけで、経済メディアで1時間の番組収録までしている。

いまの子供たちは、テレビを人生で最初の「スクリーン」として、
YouTubeやその他のコンテンツをたくさん見ている、
というのは実はすっごく重要な話。
子供のときの視聴習慣が、それからの人生に続くのである。
いまの子供たちはそうしたCTVネイティブの第一世代であり、
そのライフタイムは長い。
「テレビの未来」を説くときに、欠かせない真実の一つである。

そうした分析は世の中にたくさんあるし、
REVISIOもデータを山ほど出している。
だからこそ、CTVは未来ある市場として見られているのだ。
しかしたくさんのデータを並べてその真実を説いたところで、
大きな概念を大上段から語ったところで、響かない方も多い。

上に記した家族会議のエピソードの方が、より実感が沸く。

データには真実が眠る。

こういったエピソードに接するとき、改めてデータを説く難しさを感じる。
データには真実が眠っていて、その真実を語っていたとしても、
データだけではリアリティを伝えられないことが多い。

そうした「真実が眠りについたまま」であることも多く、
ビジネスの場だと、それがさまざまな出遅れや、間違ったアクション、
ひいては変革がうまく進まないことにも繋がる。

REVISIOはデータの説き手として、日々こうした難しさと向き合っている。

でも改めて考えると、データも捨てたもんじゃない。
上のエピソードも、REVISIOに蓄積された、
たくさんの子供たちのリアル視聴データと紐づいてこそ、
真実だと胸張って言える。

実はデータを見ていくと、「逆・真実の瞬間」もたくさんある。
自分(や自分の周囲)が実は少数派で、
思ってきた「真実」は間違っていた、ということも少なくない。
何を隠そう、私もしばしばそうした少数派だったりする。

データから見えた、面白い「逆・真実の瞬間」については、
またおいおいの話として、今日もデータの説き方を考えています。

この記事で、REVISIOに少しでも興味がありましたら。

(泣いて喜びます。笑)


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