丸薬(がんやく)

赤ちゃんです。

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「反出生主義」が(一応)矛盾だらけのご都合主義ではない理由-[諏訪大介 2021]への応答-

はじめにこのnoteの概要  ちよさき氏のnoteを読み、いまだ日本の一般メディアにおいて反出生主義に関わる議論が成熟していないという感想を持った。本稿では、少しでも反出生主義に関する議論が発展することを願い、以下に引用する諏訪大介氏のnoteへの批判を行う。 事前知識  特別な知識は必要ない。 [諏訪大介 2021]ではBenatarの議論が誤解されている喜び(+)と苦しみ(-)の合計について 人生(シナリオA)において、喜び(+)が苦痛(ー)より多くあった場合、反

    • BooninによるBenatarの反出生主義批判は本当に正しかったか?

      常に人間は心に痛みを感じている。心が痛がりだから、生きるのも辛いと感じる。ガラスのように繊細だね。特に君の心は。 新世紀エヴァンゲリオン 第弐拾四話 最後のシ者 カヲルのセリフより引用 はじめにこのnoteの概要  Benatar型の反出生主義に対する反論として、最も洗練されたものの一つが[Boonin 2012]による反論である。しかしながら筆者の見解では、これに対する[Benatar 2012]での再反論も十分に機能している。本稿では、まずBooninの議論に対して肯

      • Benatar型の反出生主義者は自殺すべきか?

        はじめにこのnoteの目的と概要  この記事は、Benatar型の反出生主義者に対して「なぜ自殺しないの?」と問う人々に対して浴びせられる罵声(Benatarを理解してない!反出生主義を誤解している!BNHBを読まずにそんなことを言うな!etc...)を減らす事を第一の目的としている。反出生主義を厭世主義そのものとする短絡的な理解で「自殺しないの?」と問いかける人間も多いが、十把一絡げに全ての人間がそうであるとは限らない。Benatar型反出生主義が死亡促進主義(pro-mo