コンクリート診断士資格・合格体験記 記述問題対策ノートを紹介
コンクリート診断士資格取得を目指す皆様へ。
マイナーではあるものの難関といわれるコンクリート診断士資格ですが、特に難しいのは記述試験の対策ではないでしょうか。本記事では、コンクリート診断士の勉強方法やポイントを解説します。
自己紹介
業界のことをろくに調べずに建設業界に足を踏み入れる。入社直後から辞めたい辞めたいと思いながらも土木現場監督として8年経過。
保有資格は一級土木施工管理技士、コンクリート診断士、狩猟免許、カラーコーディネーター、簿記、…等々
コンクリート診断士が難しい理由
本記事のテーマであるコンクリート診断士資格ですが、合格率は15%程度と土木関連資格の中では難関クラスの資格となっています。
その難しさの理由を考察してみます。
時間配分が難しい
コンクリート診断士資格は、四択の「選択問題」が40問+1000字の「記述問題」を三時間で回答する構成となっております。
択一問題も記憶さえしていれば解ける問題だけではなく、時間をかけて考えなければいけない問題も多くあります。また、記述問題は1000字の小論文を作成する必要があり、こちらもかなりの時間を要します。
合格を目指す方はしっかり対策してくると思いますが、本番の緊張感のなかでは時間が足りず、満足いく答案が作成できない受験者が多くいるかと推察されます。
選択問題は出題範囲が広くて深い
受験申込時に配布される「コンクリート診断技術」や、各社から出版されているテキストを見るとわかりますが、コンクリート診断士試験の範囲は広いです。また深い知識を必要とする問題も毎回数問出題され、しっかりと時間をかけて試験対策をしなければいけない内容となっています。
記述問題は学習が難しい
試験対策を行う上で記述問題の対策方法は大きな問題になるかと思います。なぜなら、記述問題は正誤の明確な判定基準が不明で、学習するにも時間と労力を要するからです。
正直なところ判定基準は採点者以外は誰にも分りません。もしかすると採点者によっても分かれることもあるかもしれません。
本記事では、実際に試験に合格した私が行った試験対策とノートを掲載します。
択一問題試験対策
択一問題試験対策は兎にも角にも過去問を解くのが最適解です。
上記で範囲が広くて深いと書きましたが、数年前に出た問題が少し内容を変えてそのまま出題されている例もあります。それくらい過去問が重要です。
個人的におすすめの学習方法は
過去問を手に入れて解く→解説とテキストをざっと見る→過去問を繰り返し解く
といったように、過去問中心に対策していくのがいいと思います。
テキストは直近5年を収録しているものが出版されていますが、5年以上前の過去問と同様の問題が出題されることもあります。そのため、可能であればさらに昔の過去問テキストや、直近5年に限らず過去問をピックアップしているテキストも併用して学習すると効果的です。
ただし問題の傾向は数年おきに変わっています。例えば
・中性化深さと標準偏差を組み合わせた問題
・年代暗記の問題
は出題傾向が変わりやすいので、直近年の過去問を使用しての対策が必要です。
記述問題試験対策
それでは本題の記述問題試験の対策にいきます。
記述問題は例年以下の構成になっています。
問1 変状の原因を推定、その根拠を2~3つ記述。
問2 原因を特定するための調査項目を3~4つ記述。
問3 変状に対して必要な対策を3~4つ記述。+維持管理方法。
数年前までは記述する項目の数は提示されていませんでしたが、最近では指定されるようになってきました。
上記を要約すると、
原因と根拠
調査項目
対策
を聞かれているのであり、各変状に対しての上記三項目を覚えてしまえば、「記述する内容」は十分ということになります。
しかし、そうはわかっていてもいざ書き始めようとすると筆が進まず困っている方も多いのでしょうか。私もそうでした。
そのような方には「文章の型」は決まっていることをお伝えします。
「文章の型」とは、上記のような問いであれば
問1 写真の変状の原因は~と推定される。
理由は次の三点である。①~。②~。③~。
問2 原因を特定するために次の三点の調査を実施する。
①~。②~。③~。
問3 変状に対して次の三点の対策を実施する。
①~。②~。③~。
維持管理方法は~
このようになります。
一見すると「なんだたいしたことないじゃないか」と思われるでしょう。しかし、学習したてのころは何から書いていいのか戸惑ってしまいますので、まずはこの形に倣って記述するように心がけてみてください。
「~」には前述した記述する内容のキーワードを含んで文章を作成します。
記述問題対策ノートの公開
つまり記述問題対策とは、記述する内容と文章の型の2つを学習することになります。
「文章の型」については数回練習すればすぐに身につくと思います。しかし、「記述する内容」は膨大なテキストを学習するには時間がかかりますし、自己流だと「本当にこれで合格できるのだろうか?」と不安に感じてしまうでしょう。
私が使用し、この後公開するノートは各変状に対しての「推定理由」「調査方法と目的」「対策」をテキストや過去問から抽出して、まとめたものになります。
例えば塩害であれば
○推定理由
・凍結防止剤が散布されている
○調査方法と目的
・コンクリートをはつり取り、鉄筋を目視確認→鉄筋腐食状況の確認
○対策
・鉄筋の防錆処理後、ポリマーセメントモルタルで断面修復
といった具合です。
私はコンクリート診断士試験を2回目の挑戦で合格しましたが、初めて受験した時は記述試験問題を見た瞬間に頭が真っ白となってしまい、満足な記述をかけませんでした。
あとになって問題を見返すと、「ああ書けばよかった、こんなのもあったじゃないか」と次々出てくるのに、頭の中で情報が整理されておらず本番で力が発揮できなかったのです。そんな経験から私はこのノートをつくりました。
このノートが皆様のお役に立つことを願っております。
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