ふつうの日記2

仕事の関係で久々にスーツを着ることになった。ウエストが90cmであるという事実、店を出ようとしたところで降り出した激しい雨、サムギョプサル、チャプチェ、タン塩。

官公庁が集まる都心から地下鉄にのって家路に着くと、ロクでもなさそうなガイジンがうちの長男と同じカーピィのTシャツを着て座っていた。コイツは多分フランス人やねんやろな、という偏見。根拠も意味もないが。

フランス人の腹で左右に伸びるワドルディを見つめていると、妻から「雨降ってるけど大丈夫？」という連絡が来る。駅前のローソンで傘を買って帰ろうと思っていたけど、妻はスーツを着た俺を駅まで傘を持って迎えに来たいのだ、たぶん。

「迎えに来たいんか？」と問うと、「はいー」というやす子のような返答が秒で来る。我が家ではやりたくないことはやらない、やりたいことをやる、ということが半ばルールとなっているので、本来確認するまでもない。が、嗜みとして、聞いてやらねばちょっと冷たいではないか。

などと考えていると、フランスオタの隣にいつの間にか日本人オタが座っていた。Tシャツにプリントされた戸愚呂弟が「酒はダメなんで」と言っている。わざわざ戸愚呂に言わさんでもわかるよ。君は、ぜんぜん酒が飲めなそうな顔をしているもんな。

最寄り駅で下車するとき、フランスオタも一緒に降りた。こんな輩が私の街に？と一瞬思ったが、たしかに私の街は日本で一番こんな輩がいそうな街である。